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街とその不確かな壁 の商品レビュー

3.9

535件のお客様レビュー

  1. 5つ

    147

  2. 4つ

    192

  3. 3つ

    117

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    7

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2024/07/07

序盤の世界観にははまらず、中盤からの日常を描いた展開がとても面白く読み進めることができた。正直、前半は眠く、どうしようかと思ったほど。

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2024/06/28

懐かしいハルキさん節。 過去作のリメイクのせいか、初期の感じが色濃く。おそらく大人になったからこその言い訳というか弁明らしきところも。 出来たらあの頃の作品の最も好きなトコロでもある、ゾクゾクッとするあの瞬間が有ったら良かったのになあ。

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2024/06/28

胡蝶の夢。 主人公、あるいは村上春樹自身の、 喪失による哀しみから回復するための。 長い年月を経て、 でもそれは心にとっては一瞬の夢のようなもので、 回復していく心の中のありようが語られている感じ。 だから今まで以上に、物語の中の現実感が乏しく、 とても内面的というか幻想的...

胡蝶の夢。 主人公、あるいは村上春樹自身の、 喪失による哀しみから回復するための。 長い年月を経て、 でもそれは心にとっては一瞬の夢のようなもので、 回復していく心の中のありようが語られている感じ。 だから今まで以上に、物語の中の現実感が乏しく、 とても内面的というか幻想的になっている。 こころを語っているような印象。

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2024/06/25

私にとって初めての村上春樹作品だった 序盤はとてもテンポよく読み進められたが、中盤からは頁をめくる手が重かった 難しくて謎が謎のまま終わった感じでモヤモヤした。 でも、街と影といった設定はとてつもなく深くて面白く、自分の中であれやこれやと考えながら読み進められたのは凄く素敵な経験...

私にとって初めての村上春樹作品だった 序盤はとてもテンポよく読み進められたが、中盤からは頁をめくる手が重かった 難しくて謎が謎のまま終わった感じでモヤモヤした。 でも、街と影といった設定はとてつもなく深くて面白く、自分の中であれやこれやと考えながら読み進められたのは凄く素敵な経験だった この人でしか書けないであろう文体と表現がとても自分好みで他の作品も読んでみたいと思った

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2024/06/20

パラレルワールドに、成熟しきっていない微妙な年齢の男女。何か芯のようなものを失って現実を生きる主人公。 ハルキストが期待する村上春樹感。 なぜか、読むのにとても時間が掛かった。

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2024/06/19

久方ぶりの村上作品でした!相変わらず小難しい精神世界の話が序盤から展開され、相変わらずの村上ワールドに懐かしさを覚えました。ただ、中盤からはその独特な世界観に引き込まれたので、さすがだなと思いました。ファンタジーですが、どこかに存在するかもしれない自分の影と、一生を左右するほどの...

久方ぶりの村上作品でした!相変わらず小難しい精神世界の話が序盤から展開され、相変わらずの村上ワールドに懐かしさを覚えました。ただ、中盤からはその独特な世界観に引き込まれたので、さすがだなと思いました。ファンタジーですが、どこかに存在するかもしれない自分の影と、一生を左右するほどの恋愛体験について、想いを馳せることが出来ました。

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2024/06/18

中学1年で出会った村上春樹さんの最新作。 不完全燃焼だった作品に向かい合ったそう。 村上春樹ワールドを堪能できた。 毎回既視感を感じる物語の中にあるこの空気感 文字が小さくて読めるか不安だったけど、引き込まれ1日で読みきった。 もう一度村上作品を最初から読み直したくなった。

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2024/06/11

街と壁、そのモチーフは村上春樹作品で僕が一番好きな物語で出てくるものだ。その物語に比べると、抽象度と独白の密度が増したように感じた。現実と夢...いや現実と現実'の境目が曖昧なのに、その差は明確で対になっている。その独特の世界観を表現する手段として、小説以外にありえない...

街と壁、そのモチーフは村上春樹作品で僕が一番好きな物語で出てくるものだ。その物語に比べると、抽象度と独白の密度が増したように感じた。現実と夢...いや現実と現実'の境目が曖昧なのに、その差は明確で対になっている。その独特の世界観を表現する手段として、小説以外にありえないと断言出来るところが、彼の魅力のひとつだと再認識した。

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2024/06/11

久しぶりに村上春樹の長編を読み切れた。1Q84以来かな? 最近の長編は、発売からずいぶんと時間がたった後に気が向いたときに古本等で読んでいた。振り返ってみると、発売と同時に買った作品などないから、大して状況は変わっていないのかもしれない。 そんな自分でも、この作品は少し期待してい...

久しぶりに村上春樹の長編を読み切れた。1Q84以来かな? 最近の長編は、発売からずいぶんと時間がたった後に気が向いたときに古本等で読んでいた。振り返ってみると、発売と同時に買った作品などないから、大して状況は変わっていないのかもしれない。 そんな自分でも、この作品は少し期待していた。村上作品で最も好きな作品の一つが「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だからだ。 ハルキニストでもない私は、この作品の底本となる作品のことは知らなかったけれど、当初のモチーフが昇華され、どこに行き着くのかは気になっていた。 前提として、私は村上作品をエッセイや2010年頃以降の作品を除き、大抵の小説は読んでいる。もちろん、先述の通り良い読者というわけではないが。どちらかといえば初期の作品の方が好きだけれど、ひつじ三部作や「ねじまき鳥クロニクル」は全くよくわからなかったし、プロットの概要すら記憶に残っていない。好きな作品、あるいは作品集は、「世界の〜」、「回転木馬のデットヒート」、「風の歌を聴け」あたりになると思う。それほど好きだとは思っていなかったけれど、「ノルウェイの森」は、話の筋もいくつかの場面やセンテンスも覚えていることに本作を読んでいて気づいたので、ねじ巻き鳥などとは自分の中での位置づけは異なるのだと思う。 ということで本題へ。第一部はとても良かったと思う。読んでいて、なんだか文学だなーと思った。最近は、芥川賞よりは直木賞を取るような作家の本を多く読んでいたからかもしれない。そして、村上作品でそんなことを思ったのも初めてだった。 期待を膨らませ二部以降に取り掛かったものの、ここで膠着した。子易さんが自分には空回りしているように感じた。作者は、子易さんに喋らせ過ぎだと思う。子易さんが読者に与える情報量が多すぎるがために、読者の想像力が喚起されず作品が空転していくように感じた。実際、添田さんの力を借りてやっと物語が前に進む感じすらあった。作者が『ぼく』と街、壁と言う関係性を子易さんという装置を通じて理解させようと試みるのは分かる。しかし、くどすぎると思う。それは、作者のこの作品に対する思いの強さかもしれないし、作者の老いによるのかもしれない。作家は年齢を重ねるに連れ、自分の作品を読者に深く理解してもらいたいという欲求に駆られるのだろうか。他の作家でも作品を時系列に読んでいると、そう思ったことが何度かある。 子易さんが空転したために、三部以降、M**君が本来の役割を果たせず物語が中途半端になったと感じる。三部構成になるのは分かるが、三部で大きく飛躍、展開、転回できねば物語の強い力は生まれないと思う。そのような意味で、『ぼく』と『きみ』の物語は昇華し切れなかったように感じた。壁と街という舞台装置と、その語り部としての子易さん、M**くんを通しての追体験、作者の中では昔の想いが何かしら結晶化し、それを描けたのかもしれないが、私にはよくわからなかった。 ただ、いつものありきたりでワンパターンな性的な会話ややり取りが少なかったので、うんざりしたり飽きたりして停滞することは少なかった。 今回、やっぱり「あれ」はいらないんだなとよく分かった。 もちろん、あれが好きな人達も相当数いるのだろうけど笑 【追記】 幾つか重要なモチーフに触れるのを失念した。 影に関して興味を惹かれる人は、ユング心理学に関する本を読むと良いと思う。村上春樹ズキなら、河合隼雄先生との対談が楽しく読める。「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」。自分は、河合隼雄先生側から知った本だけれども。 選択した世界と選択されなかった世界とが分裂し、並行世界が存在するかのようなイメージは、他の人の指摘にもあるように、量子物理学におけるエヴェレット3世の多世界解釈に類似する。しかしながら、文学における多世界解釈はおそらくモチーフやメタファーの類いであるのに対し、物理学におけるそれは相応する物理量(パラメータ)を求める。よって、解釈の方向性が異なると思う。

Posted byブクログ

2024/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わりといつも村上春樹さんの作品を読み進めるのは大変で、今回も例に違わず大変だった。多くのファンを持つ作家さんの作品なのになんでかな。 (感想を以下に書きますが批判の気持ちは一切ないです) たくさんの熱烈ファンを持つ作家さんの作品を読んでみたいし、できれば楽しみたいと思って手に取るのだけどうまくいかない。 私には全く初恋の一つ下の彼女の人柄が立ち上がってこなかったので、主人公の彼女に恋焦がれる気持ちに全然寄り添えないまま読了。 (余談であるが村上作品のヒロインは読んで掴め得た情報量ではあるが、大概私とは仲良くなれそうにない女性達だったりする) 読書力?を持ち得ている人が読めばぐぐっと入り込めるストーリーなのかもしれない。 ぽっと出のイエローサブマリンの少年が一番興味惹かれた(でもなんで急に出てきたかは?) この子を取り巻く物語で一作品できそうだ。 夢で見た物語を膨らませたようなお話だったので、いつも夢を見ない、もしくは夢の記憶がない粗暴な私には入り込めなかったようである。

Posted byブクログ