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我が友、スミス の商品レビュー

3.9

116件のお客様レビュー

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2022/06/15

ジムの独特の世界観とマシンに向き合いつつも、その独特の世界からそっと逸脱する主人公の孤独な戦いがとてもおもしろい。

Posted byブクログ

2024/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書備忘録660号。 ★★★★★。 挑発的なタイトル! スミス。すなわちスミス・マシンです。 少なくとも週一で、ジムのフリーウェイトゾーンで翌日の筋肉痛をワクワク想像しながら、ウェイトトレーニングをしてる私のツボにハマる内容でした。笑 ただ、この小説を単なる女子BB(ボディー・ビルダー)が筋トレする小説と浅く捉えてしまうと、★ひとつとかに評価する人も出てくる。 この物語はそんなに浅くない。 外見として地味なU野。 毎日、Gジムに通いウェイトトレーニングを黙々とこなす。トレーニング後のプロテインが身体に染みていく快感。翌日に残る筋肉痛。 どうやら、鍛え上げられた肉体を持つことで、地味な会社員とは別の自分を作り上げたいという漠然とした願望があるのだろう。 そんなU野に、GジムのトレーナーであるO島から、自分が経営するパーソナルジムのNジムへの移籍と、BB大会への出場を勧められ、本格的なトレーニングと食事管理を始める。 しかし女子BBの世界は、どこまでも古い価値観としての女性らしさが求められた・・・。 美容、ファッション、ポージングなど。 そして職場の同僚は、彼氏が出来たのか?と訝しがり、女子は大変だとレッテルをはり、母親からは女がムキムキなんてと不気味がられ・・・。 そして、筋肉量を極限まで太らせ、大会に向けて表面の脂肪を落とし、体脂肪率12%くらいまで持っていき、血管を浮き出させ、12cmのピンヒールを履いて迎えた大会。 U野は、運もあり決勝の舞台へ。 そして気づく。U野がとった行動は! 同性、異性からのジェンダー論の中でもがき、それをウェイトの重さにぶつけ、不器用に生きるアラサー女子。 女子だけではなく、男子も生きにくい世の中。それをダンベル、バーベル、サイタマン・スクワット(笑)にぶつけた由緒正しい文学です! とにかくユーモアにあふれた文体で、読みながらマスクの下は自然と笑ってしまっている。 数々の筋トレ格言が俊逸。 さらに、PP(パーフェクト・プロポーション)大会に挑む脇役S子がまた素晴らしい! 扉絵も完璧。

Posted byブクログ

2022/06/11

ステージという言葉をじんせいと読み間違えてしまった。 久しぶりに小説を面白い!と思い嬉しかった。 なんでも話せる友達もできていない、心許せる恋人もいない、家族との関係もちょっと微妙で、それでも別にあんまり気にしてなさそうで、それをユーモラスに表現できる自分でいられるのが羨ましい...

ステージという言葉をじんせいと読み間違えてしまった。 久しぶりに小説を面白い!と思い嬉しかった。 なんでも話せる友達もできていない、心許せる恋人もいない、家族との関係もちょっと微妙で、それでも別にあんまり気にしてなさそうで、それをユーモラスに表現できる自分でいられるのが羨ましい。 ボディビルの世界も未知だったから興味深く読めた。 筋トレにハマり、大会を目指すのだが、なんだか自分が気にしてなかった女らしさやら、他人の眼やらがチラチラし出して… そして次のステージなのである。 人生と読み間違えてもいいでしょう? スミスが友達なんだから。 私だって筋トレはしないけど本が友達なんだもん

Posted byブクログ

2022/06/04

ボディビルあるあるや、競技への取り組みが初耳で興味深かった。 ボディビルの大会で女らしさを求められるってほんとなんなん?って感じ。 「見た目が整うと周囲の態度が変わる(舐められなくなる)」も目から鱗。

Posted byブクログ

2022/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやー、面白かった。ほんとによかった。それでも、30年前よりは生きやすくなったところもあるよ。すくなくともこういう小説が読めるだけでも。ヒロインが、まあ、ほんとに、かっこいい。

Posted byブクログ

2022/05/15

自分じゃない誰かに俺もなりたい。でも勇気がなくて変われない。全部考え過ぎてしまう。結局今日も何もしなかった。いつか変わる、絶対に。

Posted byブクログ

2022/05/14

筋トレ小説 専門的な用語が多く、都度調べたりYouTubeで調べたりしました(オススメ動画が筋トレばかりになりました笑) 最初はただの筋トレ小説かと思いましたが、 20代女性で未婚なのに筋トレばっかりして変人扱いされる主人公の心情、ラストの行動は、男女平等を訴えていました ...

筋トレ小説 専門的な用語が多く、都度調べたりYouTubeで調べたりしました(オススメ動画が筋トレばかりになりました笑) 最初はただの筋トレ小説かと思いましたが、 20代女性で未婚なのに筋トレばっかりして変人扱いされる主人公の心情、ラストの行動は、男女平等を訴えていました 小説自体に会話も少なく無骨な感じも好印象でした ただ個人的にA子やB子などのアルファベットを使った人名が取っ付きにくく感情移入しにくかったのが残念でした わたしは1日10分くらいしかやらないのでとても比べられませんが、過酷な筋トレを続けられる人はすごい!

Posted byブクログ

2022/05/10

腕立て伏せの間、私の胸には奇妙な感慨が芽生えた。多幸感とでも言おうか、私は、自分は幸せだと感じたのである。気の済むまで、誰にも邪魔されず、自分の身体を鍛えられること。それだけの時間と、金と、環境と、平和と、健康な身体が、私の手中にはあること。つまり、私は例えようもなく自由だという...

腕立て伏せの間、私の胸には奇妙な感慨が芽生えた。多幸感とでも言おうか、私は、自分は幸せだと感じたのである。気の済むまで、誰にも邪魔されず、自分の身体を鍛えられること。それだけの時間と、金と、環境と、平和と、健康な身体が、私の手中にはあること。つまり、私は例えようもなく自由だということ。この瞬間がどこまでも続けば、私は何も言うことはない。そうした多幸感が筋トレ中に湧き上がるのは、これまでにも何度かあった。何やら突然の悟りというか、天からの啓示のように、私は今の状況を、掛け替えのないものだと感じるのだ。 舞台裏で一人、黙々と腕立て伏せに励むこと。 これ以上、一体私が何を望むだろう。

Posted byブクログ

2022/05/08

主人公の女性が、「ある競技」を通して成長 していく物語です。 と言ってしまうと、ありがちな内容に思えま すが「ある競技」とは、ボディービルなので す。 そしてスミスとは、筋トレマシンの名称なの です。 ボディビルの大会に出ると決意した主人公が ストイックに身体を鍛え、絞り、...

主人公の女性が、「ある競技」を通して成長 していく物語です。 と言ってしまうと、ありがちな内容に思えま すが「ある競技」とは、ボディービルなので す。 そしてスミスとは、筋トレマシンの名称なの です。 ボディビルの大会に出ると決意した主人公が ストイックに身体を鍛え、絞り、身体を作り 上げていく過程には、生き方の根幹を突きつ けられます。 そして大会当日に主人公が選んだ生き方には ある種の「悟り」に通じるものを感じます。 どんな競技、種目であってもそこに生き方に 対する悟りは必要であり、自然に生まれてく るものでもあるのでしょう。 生き方とは何?を問い直す一冊です。

Posted byブクログ

2022/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ひょんな事から、同じジムに居合わせたO野からの誘いを受け、ボディビル大会に出場すべくトレーニングに励むことになった主人公、U野。日頃はジムのトレーニングの時間を捻出すべく仕事に打ち込む会社員である。 化粧っ気もなく、ジムでトレーニングした後の多幸感を求め、仕事を早く終わらせようと集中する様子に共感。 ストイックに打ち込むにつれ、女性ならではのポージングとは何か、ボディービル大会への練習や、会社での同僚や先輩、上司からの扱いも絡めながらジェンダーの定義の狭間で悩み抜いたU野が取った行動とは。 ところどころクスッと来る表現は楽しめたのだが、随所に「あれっ、この表現の使い方、合ってるんだっけ…?」と、やや気になる箇所もあった。 それでも一つのショートストーリーとしてはとても楽しかったし、あちこちに出てくる筋トレ用語の数々に、手近にあるダンベルを触りたくなった。

Posted byブクログ