我が友、スミス の商品レビュー
なんの予備知識もなく読み始めたら、なんとボデイビルの話だった。 うっかりと、ボデイメイクの世界に入り込んだ女子が、競技への参加をきっかけに成長していくお話し。 普段、スポーツジムで見かける攻めてる人達も、こんな世界を生きているのだろうか? 厳しく取り組む、その世界は、私がやりた...
なんの予備知識もなく読み始めたら、なんとボデイビルの話だった。 うっかりと、ボデイメイクの世界に入り込んだ女子が、競技への参加をきっかけに成長していくお話し。 普段、スポーツジムで見かける攻めてる人達も、こんな世界を生きているのだろうか? 厳しく取り組む、その世界は、私がやりたいところ、到達したい世界ではないなと、改めて思った次第。 でも、お話としては面白かった。
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全然期待せず読んだのに、とても面白く引き込まれた。 全然知らなかったボディ・ビルの世界。私も主人公と同じく、「世間とは別の」世界がボディ・ビルだと思っていた。しかし実際は、「世間の鏡」。実は「女性らしさ」を際限なく求められる世界で、「女性らしさ」に無頓着であったはずの主人公は、30手前にして初めて脱毛し、化粧水を買い、髪を伸ばし、どんどん「女性らしく」なっていく。 最後に彼女はボディ・ビルという世界からは去るのだが、その世界を完全に拒絶したわけではない。筋トレは続けるし、ボディ・ビルの世界で知ったあらゆることは、彼女の世界を広げた。かつては「別の世界」の住人として蔑視することで安心を得ていたはずのS子へのラストの心中の言葉は、とてもすがすがしいものだった。 わかりやすく面白い作品でした。
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ジムに通っていたことがあるので、想像できる。 筋トレは、1人でやるのは私は辛かった。 お腹シェイプのクラスでみんなで頑張ったり、トレーナーの人に見てもらってやると頑張れる。辛いょ。 目標があれば頑張れるのかも。 ボディビルの大会へ出るまでの話。 「ジムあるある」がわかる人は楽しい...
ジムに通っていたことがあるので、想像できる。 筋トレは、1人でやるのは私は辛かった。 お腹シェイプのクラスでみんなで頑張ったり、トレーナーの人に見てもらってやると頑張れる。辛いょ。 目標があれば頑張れるのかも。 ボディビルの大会へ出るまでの話。 「ジムあるある」がわかる人は楽しいと思う。 スミスはマシーンの名前。 主人公が成長していく様子にわくわくする。 何かにチャレンジしてみようと思うきっかけになる本。
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Gジムにあしげく通うU野さんがひょんなことから女子ボディービルの大会にエントリー。 プロフェッショナルとしてそこで筋肉とは無関係な美意識や順応性を試されることになる。 クレバーな息遣いが聞こえそうな濃密な140ページ。 大いに愉しみ、大いに胸打たれた。 そこには没頭があった!! ...
Gジムにあしげく通うU野さんがひょんなことから女子ボディービルの大会にエントリー。 プロフェッショナルとしてそこで筋肉とは無関係な美意識や順応性を試されることになる。 クレバーな息遣いが聞こえそうな濃密な140ページ。 大いに愉しみ、大いに胸打たれた。 そこには没頭があった!! わーすげー、めっちゃおもしろかった!!! ボディービルダーらしい?ちょっと大袈裟でパワフルでユーモラスな言い回しが終始愉しくて 主人公の即!実!践!な行動力と生真面目さに惚れ惚れ。 勝手に課された曖昧な社会的役割への違和感とか、外見に関するある羞恥心の部分は僕も同類だったし、とかく至言で溢れてた。
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芥川賞候補作。これは面白い。ボディビルダー歴1年の女性がボディビル大会に初挑戦する物語。以前に『ボディビル掛け声辞典』を読んでいたという下地もあって興味深く読んだ。主人公は真面目な気質ゆえコツコツと己の体をいじめ抜き、着実にビルドアップしていく。それにしてもボディビルの体に悪そう...
芥川賞候補作。これは面白い。ボディビルダー歴1年の女性がボディビル大会に初挑戦する物語。以前に『ボディビル掛け声辞典』を読んでいたという下地もあって興味深く読んだ。主人公は真面目な気質ゆえコツコツと己の体をいじめ抜き、着実にビルドアップしていく。それにしてもボディビルの体に悪そうなこと。筋肉が毎日悲鳴を上げ、増量した後は水抜き&塩抜きで減量。それでもボディビルで別の生き物になりたい、と願う主人公。単なる筋肉小説ではなくジェンダー問題も根底のテーマだ。アメコミの様な装丁も好き。ストイックな方にお勧めしたい。
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ハードボイルドな?筋トレ小説。 テンポ良く無駄なく読みやすい中編だけど、 筋肉マシマシの長編化や映像化も面白そう。
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第166回芥川賞候補作、女性OLを主人公にした筋トレ小説、石田夏穂さんの小説は初読み。最近は漫画「ダンベル何キロ持てる?」や、YouTubeでも筋トレ女子を見かけることが多い、本書の主人公はスミスという筋トレマシンを愛用する女性で、ふとしたきっかけでボディビル(フィジーク)大会出...
第166回芥川賞候補作、女性OLを主人公にした筋トレ小説、石田夏穂さんの小説は初読み。最近は漫画「ダンベル何キロ持てる?」や、YouTubeでも筋トレ女子を見かけることが多い、本書の主人公はスミスという筋トレマシンを愛用する女性で、ふとしたきっかけでボディビル(フィジーク)大会出場を目指すことになる。大会出場の過程では、単に筋肉を鍛えるだけではなく、肌を磨いたり、ピアスの穴をあけたりと「女らしさ」を求められることもあり、それを一つ一つクリアしていく主人公が生き生きとしていてすごくいい。
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新たなる筋肉文学の誕生に乾杯(プロテインで) ふむ。 筋肉文学ってなんだし。 ダンベル何キロ持てるか筋肉漫画ならこちら、筋肉小説。 いや、だから筋肉小説って何だし。
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(『すばる』2021.11号) 第166回芥川賞候補作。 ボディビルというニッチな世界を描く。30歳手前にして「別の生き物になりたい」と心に誓った主人公の女性。日頃からジムで体を鍛えていたが、ひょうんなことからボディビルダーを目指すことに。 ボディビルというと、筋肉ムキムキのどち...
(『すばる』2021.11号) 第166回芥川賞候補作。 ボディビルというニッチな世界を描く。30歳手前にして「別の生き物になりたい」と心に誓った主人公の女性。日頃からジムで体を鍛えていたが、ひょうんなことからボディビルダーを目指すことに。 ボディビルというと、筋肉ムキムキのどちらかというと「男性性」のイメージがありますが、女性がそれを目指すという世界について、戸惑いながらも興味津々と読み進めた。「男性性」の中に「女性性」(見た目の美しさ)も求められる。そこのズレに主人公は気づき悩む。常識が覆された。
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