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我が友、スミス の商品レビュー

3.9

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2022/03/02

主題は筋トレを通じた一つの生き方の提示だと解釈した。 文が読みやすく、3時間ほどで読み終えれた。 自分自身の変えられないものと変えられるもの、また、変わろうとしたことで却って「変えられない」という現実を強く自覚させられる。 答えの出し方は人それぞれだが、「こういう答えも存在するよ...

主題は筋トレを通じた一つの生き方の提示だと解釈した。 文が読みやすく、3時間ほどで読み終えれた。 自分自身の変えられないものと変えられるもの、また、変わろうとしたことで却って「変えられない」という現実を強く自覚させられる。 答えの出し方は人それぞれだが、「こういう答えも存在するよ」というメッセージを受け取った。

Posted byブクログ

2022/03/01

第166回芥川賞候補作 タイトルが秀逸! 「スミス」はスミスマシンのスミスで、スミスマシンとは、バーベルがレールに固定されているトレーニング機器のこと。 つまり、筋トレの小説。スミスマシンを我が友とする筋トレ女子の話。 芥川賞候補作っぽくないテーマじゃないですか。あらすじ聞...

第166回芥川賞候補作 タイトルが秀逸! 「スミス」はスミスマシンのスミスで、スミスマシンとは、バーベルがレールに固定されているトレーニング機器のこと。 つまり、筋トレの小説。スミスマシンを我が友とする筋トレ女子の話。 芥川賞候補作っぽくないテーマじゃないですか。あらすじ聞いて読む前からびっくり。 そして、読んでさらにびっくり。めっちゃ面白い! って言うか、芥川賞受賞の「ブラックボックス」ものめり込み系の非常に面白い作品だったけど、芥川賞ってそういう毛色だったっけ? もっとブンガクっぽい感じじゃなかったっけ? まあ、いいけど。 主人公は20代の会社員、U野は、趣味の筋トレが高じて、ボディ・ビル大会に出ることになる。 「違う生き物になりたい」と始めた筋トレだったが、大会に出るためには単に体を鍛えればよい、というものではなく、ピアスを開け、脱毛をして、日焼けして、ビキニと12センチのハイヒールを履かなければならない! 女性らしさを追求も必要。会社の男性の同僚から「女性は大変ですね」と勘違いされる… いやー、そうなんだ… 確かに、「肉体」にはジェンダー問題ってつきものなのかもしれないけど、なんだか一筋縄でいかないややこしさがあるのね。 はたして、U野の大会での結果は如何に? 読後はトレーニングして、筋肉を苛め抜いた後のように清々しい気分になります。

Posted byブクログ

2022/02/28

筋トレを愛する、鍛えることが生き甲斐なアラサー 女子 U野がボディビル大会に出場して、自分の筋肉 をとことんまで、鍛えて、節制して、つくりあげいく筋トレ小説かと思いきや、女性に対する偏見。 多様性の中で、女性が筋肉を鍛えることへの社会の目線も感じることができる社会派小説の意味合い...

筋トレを愛する、鍛えることが生き甲斐なアラサー 女子 U野がボディビル大会に出場して、自分の筋肉 をとことんまで、鍛えて、節制して、つくりあげいく筋トレ小説かと思いきや、女性に対する偏見。 多様性の中で、女性が筋肉を鍛えることへの社会の目線も感じることができる社会派小説の意味合いも感じれました。新たなジャンルを開拓したと、私は感じています。

Posted byブクログ

2022/02/27

筋トレ大好きな女性がボディ・ビルに挑む話。 主人公u野の視点から筋トレ、ボディビル、フィジーク等の業界にある歴史やルールが分かりやすく書かれており、理解が深まった。 筋トレ小説は初めて読みましたが、新鮮で楽しかったです!

Posted byブクログ

2022/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第166回芥川賞候補作。 事前情報で、“筋トレ小説”と知る。 会社にも筋トレにはまり、「今日は上半身の日」と話し、風呂上がりにタンクトップを着て、日に日に大きくなっていく自分の筋肉を鏡越しに見てはポーズを決めて頷き(本人談)職場で血管が見えてきたのでちょっと見てくれと腕を捲って見せてくれる子がいる。 筋トレは、ハマると病みつきになるらしく、やればやるだけ結果がついてきて快感らしい。確かに制服がはち切れそうなほどパンパンになっていた。 シュッとしていた彼は、ひと回り大きなそれに近づきつつあった。『別の生き物』に。 「火曜は脚の日だ」という一文から始まります。 通っているジムの知り合いから誘われて、ガチなボディビル大会に出場するまでを描いた作品。 『別の生き物になりたい』と出場を決意するものの、ボディビル大会について知らない人からすれば、筋肉ムキムキで、肌も黒く、“女らしくない”と見えるそれは、蓋を開けてみれば、髪を長くし、ピアスをあけ、ヒールを履きこなし、笑顔を作り、優雅なポーズをし、アクセサリーをつけ、派手な化粧をするなど、筋肉と同じくらい『女らしさ』も必要だった。純粋に筋肉だけで勝負したいのに、筋肉と関係ないものが評価される、男と女でまた違ってくるという違和感、心の葛藤が描かれている。 何が面白かったかといえば、文章表現だ。 ◽︎スヌーピーの言う通り、我々は配られたカードでゲームするしかないのだ。 ◽︎ああ、遂に。私は、ゲロったのだった。それは正しく、カツ丼を前にした容疑者が犯行を白日の下に晒す心境だった。 ◽︎翌日、私は近所の歯医者に行き、げん担ぎのように即席のホワイトニングをした。サンプルを持ち出され「新庄・清原クラス」の二段階手前の色合いを選んだ。翌朝、起き抜けの白湯が歯に染み、飛び上がった。 等々、クスクス笑える文章に、次作も読みたいと思わされた。 ちなみにタイトル『我が友、スミス』のスミスは、スミスマシンという筋トレの器具の名前からきている。 装丁も、純文学ではあまり見ない雰囲気で興味をそそられた。

Posted byブクログ

2024/09/07

キワモノ好きとしては知らない世界を知る楽しさを十分に堪能できた。とはいえ、最後まで読めば、単なるボディビルに留まらず、結構深い話で驚く。 次回作はどういう題材を書かれるか分からないが、期待して待ちたいと思う。 ★4.0

Posted byブクログ

2022/02/25

芥川賞候補作と、印象的な表紙に惹かれて読んだら、ボディビルの話! 別世界のことが垣間見えたのと、スミスが何か分かってあっという間に完読。

Posted byブクログ

2022/02/21

なんの予備知識もなく読み始めたら、なんとボデイビルの話だった。 うっかりと、ボデイメイクの世界に入り込んだ女子が、競技への参加をきっかけに成長していくお話し。 普段、スポーツジムで見かける攻めてる人達も、こんな世界を生きているのだろうか? 厳しく取り組む、その世界は、私がやりた...

なんの予備知識もなく読み始めたら、なんとボデイビルの話だった。 うっかりと、ボデイメイクの世界に入り込んだ女子が、競技への参加をきっかけに成長していくお話し。 普段、スポーツジムで見かける攻めてる人達も、こんな世界を生きているのだろうか? 厳しく取り組む、その世界は、私がやりたいところ、到達したい世界ではないなと、改めて思った次第。 でも、お話としては面白かった。

Posted byブクログ

2022/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全然期待せず読んだのに、とても面白く引き込まれた。 全然知らなかったボディ・ビルの世界。私も主人公と同じく、「世間とは別の」世界がボディ・ビルだと思っていた。しかし実際は、「世間の鏡」。実は「女性らしさ」を際限なく求められる世界で、「女性らしさ」に無頓着であったはずの主人公は、30手前にして初めて脱毛し、化粧水を買い、髪を伸ばし、どんどん「女性らしく」なっていく。 最後に彼女はボディ・ビルという世界からは去るのだが、その世界を完全に拒絶したわけではない。筋トレは続けるし、ボディ・ビルの世界で知ったあらゆることは、彼女の世界を広げた。かつては「別の世界」の住人として蔑視することで安心を得ていたはずのS子へのラストの心中の言葉は、とてもすがすがしいものだった。 わかりやすく面白い作品でした。

Posted byブクログ

2022/02/17

ジムに通っていたことがあるので、想像できる。 筋トレは、1人でやるのは私は辛かった。 お腹シェイプのクラスでみんなで頑張ったり、トレーナーの人に見てもらってやると頑張れる。辛いょ。 目標があれば頑張れるのかも。 ボディビルの大会へ出るまでの話。 「ジムあるある」がわかる人は楽しい...

ジムに通っていたことがあるので、想像できる。 筋トレは、1人でやるのは私は辛かった。 お腹シェイプのクラスでみんなで頑張ったり、トレーナーの人に見てもらってやると頑張れる。辛いょ。 目標があれば頑張れるのかも。 ボディビルの大会へ出るまでの話。 「ジムあるある」がわかる人は楽しいと思う。 スミスはマシーンの名前。 主人公が成長していく様子にわくわくする。 何かにチャレンジしてみようと思うきっかけになる本。

Posted byブクログ