ジェンダー・クライム の商品レビュー
一つの犯罪により多くの人の人生が狂ってしまう。また、使われている言葉により、バイアスがかかり、物事をまっすぐにとらえることができなくなってしまう。色んなことを考えさせられる作品だ。
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出だしはとても興味深かったと思う。 鞍岡と志波のコンビも良かった。序盤の会話もテンポがよくて面白いと思った。 ただ話が進むにつれて、おそらく作者さんの「あれも書きたい、これも書きたい」が溢れていたのか少し乱雑に感じて、カメラのオートフォーカスがうまくいかないような、全体的にぼやけ...
出だしはとても興味深かったと思う。 鞍岡と志波のコンビも良かった。序盤の会話もテンポがよくて面白いと思った。 ただ話が進むにつれて、おそらく作者さんの「あれも書きたい、これも書きたい」が溢れていたのか少し乱雑に感じて、カメラのオートフォーカスがうまくいかないような、全体的にぼやけた印象を受けた。
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テーマに惹かれ、図書館で予約して2ヶ月強待ってようやく読みました。 率直な感想としては、詰め込みすぎて主軸の事件と問題提起が薄れてしまった気がします。 ただ、巻末の謝辞を読むと詰め込んでしまった天童さんの思いも痛いほど良く分かるため、星を付けるのがとても難しい作品だと思いました...
テーマに惹かれ、図書館で予約して2ヶ月強待ってようやく読みました。 率直な感想としては、詰め込みすぎて主軸の事件と問題提起が薄れてしまった気がします。 ただ、巻末の謝辞を読むと詰め込んでしまった天童さんの思いも痛いほど良く分かるため、星を付けるのがとても難しい作品だと思いました。 中年男性の全裸遺体が発見されたというのが、本作のメインとなる事件。 この男性の体に残されていたのは「目には目を」というメッセージ。そして被害者の息子はかつて起きた集団レイプ事件の加害者だったー。 この殺人事件の犯人は最後まで分からず、犯人が明らかになってなるほどこの人だったかと、してやられた感がありました。 しかしながら、先に書いた通りジェンダーに纏わる問題提起が多すぎて、全体的にぼやけてしまった印象が強い上に、男性殺害事件の動機も分かったような分からないような、何とも微妙な気持ち。 確かに今の社会にはびこるジェンダーやその他差別に係る問題は多岐に渡ります。そのどれもに明確な線引きや落としどころが見つかっていないこと、それらに我々がモヤモヤしていることは事実です。 ですが本作にはそれらの全てを詰め込まずに、1つの問題を深く掘り下げたほうが結果的に読者に幅広く問題意識を持たせることができたのではないかと思います。 一方で、終盤ある人物が投げ掛けた台詞には胸を衝かれました。 「本当によく生きてこられました」 この一言、出てきそうでなかなか出てこないと思います。 「頑張ったね」「生きてるだけで素晴らしい」とは明らかに違う、敬意と優しさに満ちた台詞だと思いました。 ミステリーとしては微妙ですが、この台詞を目にできただけでも大きな収穫があった1冊です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ページターナー。犯人はだれかとあれこれ思い巡らすが、外れた。相棒の志波が何かの事件にからむか…と想像してみたり。終盤は色んな伏線が回収される。終わったかと思うと、最後の最後にいい話が待っていた。
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ジェンダーうんぬんの前に、男女問わず相手のことを見下した目でみることが問題と思う。女と言うだけで、自分より下に見る。この本のジェンダー問題が、集団暴行→セカンドレイプ、夫からのDVだったり、ハードなものだったけれど、ここまで強いものじゃなくても、日常のそこかしこにジェンダー問題が...
ジェンダーうんぬんの前に、男女問わず相手のことを見下した目でみることが問題と思う。女と言うだけで、自分より下に見る。この本のジェンダー問題が、集団暴行→セカンドレイプ、夫からのDVだったり、ハードなものだったけれど、ここまで強いものじゃなくても、日常のそこかしこにジェンダー問題が空気のように散らばって存在している。 権利を持っている人が事件をもみ消す、友達の中のカースト、同性でも相手を下に見ていて、酷い扱いをしている場面もあり、情報量多過ぎて、ジェンダー問題がぼやけるというか、、、。 鞍岡・芝波コンビは、良かった。
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やられた! 事件も解決し後は大団円の結末かと読み進めたら、意外な物語が明かされた。これには涙腺が緩み鼻を啜るほど心が動かされた。 集団暴行の加害者達の横行、被害者家族への謂れなき誹謗、そして拘束され陵辱された痕跡のある中年男性の全裸死体。 様々に絡み合う事件をベテラン鞍岡刑事と若...
やられた! 事件も解決し後は大団円の結末かと読み進めたら、意外な物語が明かされた。これには涙腺が緩み鼻を啜るほど心が動かされた。 集団暴行の加害者達の横行、被害者家族への謂れなき誹謗、そして拘束され陵辱された痕跡のある中年男性の全裸死体。 様々に絡み合う事件をベテラン鞍岡刑事と若い志波刑事たちが追う。 事件の謎解きあり、女性に対する偏見への警鐘あり、狡猾な悪役あり、警察内部の政治力学あり、人情もある。 様々な要素を盛り込み大変満足できた警察小説でした。
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しっかり描かれてる作品。展開も見事だし、謎解きも。そして最後の話も見事。でも、こういう話が好きじゃない。実際にあると思われるような話で、せめて本の中ではそういう世界から離れたい・・・
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天童荒太さんの作品は、いつも、ずっしりと、心に伸し掛かる。「伸し掛かる」と言った方が合っている。重たいのである。しかし決して目を背けてはいけない題材で各々がきちんと考えていかなければいけない。 「謝辞」を読めば言わんとする事が全て伝わる。 かく言う私も配偶者の事を「主人」と言う。...
天童荒太さんの作品は、いつも、ずっしりと、心に伸し掛かる。「伸し掛かる」と言った方が合っている。重たいのである。しかし決して目を背けてはいけない題材で各々がきちんと考えていかなければいけない。 「謝辞」を読めば言わんとする事が全て伝わる。 かく言う私も配偶者の事を「主人」と言う。 うーむ、考えちゃうな…
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最初の事件が異様で 不可解であり、この先 いったい何があるのだろう? と強く興味をひかれたけれど 警察の組織関係を出し 他の些細な事件をいくつも絡め 複雑にしたことで 結局、全てがぼやけてしまった… はじめの死体の状況に 何か大きな意味が隠されているのか と疑っていたけれど 全て...
最初の事件が異様で 不可解であり、この先 いったい何があるのだろう? と強く興味をひかれたけれど 警察の組織関係を出し 他の些細な事件をいくつも絡め 複雑にしたことで 結局、全てがぼやけてしまった… はじめの死体の状況に 何か大きな意味が隠されているのか と疑っていたけれど 全てたまたま、なんとなくで では、あの謎と ジェンダーに関する考察は 何だったのだろう?と最後に思った。
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謎の事件が起きて、過去に女性暴行を働いた青年たちと事件を追う刑事たちの話が続く。最後に全ての伏線回収され納得の終わりかただった。
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