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ジェンダー・クライム の商品レビュー

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67件のお客様レビュー

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2024/04/22

 クライムものとしては、物足りないところはあるものの、全体を流れる天童さんのジェンダーに対する思いが溢れていて、それだけでも多くの人、とくに男性に読んでほしいです。  謝ってほしいんだよね。男はそういうものだろう、みたいな呪縛から解き放ってほしいんだよね。  女性がこうした問題...

 クライムものとしては、物足りないところはあるものの、全体を流れる天童さんのジェンダーに対する思いが溢れていて、それだけでも多くの人、とくに男性に読んでほしいです。  謝ってほしいんだよね。男はそういうものだろう、みたいな呪縛から解き放ってほしいんだよね。  女性がこうした問題を取り上げても、男性がどう受け取るかが肝心なわけで、見て見ぬふりをしない天童さんに拍手です。  読了後、自分のことをあれこれ考えてしまったよ。私も謝ってほしいと思っていたんだと気が付きましたよ。  ちょっと前に読んだ井上荒野さんの「その話は今日はやめておきましょう」についての感想を覚書にしておこう。  文庫だったので、解説も読んだ。村松友視(みが出ない)さん、男のあなたはもっと昌平について書くべきだね。荒野さんの書き方がうまいとか、音楽みたいだとか、そんなこと言ってる場合じゃないんだよ。これから、男性はどうやって生きていくべきか、それを女性が描いているんだから。それについて逃げずに考えて、「解説」してくれよ。

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2024/04/13

天童荒太さんは重い。今回もずっしりと重たかった。 殺人事件を追ううちに、DV、一方的な介護や育児の押し付けなどジェンダーが絡む問題が出てきた。性犯罪はその最たるものだと思う。 配偶者の呼び方でやたらと注意を受けている場面がコミカルだった。

Posted byブクログ

2024/04/06

ジェンダーギャップ、バイアスから発生した犯罪を、鞍岡や志波、依田らが果敢に挑む。小さな声を掬い上げない日本社会。本書はそれらを問題提起し、気づきの扉を開いた。

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2024/04/05

ある中年男性の殺人事件から浮かび上がってきた、レイプドラックを使った過去の強制性交犯罪。帳場がたち、鞍岡と志波のコンビが犯人逮捕の鍵を見つけていくのだが、、、。 他の事件もわらわらと起こってきて、やや煩雑な感じはするのだけれど、何か起こる時には連鎖するものなのかな、と思いつつ読ん...

ある中年男性の殺人事件から浮かび上がってきた、レイプドラックを使った過去の強制性交犯罪。帳場がたち、鞍岡と志波のコンビが犯人逮捕の鍵を見つけていくのだが、、、。 他の事件もわらわらと起こってきて、やや煩雑な感じはするのだけれど、何か起こる時には連鎖するものなのかな、と思いつつ読んだ。悪いことをしたら、謝って罪を償う、、、はじめに、そうしていれば、こんなことにはならなかったのに。そして、犯罪の被害者に対する配慮の欠如も不幸を招いていく。 ジェンダーに囚われていると自覚しながらも、なかなか切り離せない世代ですが、性犯罪や虐待に関しては、憤りしかない。力の弱いものから、力の強いものが搾取しているように思うからだろうか。 明るい光がさすような、作者の祈りにも似たような、そんなラストシーンに救われる。

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2024/04/05

一つの犯罪により多くの人の人生が狂ってしまう。また、使われている言葉により、バイアスがかかり、物事をまっすぐにとらえることができなくなってしまう。色んなことを考えさせられる作品だ。

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2024/04/05

出だしはとても興味深かったと思う。 鞍岡と志波のコンビも良かった。序盤の会話もテンポがよくて面白いと思った。 ただ話が進むにつれて、おそらく作者さんの「あれも書きたい、これも書きたい」が溢れていたのか少し乱雑に感じて、カメラのオートフォーカスがうまくいかないような、全体的にぼやけ...

出だしはとても興味深かったと思う。 鞍岡と志波のコンビも良かった。序盤の会話もテンポがよくて面白いと思った。 ただ話が進むにつれて、おそらく作者さんの「あれも書きたい、これも書きたい」が溢れていたのか少し乱雑に感じて、カメラのオートフォーカスがうまくいかないような、全体的にぼやけた印象を受けた。

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2024/04/02

テーマに惹かれ、図書館で予約して2ヶ月強待ってようやく読みました。 率直な感想としては、詰め込みすぎて主軸の事件と問題提起が薄れてしまった気がします。 ただ、巻末の謝辞を読むと詰め込んでしまった天童さんの思いも痛いほど良く分かるため、星を付けるのがとても難しい作品だと思いました...

テーマに惹かれ、図書館で予約して2ヶ月強待ってようやく読みました。 率直な感想としては、詰め込みすぎて主軸の事件と問題提起が薄れてしまった気がします。 ただ、巻末の謝辞を読むと詰め込んでしまった天童さんの思いも痛いほど良く分かるため、星を付けるのがとても難しい作品だと思いました。 中年男性の全裸遺体が発見されたというのが、本作のメインとなる事件。 この男性の体に残されていたのは「目には目を」というメッセージ。そして被害者の息子はかつて起きた集団レイプ事件の加害者だったー。 この殺人事件の犯人は最後まで分からず、犯人が明らかになってなるほどこの人だったかと、してやられた感がありました。 しかしながら、先に書いた通りジェンダーに纏わる問題提起が多すぎて、全体的にぼやけてしまった印象が強い上に、男性殺害事件の動機も分かったような分からないような、何とも微妙な気持ち。 確かに今の社会にはびこるジェンダーやその他差別に係る問題は多岐に渡ります。そのどれもに明確な線引きや落としどころが見つかっていないこと、それらに我々がモヤモヤしていることは事実です。 ですが本作にはそれらの全てを詰め込まずに、1つの問題を深く掘り下げたほうが結果的に読者に幅広く問題意識を持たせることができたのではないかと思います。 一方で、終盤ある人物が投げ掛けた台詞には胸を衝かれました。 「本当によく生きてこられました」 この一言、出てきそうでなかなか出てこないと思います。 「頑張ったね」「生きてるだけで素晴らしい」とは明らかに違う、敬意と優しさに満ちた台詞だと思いました。 ミステリーとしては微妙ですが、この台詞を目にできただけでも大きな収穫があった1冊です。

Posted byブクログ

2024/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ページターナー。犯人はだれかとあれこれ思い巡らすが、外れた。相棒の志波が何かの事件にからむか…と想像してみたり。終盤は色んな伏線が回収される。終わったかと思うと、最後の最後にいい話が待っていた。

Posted byブクログ

2024/03/30

ジェンダーうんぬんの前に、男女問わず相手のことを見下した目でみることが問題と思う。女と言うだけで、自分より下に見る。この本のジェンダー問題が、集団暴行→セカンドレイプ、夫からのDVだったり、ハードなものだったけれど、ここまで強いものじゃなくても、日常のそこかしこにジェンダー問題が...

ジェンダーうんぬんの前に、男女問わず相手のことを見下した目でみることが問題と思う。女と言うだけで、自分より下に見る。この本のジェンダー問題が、集団暴行→セカンドレイプ、夫からのDVだったり、ハードなものだったけれど、ここまで強いものじゃなくても、日常のそこかしこにジェンダー問題が空気のように散らばって存在している。 権利を持っている人が事件をもみ消す、友達の中のカースト、同性でも相手を下に見ていて、酷い扱いをしている場面もあり、情報量多過ぎて、ジェンダー問題がぼやけるというか、、、。 鞍岡・芝波コンビは、良かった。

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2024/03/29

やられた! 事件も解決し後は大団円の結末かと読み進めたら、意外な物語が明かされた。これには涙腺が緩み鼻を啜るほど心が動かされた。 集団暴行の加害者達の横行、被害者家族への謂れなき誹謗、そして拘束され陵辱された痕跡のある中年男性の全裸死体。 様々に絡み合う事件をベテラン鞍岡刑事と若...

やられた! 事件も解決し後は大団円の結末かと読み進めたら、意外な物語が明かされた。これには涙腺が緩み鼻を啜るほど心が動かされた。 集団暴行の加害者達の横行、被害者家族への謂れなき誹謗、そして拘束され陵辱された痕跡のある中年男性の全裸死体。 様々に絡み合う事件をベテラン鞍岡刑事と若い志波刑事たちが追う。 事件の謎解きあり、女性に対する偏見への警鐘あり、狡猾な悪役あり、警察内部の政治力学あり、人情もある。 様々な要素を盛り込み大変満足できた警察小説でした。

Posted byブクログ