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我が友、スミス の商品レビュー

3.9

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2022/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

筋トレにハマった29歳の女性のお話です。 スミスとは、筋トレマシンの名前。 三日坊主の私は、この主人公のようにここまでストイックに打ち込める趣味を持ったことがないので、前半はとても羨ましいな、という思いで読んでいました。それも、プロの目に留まりボディビルの大会を目指すことになるなんて、なんと素晴らしいことか!と。 生来クソがつくほど真面目な性格の主人公は、より一層筋トレに励むようになって、こんなにピッタリだと思えるものに出合えるなんて幸せだなぁと、ただただ羨ましい。 でも、ボディビルの大会って筋肉だけを採点されているのではないんですね。主人公としては、元々中性的でありたいと思って始めた筋トレのはずなのに、ハイヒールを履いたり満面の笑顔を見せなければいけなかったり、女性らしさを求められるとは‥‥ 人は他者から認められたいものだし、褒められて伸びるものだけれど、やっぱり自分の人生は自分で演出してこそ、ですよね。

Posted byブクログ

2022/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ジムの細かい描写がリアルで、物語というよりエッセイを読んでる感覚。トレーニーなら確実に楽しめます。 ただボディメイクの過程が順調過ぎじゃないか?とは思った。 食事制限とか停滞期とかの苦しい側面が描かれてたらもっと感情移入できると思う。 でも、主人公がそういう努力を努力とも思わないストイックな性格なので、仕方ないのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/04/30

筋トレにハマって、仕事と筋トレを両立すべくどちらも集中、身体は絞れ、食事入浴の効果を再認識。筋トレは若さより経験や継続する気持ちの問題と悟り、メンタルまでたくましく、なにやらいいことばかり。しかし、後半、ボディ・ビルの大会を目指すことから、見られる女性の側面を強調するため、ジムの...

筋トレにハマって、仕事と筋トレを両立すべくどちらも集中、身体は絞れ、食事入浴の効果を再認識。筋トレは若さより経験や継続する気持ちの問題と悟り、メンタルまでたくましく、なにやらいいことばかり。しかし、後半、ボディ・ビルの大会を目指すことから、見られる女性の側面を強調するため、ジムの指示は、髪の手入れ、ピアスの穴開け、脱毛、日焼け、エクステンション、12cmハイヒールなどなど、広範囲に渡る。なんだか違うと思って行動に出て良かった。筋トレした身体は女性の場合、服を着たらしゅっとした人くらいの目立たなさ。人知れずそれをキープする苦労が楽しいジム通いを応援しようと思える話でした。

Posted byブクログ

2022/04/26

 ジムの筋トレに勤しむ独身アラサー女性が、ひょんな事からボディービルの大会出場へ。  スポーツにも競技スポーツと生涯スポーツがあるように、どんな世界でも何かを極めようとすれば、当然何かを犠牲にするストイックさが求められるはず。自分はどう在りたいのか、どこで妥協するのか、人それぞれ...

 ジムの筋トレに勤しむ独身アラサー女性が、ひょんな事からボディービルの大会出場へ。  スポーツにも競技スポーツと生涯スポーツがあるように、どんな世界でも何かを極めようとすれば、当然何かを犠牲にするストイックさが求められるはず。自分はどう在りたいのか、どこで妥協するのか、人それぞれだろうし難しい問題だなと、改めて考えさせられた。  けれども、変わりたい、別物になりたいと何かに打ち込み、自分の成長を実感できたら誰でも嬉しいだろうし、「もっと」という内なる声を聞いた時の次なる行動次第で、人は変わっていくのかな。  スミスが、筋トレのマシンだとは〝目から鱗〟

Posted byブクログ

2022/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館で借りたもの。 U野は筋トレに励む会社員。自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められる。大会で結果を残すには筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならず…。 今作でデビュー。 初読みの作家さんだったけど読みやすかったし、面白い表現が多かった。 スミスとはスミス・マシン(バーベルの左右にレールがついたトレーニングマシン)のことらしい。 U野のストイックさがすごい。 将棋盤のように見事に割れた腹筋…。 大会では女性らしさも求められる。 髪を伸ばしたり、ピアスを開けたり、脱毛や日焼けサロンに通ったり…。 筋肉を鍛えるだけじゃないんだな。 “女は、審査項目が多いということ。そういう意味で、この競技は「クラシック」なのだ。” “この競技は世間と同等か、それ以上にジェンダーを意識させる場なのだ。「女らしさ」の追求を、ここまで要求される場を、私は他に知らない。” 決勝の場で女らしさを取っぱらったU野。 「やったるぞ!」という感じではなく、淡々としているところが良い。

Posted byブクログ

2022/04/21

別の生き物になりたい。フィットネスジムでストイックに筋トレで励む主人公は、真面目でどちらかというと地味な女性。スミスというのは筋トレ用のマシンの。ストイックに筋トレをしていた主人公が、誘われて別のジムに移籍し、ボディービル(BB)大会、しかも女性BB大会を目指してどんどん変わって...

別の生き物になりたい。フィットネスジムでストイックに筋トレで励む主人公は、真面目でどちらかというと地味な女性。スミスというのは筋トレ用のマシンの。ストイックに筋トレをしていた主人公が、誘われて別のジムに移籍し、ボディービル(BB)大会、しかも女性BB大会を目指してどんどん変わっていく過程が成長物語のようでもあるが、そんな百田尚樹のような単純なお話しでもない。主人公は、大会での成功を目指して他人の作った基準にしたがって変わっていくのだが、どこか違和感を感じていて、最後には筋トレを始めた原点に戻る。他人や社会が押しつける「成功」の基準に駆り立てられる現代人のカタルシスが語られている様に感じた。 などと小難しいことを言わなくても、普通には知られざるBBを楽しく垣間見ることができる稀有な小説でした。また筋トレ始めてみたくなる。

Posted byブクログ

2022/04/19

文芸誌すばる3月号で著者と岸本佐知子氏で対談をしていた。著者の程よい気抜け感と純朴さがとても好印象で、この本を手に取る。岸本氏もかなり推し褒め。 まずはボディビル女子を題材にする、その企画力に個人的にそそられてしまう。 筋トレからボディビル大会にチャレンジする主人公U野の気持ちが...

文芸誌すばる3月号で著者と岸本佐知子氏で対談をしていた。著者の程よい気抜け感と純朴さがとても好印象で、この本を手に取る。岸本氏もかなり推し褒め。 まずはボディビル女子を題材にする、その企画力に個人的にそそられてしまう。 筋トレからボディビル大会にチャレンジする主人公U野の気持ちが独白で綴られ、U野の気持ちの変化や周囲の様子など、現実味があって浮いてない。わかる、わかるー

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2022/04/13

筋トレ、ボディビル。 自身には全く興味も無く、知らない世界の話だったが、それを知るり、擬似体験できるのも読書の良きところと感じた。新しい世界を見させてもらった。

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2022/04/10

【すばる 2021年11月号にて読了】 タイトルを見た時、「スミス」って、どんな友達なのよ? と思いましたが、なるほど、私もジムに通っていたときに見ていたアレのことでした。 私も筋トレに通った経験があるので、共感できるシーンもありましたが、だんだんとボディ・ビルの世界へ。 こ...

【すばる 2021年11月号にて読了】 タイトルを見た時、「スミス」って、どんな友達なのよ? と思いましたが、なるほど、私もジムに通っていたときに見ていたアレのことでした。 私も筋トレに通った経験があるので、共感できるシーンもありましたが、だんだんとボディ・ビルの世界へ。 こんな世界だったのかと驚く事ばかりでした。 新しい世界を見た気がして、新鮮でした。

Posted byブクログ

2022/04/04

いやー、面白かった! 自分へのメタ認知がしっかりあって、俯瞰して自分を見る目がユーモアとして表現されてるので、物語に入って行きやすい。くすくす笑いながら読んだ。 ユーモアと切迫した思いのバランスが絶妙。 自分に対する他者の視線への違和感と、それに抗う方法としての筋トレ。その対立...

いやー、面白かった! 自分へのメタ認知がしっかりあって、俯瞰して自分を見る目がユーモアとして表現されてるので、物語に入って行きやすい。くすくす笑いながら読んだ。 ユーモアと切迫した思いのバランスが絶妙。 自分に対する他者の視線への違和感と、それに抗う方法としての筋トレ。その対立軸もスッキリしてるので、とても読みやすい。 この人、頭いいと思う。感性に流されない理系の人ね、と思ったら、東京工業大出身だった。なるほどなあ。 今後の作品も楽しみな作家の登場です!

Posted byブクログ