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選んだ孤独はよい孤独 の商品レビュー

3.6

70件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/03/12

「ここは退屈迎えにきて」「あのこは貴族」を読んでみてよかったので、ブックカフェで山内さんの小説を手に取った。 女性の生きづらさ、地方と都会/社会的ステータスの違いやすれ違いというトピックから、今度は男性の生きづらさ、男から見た女性性の意味わからなさ、がリアルで面白かった。 同...

「ここは退屈迎えにきて」「あのこは貴族」を読んでみてよかったので、ブックカフェで山内さんの小説を手に取った。 女性の生きづらさ、地方と都会/社会的ステータスの違いやすれ違いというトピックから、今度は男性の生きづらさ、男から見た女性性の意味わからなさ、がリアルで面白かった。 同棲していた彼女がなぜ出ていったのかわからない、常に行動を監視されるような彼女にうんざりし男友達と生きていきたいと密かに思う高校生など。一話一話がかなり短めの短編集なので読みやすい。 「きみってちょっと男性性を内在化しすぎている」

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2023/03/08

あるカップルの別れの理由と、俺が逃してやる、がお気に入り。 あるカップルの別れの理由は、あー男と女で見えてる世界が違うんだよな〜がよく現れていたと思う。 俺がのがしてやる、は、うわ〜〜〜でたーホモソーシャルクラブ〜と思いながら読んだ。 いいテンポで話が進む一冊。 読んでいて思った...

あるカップルの別れの理由と、俺が逃してやる、がお気に入り。 あるカップルの別れの理由は、あー男と女で見えてる世界が違うんだよな〜がよく現れていたと思う。 俺がのがしてやる、は、うわ〜〜〜でたーホモソーシャルクラブ〜と思いながら読んだ。 いいテンポで話が進む一冊。 読んでいて思ったのだが、女性作家が描く、この社会を女として生きること/男として生きること、の作品は最近出てくるようになったと思うが、男性作家が描く、この社会を女として生きること/男として生きることの作品って(私が知らないだけかもしれないが)全然出てこないなぁ、と思った。 そういう意味で、ジェンダーにまつわることに意識があるのは、まだ何かジェンダーでモヤッとすることの経験が多い女性なんだろうなと感じた。先は長い。

Posted byブクログ

2023/03/03

男性特有の生きづらさみたいなのもあるんだなぁ。 与えられた環境の中でどうにかこうにかやっている話が現実的だけど、そこから「俺が逃してやる」というある意味開放される話がかっこよかった。

Posted byブクログ

2023/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

男(社会)に壮絶にひどい目にあわされた女性にスポットを当てた「星を掬う」を読んで衝撃を受けるやいなやこの本て。なんというタイミング。 この本は男も生きづらいんだ、というのがメインテーマ。男性優位な社会であっても男は生きづらい。バカな男が作るから、男でも生きづらいというバグを生んでしまった社会。 マイルドヤンキーな地方でいつまでも義務教育時代のカースト社会でふやけて生きてるヤツとか、カリスマチームの後をついだ凡庸学年高校サッカー部主将の苦悩とか、自己中美人の彼女に振り回されるやつとか、都落ちしてきた仕事ができない広告会社員の悲哀とか… もうね、読んでて身につまされて泣きそうになる。男だってツラいんよ、ほんま…って言うと「自業自得甘えるな」「女はそのツラい男の尻ぬぐいをする辛さ」等々の怒声が女性サイドから聞こえてくると思うから余計ツラい。俺は女性だから下になんて見てないし…って言うと「そういうこというヤツが一番わかってない」「母を妻を娘を前にして堂々と言えるのか?」等々の怒声以下略 あの東日本大震災の時、心から大切だと思ったはずの人と人との「絆」というものの副作用がきつすぎて、人と人とのつながり(それが男女間でなくとも)ってのは面倒くさい鬱陶しいものに成り下がってしまった。成熟した民主主義社会の一員なら、そういうつながりを保ちつつ、個人の意思や行動に必要最低限以上の縛りを持たせることに抵抗を感じるはずなんだが、残念ながらこの国には「空気を読め」だの「同調圧力」だのという魔改造絆がそこら中に跳梁跋扈していて…。 このままでは、できるだけ一人で生きていけるだけの生活力を身に付け、自分のことは自分でできるようにした上で、他人にはできるだけ関わらず結婚も同棲もせず、当然子供も作らず、病気や怪我や老化で誰かに迷惑かけるようになったら、有料介護で生きれるだけ生きて、金が尽きれば安楽死…そういうディストピアが待っているかもしれない。 いや、でも、そんなディストピアでも、性別や体力や見た目や生まれたところや皮膚や目の色の差で、虐げられる人がいるような社会よりはよい社会なのかもしれないな。

Posted byブクログ

2023/02/18

全て男性主人公のショートショートも含む短編集。 男性でもこう感じるなら、あーそれは男女関係ないんだなって思えたり、そう考えるなら一生分かり合えない部分かと思ったり。真意がわからなかったこともあったのでまた再読しようと思います。

Posted byブクログ

2023/02/06

山内マリコさん、スラスラと読みやすい。 「おれが逃がしてやる」が好きだったかな。 情けなくも愛すべき男たち とあらすじ にはあったけれど、 目の前で悪気なくこんなこと言われたら 不快だ……私は思ってしまう気がする。 クスクス笑えるものも多かったから 気軽に読めてよかった。

Posted byブクログ

2023/02/04

きっと誰にでもあるんだろうな。 と思えるような、情けない部分、恥ずかしい部分を切り取った話がつまっていて、 じわじわーとボディーにきいてくるようなパンチ力をひしひし感じる1冊。 中盤の『ぼくは仕事ができない』で愕然とする思い。1人の人間が、見る人によっては憧れだったり、ろくでも...

きっと誰にでもあるんだろうな。 と思えるような、情けない部分、恥ずかしい部分を切り取った話がつまっていて、 じわじわーとボディーにきいてくるようなパンチ力をひしひし感じる1冊。 中盤の『ぼくは仕事ができない』で愕然とする思い。1人の人間が、見る人によっては憧れだったり、ろくでもなかったり。人生の表と裏を短い物語で見せられた感じ。 最終の『眠るまえの、ひそかな習慣』 この物語が心に残る。 眠る前に死を想像しながら、人生を後悔する自分を妄想し、友人の顔を思い浮かべる夜の習慣。 もう会えない人たちに想いをはせながら。 向上心の影にあるのは、もう元に戻せない過去。 心にグッと刺さる。

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2023/01/31

・男子は街から出ない ・さよなら国立競技場 ・女の子怖い ・一九八九年から来た男 ・心が動いた瞬間、シャッターを切る 個人的に響いたのはこの5作品 作中に出てくる主人公たちは、どこか情けなかったり少し傲慢だったりするけど、愛らしい。傍から見れば「主役」にはならないかもしれない...

・男子は街から出ない ・さよなら国立競技場 ・女の子怖い ・一九八九年から来た男 ・心が動いた瞬間、シャッターを切る 個人的に響いたのはこの5作品 作中に出てくる主人公たちは、どこか情けなかったり少し傲慢だったりするけど、愛らしい。傍から見れば「主役」にはならないかもしれない彼らの心の機微が面白かった。

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2023/01/22

山内マリコらしい、ジェンダーの話も混ざりつつ、 男性目線の話もあり、バランスよく集められた短編集。 「愛とは支配すること」、タイトルにもそそられたし、最後で少し心をすくわれるような感じ。 「心が動いた瞬間、シャッターを切る」、世にも奇妙な物語のような、ちょっと不思議な世界観。ニコ...

山内マリコらしい、ジェンダーの話も混ざりつつ、 男性目線の話もあり、バランスよく集められた短編集。 「愛とは支配すること」、タイトルにもそそられたし、最後で少し心をすくわれるような感じ。 「心が動いた瞬間、シャッターを切る」、世にも奇妙な物語のような、ちょっと不思議な世界観。ニコンの出生の秘密もなるほどと思った。

Posted byブクログ

2023/01/12

最近テーマにされることが多い女性性についての男性バージョンかな。短編集です。 会話だけで進んでいく話や、ツイートのみで進んでいく話、複数の人の視点から語られる話など、短編の手法が盛り盛りで飽きずに読めました。

Posted byブクログ