我が友、スミス の商品レビュー
ハードボイルド筋トレ小説。筋トレしてないと伝わらないであろう表現が多く、思わず笑ってしまう文章が多かった。砕けた文章なので筋トレしてなくても楽しめるが筋トレしていれば尚面白い小説。 一見ユニークだけど女性の筋トレに対する偏見や、筋肉の評価であっても女性らしさが求められるボディビル...
ハードボイルド筋トレ小説。筋トレしてないと伝わらないであろう表現が多く、思わず笑ってしまう文章が多かった。砕けた文章なので筋トレしてなくても楽しめるが筋トレしていれば尚面白い小説。 一見ユニークだけど女性の筋トレに対する偏見や、筋肉の評価であっても女性らしさが求められるボディビル大会に対して主人公が葛藤しつつ戦う、社会派な小説でもあると思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
たまたま、パーソナルトレーニングでスミスマシンのスクワットで絞られた直後に読みました(苦笑 筋トレにはまってしまった人は特に面白く読めるし、「クラシック」な世間に関するおさえた描き方がよかった。 芥川賞候補作らしくない(よい意味で
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なぜそこまで体を鍛えるのか? カッコよく思われたい、努力した量が体に伴う達成感、苦しいのが気持ち良い、等の理由がある。 本書ではボディービルを通じてひとりの女性の心のうちの変化、筋トレの具体的描写、社会的認知を教えてもらった。 ただ鍛えるだけでは自分が求める体には到達できない。...
なぜそこまで体を鍛えるのか? カッコよく思われたい、努力した量が体に伴う達成感、苦しいのが気持ち良い、等の理由がある。 本書ではボディービルを通じてひとりの女性の心のうちの変化、筋トレの具体的描写、社会的認知を教えてもらった。 ただ鍛えるだけでは自分が求める体には到達できない。そこには忍耐、知識そして変化への探究心が必要だと思った。
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主題は筋トレを通じた一つの生き方の提示だと解釈した。 文が読みやすく、3時間ほどで読み終えれた。 自分自身の変えられないものと変えられるもの、また、変わろうとしたことで却って「変えられない」という現実を強く自覚させられる。 答えの出し方は人それぞれだが、「こういう答えも存在するよ...
主題は筋トレを通じた一つの生き方の提示だと解釈した。 文が読みやすく、3時間ほどで読み終えれた。 自分自身の変えられないものと変えられるもの、また、変わろうとしたことで却って「変えられない」という現実を強く自覚させられる。 答えの出し方は人それぞれだが、「こういう答えも存在するよ」というメッセージを受け取った。
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第166回芥川賞候補作 タイトルが秀逸! 「スミス」はスミスマシンのスミスで、スミスマシンとは、バーベルがレールに固定されているトレーニング機器のこと。 つまり、筋トレの小説。スミスマシンを我が友とする筋トレ女子の話。 芥川賞候補作っぽくないテーマじゃないですか。あらすじ聞...
第166回芥川賞候補作 タイトルが秀逸! 「スミス」はスミスマシンのスミスで、スミスマシンとは、バーベルがレールに固定されているトレーニング機器のこと。 つまり、筋トレの小説。スミスマシンを我が友とする筋トレ女子の話。 芥川賞候補作っぽくないテーマじゃないですか。あらすじ聞いて読む前からびっくり。 そして、読んでさらにびっくり。めっちゃ面白い! って言うか、芥川賞受賞の「ブラックボックス」ものめり込み系の非常に面白い作品だったけど、芥川賞ってそういう毛色だったっけ? もっとブンガクっぽい感じじゃなかったっけ? まあ、いいけど。 主人公は20代の会社員、U野は、趣味の筋トレが高じて、ボディ・ビル大会に出ることになる。 「違う生き物になりたい」と始めた筋トレだったが、大会に出るためには単に体を鍛えればよい、というものではなく、ピアスを開け、脱毛をして、日焼けして、ビキニと12センチのハイヒールを履かなければならない! 女性らしさを追求も必要。会社の男性の同僚から「女性は大変ですね」と勘違いされる… いやー、そうなんだ… 確かに、「肉体」にはジェンダー問題ってつきものなのかもしれないけど、なんだか一筋縄でいかないややこしさがあるのね。 はたして、U野の大会での結果は如何に? 読後はトレーニングして、筋肉を苛め抜いた後のように清々しい気分になります。
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筋トレを愛する、鍛えることが生き甲斐なアラサー 女子 U野がボディビル大会に出場して、自分の筋肉 をとことんまで、鍛えて、節制して、つくりあげいく筋トレ小説かと思いきや、女性に対する偏見。 多様性の中で、女性が筋肉を鍛えることへの社会の目線も感じることができる社会派小説の意味合い...
筋トレを愛する、鍛えることが生き甲斐なアラサー 女子 U野がボディビル大会に出場して、自分の筋肉 をとことんまで、鍛えて、節制して、つくりあげいく筋トレ小説かと思いきや、女性に対する偏見。 多様性の中で、女性が筋肉を鍛えることへの社会の目線も感じることができる社会派小説の意味合いも感じれました。新たなジャンルを開拓したと、私は感じています。
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筋トレ大好きな女性がボディ・ビルに挑む話。 主人公u野の視点から筋トレ、ボディビル、フィジーク等の業界にある歴史やルールが分かりやすく書かれており、理解が深まった。 筋トレ小説は初めて読みましたが、新鮮で楽しかったです!
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第166回芥川賞候補作。 事前情報で、“筋トレ小説”と知る。 会社にも筋トレにはまり、「今日は上半身の日」と話し、風呂上がりにタンクトップを着て、日に日に大きくなっていく自分の筋肉を鏡越しに見てはポーズを決めて頷き(本人談)職場で血管が見えてきたのでちょっと見てくれと腕を捲って見せてくれる子がいる。 筋トレは、ハマると病みつきになるらしく、やればやるだけ結果がついてきて快感らしい。確かに制服がはち切れそうなほどパンパンになっていた。 シュッとしていた彼は、ひと回り大きなそれに近づきつつあった。『別の生き物』に。 「火曜は脚の日だ」という一文から始まります。 通っているジムの知り合いから誘われて、ガチなボディビル大会に出場するまでを描いた作品。 『別の生き物になりたい』と出場を決意するものの、ボディビル大会について知らない人からすれば、筋肉ムキムキで、肌も黒く、“女らしくない”と見えるそれは、蓋を開けてみれば、髪を長くし、ピアスをあけ、ヒールを履きこなし、笑顔を作り、優雅なポーズをし、アクセサリーをつけ、派手な化粧をするなど、筋肉と同じくらい『女らしさ』も必要だった。純粋に筋肉だけで勝負したいのに、筋肉と関係ないものが評価される、男と女でまた違ってくるという違和感、心の葛藤が描かれている。 何が面白かったかといえば、文章表現だ。 ◽︎スヌーピーの言う通り、我々は配られたカードでゲームするしかないのだ。 ◽︎ああ、遂に。私は、ゲロったのだった。それは正しく、カツ丼を前にした容疑者が犯行を白日の下に晒す心境だった。 ◽︎翌日、私は近所の歯医者に行き、げん担ぎのように即席のホワイトニングをした。サンプルを持ち出され「新庄・清原クラス」の二段階手前の色合いを選んだ。翌朝、起き抜けの白湯が歯に染み、飛び上がった。 等々、クスクス笑える文章に、次作も読みたいと思わされた。 ちなみにタイトル『我が友、スミス』のスミスは、スミスマシンという筋トレの器具の名前からきている。 装丁も、純文学ではあまり見ない雰囲気で興味をそそられた。
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キワモノ好きとしては知らない世界を知る楽しさを十分に堪能できた。とはいえ、最後まで読めば、単なるボディビルに留まらず、結構深い話で驚く。 次回作はどういう題材を書かれるか分からないが、期待して待ちたいと思う。 ★4.0
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芥川賞候補作と、印象的な表紙に惹かれて読んだら、ボディビルの話! 別世界のことが垣間見えたのと、スミスが何か分かってあっという間に完読。
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