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街とその不確かな壁 の商品レビュー

3.9

535件のお客様レビュー

  1. 5つ

    147

  2. 4つ

    192

  3. 3つ

    117

  4. 2つ

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  5. 1つ

    7

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2024/08/24

久しぶりに村上春樹さんの本を手に取った。 手に取ったときは、あまりの分厚さに読み終えられるのか少し不安だった。 第一部は理解が追いつかず読み進めることが難しいところが多かったが、第二部からはさくさくと進めることができて一気に読み切ってしまった。 読み終えて感じることは、いろいろ...

久しぶりに村上春樹さんの本を手に取った。 手に取ったときは、あまりの分厚さに読み終えられるのか少し不安だった。 第一部は理解が追いつかず読み進めることが難しいところが多かったが、第二部からはさくさくと進めることができて一気に読み切ってしまった。 読み終えて感じることは、いろいろなことに疑問が残るし、あれは何?ここはどういうこと?と考えてしまう。 でも、全てを分かりやすく噛み砕いて説明するのではなく、読者それぞれが自分なりに解釈して楽しむことができるのもまた良いのかなと思う。 物語の難しさはあるけれど、知らず知らずのうちにその世界の中に入り込んでいくことができる。 そこが村上春樹さんの本の魅力だと思う。

Posted byブクログ

2024/08/22

村上春樹作品を読むのは久しぶりだった。 影と本体が引き剥がされなければ入ることができない世界。元々は、夢から生まれたような想像の産物だったような世界へ入る主人公。名前は明かされない。 主人公以外の登場人物の名前は、例えば添田さん、子易さん、として表示されるが、肝心なぼくと彼女の名...

村上春樹作品を読むのは久しぶりだった。 影と本体が引き剥がされなければ入ることができない世界。元々は、夢から生まれたような想像の産物だったような世界へ入る主人公。名前は明かされない。 主人公以外の登場人物の名前は、例えば添田さん、子易さん、として表示されるが、肝心なぼくと彼女の名前は、最後まで伏せられている。 影が本体と離れて入れ替わり、現実の世界で暮らしているのか、本体が今いる場所は、虚構なのか、現実なのか… だんだん境目が分からなくなってくる。 長針も短針もない時計台。 季節が巡っているように見えても、時間が進行しない世界。朝が来て夜が来ても、常に現在という時しか存在しない世界。 蓄積せず、すべては上書きされ、更新され続ける。そんな場所で暮らすとどんな気持ちになるのか、体験してみたいが、つまらない気もした。

Posted byブクログ

2024/08/21

現実の世界とあちら側の不確かな壁に囲まれた世界。 私と影。 本体と影は入れ替わったり役目が代わったり。 不思議な話、だけど何となくわかるような。 私も知らない場所の夢をはっきり見たりするから、本体と影、あちら側の世界について考えさせられた。 世界の終りとハードボイルド・ワンダーラ...

現実の世界とあちら側の不確かな壁に囲まれた世界。 私と影。 本体と影は入れ替わったり役目が代わったり。 不思議な話、だけど何となくわかるような。 私も知らない場所の夢をはっきり見たりするから、本体と影、あちら側の世界について考えさせられた。 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドをまだ読んだことがないから読んでみたい。

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2024/08/18

世界の終わりとハードボイルド〜を更にブラッシュアップした長編小説という位置付けの作品。 現実と夢の間を行き交う主人公の内面が繊細に描かれており心理描写は秀逸だった。ある男の少年期から中年期にかけての孤独をテーマにしていたが過激な性描写もなく穏やかな物語で安心して読破できた!著者は...

世界の終わりとハードボイルド〜を更にブラッシュアップした長編小説という位置付けの作品。 現実と夢の間を行き交う主人公の内面が繊細に描かれており心理描写は秀逸だった。ある男の少年期から中年期にかけての孤独をテーマにしていたが過激な性描写もなく穏やかな物語で安心して読破できた!著者は短編も良いが長編もこれから期待したい!

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2024/08/17

どうしても他の村上春樹作品と比較しての評価しかできないので、そうすると普通の作品。ちょっとだけ不思議で、ちょっとだけ表層的で、ちょっとだけ小狡い文章で、ちょっとだけ裏があるようでないようで、まあまあ長い。 ひとことで言ってしまえば、「つまらない」部類に入ると思う。 だけど、やっぱ...

どうしても他の村上春樹作品と比較しての評価しかできないので、そうすると普通の作品。ちょっとだけ不思議で、ちょっとだけ表層的で、ちょっとだけ小狡い文章で、ちょっとだけ裏があるようでないようで、まあまあ長い。 ひとことで言ってしまえば、「つまらない」部類に入ると思う。 だけど、やっぱり文章は読ませる力がある。大した事が書かれている訳ではないはずなのに、なぜかどんどん読んでしまう。これが「春樹ブランド」の力なのか、これまで読んできた経験の蓄積なのかは分からない。 そんな人はいないと思うけど、村上春樹未読の人だったら、この作品を読むべきではない。それだけは自信を持って言える。

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2024/08/13

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の前身であるお話。昔『世界の終わりと』を読んで、その当時出ていた村上春樹の本の中で好きだなあと思った。 冒険譚のようでもあったし、自分を深く掘り進めていく活力みたいなものを感じていた。ワクワクした。本を読む楽しみを感じていた。 でも今...

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の前身であるお話。昔『世界の終わりと』を読んで、その当時出ていた村上春樹の本の中で好きだなあと思った。 冒険譚のようでもあったし、自分を深く掘り進めていく活力みたいなものを感じていた。ワクワクした。本を読む楽しみを感じていた。 でも今回のお話は穏やかに読み進められた。 『世界の終わりと』を私がその当時読んで受けた感覚と今では大きく離れているのだろう。 村上春樹が今の年齢で同じモチーフを描いたことも『世界の終わりと』とは大きく離れているのかもしれない(そうでないかもしれない)。 穏やかに感じたのは主人公がもう老年だから? 穏やかに読んだといっても表面上は、なだけで、内面はザ・村上春樹の世界だったし、いつまでも少年みたいな感じでもあったし、いつまでも同じことを繰り返し堂々巡りなのは、もうこの人の作品の特性なんだろうなとも思ったし。 でも前の『1Q84』のような執拗な性交シーンがなくてホッとしたよ…ヘキエキしてたんだ、アレばっかりなんだもの。 女の体を、「自分が自分の中に深く潜り知っていく」ために使わないでくれない?と何度も思う。自分でやれよって。 村上春樹は初めの頃からずっと追いかけて読んでいるし、文章も文体も好きだけれど、図書館で借りて読むのがちょうどよくなった。持っておかなくていい。私のスペースに置く必要はない。

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2024/08/12

で,どうなるのかと聞きたくなるオープンエンドでした。どちらが影で本体なのか、混乱するパラレルワールドでした。

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2024/08/11

久しぶりに小説の中に入り込んだ そしてこれからの自分の生き方を新たにしていくかもしれない感慨を味わった 人生から失ってしまった大切な時間を想い続ける そして派手な展開はないが、これからも続いていく生活を歩いていく

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2024/08/09

久しぶりの村上春樹ワールド。 個人的には第二部がお気に入りかな。 現実と空想の世界を行き来してみたい。 自分の想像力ではムリだけどね〜。

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2024/08/08

本作品の前身である「壁と、その不確かな街」に大幅に手を加えて書籍化したものだそう。40年の時を超えて世に送り出されたこの作品は、愛する者に対する真っ直ぐで不器用な想いを鮮やかに描いていたのが印象的で、初期の村上作品のような懐かしさがあった。 「世界の終わり〜」、「ねじまき鳥クロ...

本作品の前身である「壁と、その不確かな街」に大幅に手を加えて書籍化したものだそう。40年の時を超えて世に送り出されたこの作品は、愛する者に対する真っ直ぐで不器用な想いを鮮やかに描いていたのが印象的で、初期の村上作品のような懐かしさがあった。 「世界の終わり〜」、「ねじまき鳥クロニクル」、「海辺のカフカ」、「1Q84」のような手に汗握る怒涛の展開ではなく、比較的穏やかに、しかし確実に、小さな歯車があちこちで噛み合うようにストーリーが進んでいく展開は見事としか言いようがない。この辺に関しては別格というか、彼の右に出る者はいないと改めて思わされた。 ディテールの描写も相変わらず素晴らしい。熱いコーヒーと出来たてのブルーベリー・マフィンが食べたくなる。美味しい紅茶が飲みたくなる。酒蔵だった図書館を求めて福島の山間に行きたくなる。寒さが厳しい冬には暖炉がある半地下で過ごしたくなる。以前、インタビューで「小説なんて読んでも何の役にも立たない。美味しそうな食べ物が出てきて読んでてお腹が空いてくる、それでいいじゃないか」みたいなこと言ってたが、この辺りは未だに意識して書いてるんだなぁと感じた。 子易さんの奥さんがベッドに身代わりとして葱を置いていったシーンは笑っちゃダメだと思いつつ、「白くて立派な葱だった」のところで吹き出してしまった。結局何だったんだ、立派な葱。子易さんも困惑してたぞ。 あとイエロー・サブマリンくんがワイルドにブルーベリー・マフィンを食べたかと思うと、おかわり分はフォークで上品に食べるというギャップに笑ってしまった。笑うとこなのかどうかわからないけど。 難点をひとつ挙げるとしたら重くて持ち運びには向かないこと。ちょっとした鈍器。寝転んで読んだら腕プルプルだし、眠気が襲ってきてうっかり顔に落とそうものなら大惨事になりそう(何回か危ない‪目に遭った)。文庫本が出たら買い直します。それまでに美味しいコーヒーとブルーベリーマフィンを出してくれるコーヒーショップ(カフェとは違う?)を探しておかないと。

Posted byブクログ