ままならないから私とあなた の商品レビュー
1作目のレンタル家族がおもしろかった。 この作家さんは人の無意識の傲慢さとか押し付けがましさを描くのが上手いと思う。 もっと長編で読みたかった! 表題作はとにかく合理性に価値を置く親友と、価値観の異なる主人公の話。 価値観が違うからこそ仲良くできることもあって、お互いそれを押し...
1作目のレンタル家族がおもしろかった。 この作家さんは人の無意識の傲慢さとか押し付けがましさを描くのが上手いと思う。 もっと長編で読みたかった! 表題作はとにかく合理性に価値を置く親友と、価値観の異なる主人公の話。 価値観が違うからこそ仲良くできることもあって、お互いそれを押し付けたり同調を求めちゃいけないんだろうな。 でもここまで価値観が違うのにここまで仲良くいられるのはすごい。 作曲した曲が作り直しになったことについてはもっと怒っていいと思う…
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※このレビューにはネタバレを含みます
1作目は個人的にすごい好きな話だった。 風俗嬢のテクニックが良くないのも先輩はそもそも知らなかったわけであってこう繋がるのか〜と感動した。 けどすごく悲しい話だなと思った。 自分が信じているものが偽物だと知ってしまった時の気持ちって言葉じゃ表せないほど辛いんだろうなと。そしてその偽物も根っから騙してやろうという気持ちからではないのがまた考えさせられた。 それと同時に主人公の考えには少しイラついたのでざまあみろと思ってしまった。 2作目は自分の考えがユッコに近いので、クライマックスの薫にガツンと言うシーンは、ユッコ!いけ!という気持ちになった。 正直に薫と仲良く居続けられるユッコが凄いと思うし、でもそんな思考の薫に褒めてもらえて純粋に夢を応援してもらえるの嬉しいと思うし、だからこそユッコが望んだ真逆のことをした薫は純粋にひどいな〜と思ってしまう。 こればっかりは価値観なので仕方ない。 けども価値観の違うもの同士はお互いにそういう考えもあるよねと受け入れることが出来ないときついなと思った。
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どちらの話もすごく面白かったです。 価値観の違いを埋める必要はないのに、無意識に相手に自分の価値観を押し付けてしまっている。(特に自分に近い人ほど) 自分も同じような経験をしたことがあるから特に《ままならないから私とあなた》には共感しました。 今の時代にぴったりな本だと思いま...
どちらの話もすごく面白かったです。 価値観の違いを埋める必要はないのに、無意識に相手に自分の価値観を押し付けてしまっている。(特に自分に近い人ほど) 自分も同じような経験をしたことがあるから特に《ままならないから私とあなた》には共感しました。 今の時代にぴったりな本だと思います
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今この新しい価値観が取り上げられてるからこその本だった。小説の中に出てくる 「自分の人生なんて、成功例じゃなくて、ただの一例にすぎない。でもみんな自分の人生しか生きたことがないから、そのたった一例を否定されるのを嫌う。だから新技術って否定されがちで、とりあえず拒否する。」 なる...
今この新しい価値観が取り上げられてるからこその本だった。小説の中に出てくる 「自分の人生なんて、成功例じゃなくて、ただの一例にすぎない。でもみんな自分の人生しか生きたことがないから、そのたった一例を否定されるのを嫌う。だから新技術って否定されがちで、とりあえず拒否する。」 なるほどな〜って思った。 たしかにリモートではできない対面だからこそのコミュニケーションの取り方とかあるし、そういう意見に同意していた部分もあったけど、この本を読んで変わった。 新しい技術、生活の中でこその出会いもあるし、それこそ人の運命的な出会いを信じるなら、車なんか乗らなくて歩いて移動すればという考えに貫かれた。
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価値観の違いというものを 突きつけられる。 レンタル世界は、 高松さんの意見に一票 その通りだよね 表題作は、 やはり雪子に同情しちゃう。 薫ちゃんの考え方も理解できる。 でもね、その人の為にと思ってやっても、 その人が一番望まないものなんだよ…
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面白かった。 《レンタル世界》は早々に結末が予想できてしまったが 《ままならないから私とあなた》はよかった。 朝井リョウ氏は社会とリンクさせたテーマ選びが秀逸なので、毎回じんわりとした読後感が得られる。 人生を自分の思うままにコントロールすることと 自分の予想通りに動い...
面白かった。 《レンタル世界》は早々に結末が予想できてしまったが 《ままならないから私とあなた》はよかった。 朝井リョウ氏は社会とリンクさせたテーマ選びが秀逸なので、毎回じんわりとした読後感が得られる。 人生を自分の思うままにコントロールすることと 自分の予想通りに動いてくれないもの この2つは表裏一体。親友同士。 お互いの存在があるからお互いの価値が高まる。 決して切り離せない、誰にとっても永遠の相棒。 そうやって、夫婦、親子、友人、同僚、予想通りにいかないところで巡り巡っていくのも味わい深い。
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最初の話秀逸だった 当たり前だった関係性、価値観を疑うのがほんとに上手な作家だと思う 文構のジェンダーの授業が生きてるんじゃないかなあと思う笑
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◾️レンタル世界 野上先輩つらかったっすねぇ。 主人公の熱量がうざくて、最後全部ひっくり返った時にちょっとスッキリしちゃった。 ◾️ままならないから私とあなた 「ままならない」とは、思い通りにならない、という意味。 その言葉の通り、薫もゆっこもままならない。 ゆっこのことを思ってプログラムを開発をしたけど、結果ゆっこの千載一遇のチャンスを潰してしまう薫。自分らしさにこだわって曲を作り続けるけどオリジナリティのある曲を作れず、まだ将来設計もできていないのに妊娠しちゃうゆっこ。 薫は超合理主義で、自分がコントロールできないことから逃げる一方、社会から認められる。 ゆっこは自分らしさとか、その場だからこそ、みたいな価値観を大事にしてて、そういった余白があって出会えた渡邉くんといい関係性だけど、逆に個性が認められず苦しむ。 自分らしさは科学では再現できないのか? 科学で実現できないことってあるのか? 私自身ドライ寄りだし薫の考えに合意できる部分もあったけど、人の価値観・考え方にはグラデーションがあって、一概に線を引けない。そこを揺らがすことはままならないのかなぁと思ったりした。 最後、薫の結婚相手がレンタル旦那?とか思って深読みしすぎた。
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主人公は感性や考え方に柔軟なタイプで相手と意見が違って当たり前という思いの持ち主。薫は合理主義でどちらかというと、白黒思考。 どちらも言ってることは納得できる。 人間は感情があるから行動に矛盾があって当たり前だと思う。 主人公の彼とのやり取りで相手の真意をくみとり上手に言い換えを...
主人公は感性や考え方に柔軟なタイプで相手と意見が違って当たり前という思いの持ち主。薫は合理主義でどちらかというと、白黒思考。 どちらも言ってることは納得できる。 人間は感情があるから行動に矛盾があって当たり前だと思う。 主人公の彼とのやり取りで相手の真意をくみとり上手に言い換えをして言い争いを回避していたけど私もそのようにオトナの対応をできるようになりたいと思いました。とくに、大切な家族には。
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子供の頃の小さな違いが、大人になるにつれてどんどん大きくなっていく。人と人はきっと分かり合えないと思う。だけどままならない存在同士だからこそ、話し合ってみることは大事だと思う。
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