ままならないから私とあなた の商品レビュー

朝井リョウ(著者)

2023/07/16

レンタル世界は、中盤で展開読めたもののもう一つ驚かされるところが最後あって伏線回収！って感じでよかった。
ままならないから私とあなた、わたしは雪子に近いものがあるけど、たしかに薫の考えもわかるし…どちらも否定できないから難しいなあと思った。

2023/06/30

タイトルに惹かれて購入しました

私も自分の内側を相手にさらけ出したら、相手の内側を知れるかもと思ってるところあるわ

自分を知るためには他人が必要

輪郭は自分だけでは描けない

2023/06/17

親しい間柄の人にこそ、自分の考えを押し付けるような言動をしてしまっているのではないかと内省した。自分の中での正解や正しさは、隣の人の「世界」には当てはまらないことが多々ある。それが家族であっても恋人であっても。一人一人に「世界」があると認識すること。他者との違いに自己を見出し、違いから生まれる感情の揺らぎ、葛藤がまた自己を形成していく。人の数だけ世界があり、刻々と変わり行く。寛容な心を持ち、世界の一部に馴染んで生きたい。

文庫版で追加されたラストの読後感が最高でした！

2023/06/08

どちらもすごく好みだった。レンタルのほうは、自分の価値観が正しいと信じて疑わずに、他人に押し付けようとする部分に腹が立った。現実にそういうやつがいて、苦手だけど純粋なところはうらやましい。そんな彼が信じていた先輩像と先輩との関係性が実は間違えだったと気づくシーンは不謹慎だけど、爽快な気持ちだった。彼にとってはある意味良い経験になると思う。私も信じて疑わない価値観が覆ったら良い人生経験になると思う。一回しかない人生だからできるだけたくさんのことを経験するほうが楽しいと思う。その経験が辛いことだとしてもそれも人生の一部だから。
そう考える私は、「ままならないから私とあなた」の雪子よりの考えかもしれない。でも薫の言うこともよく分かるし薫の生き方が賢いと思う。
・みんな、まともに見られたいんだよ

2023/06/07

朝井ワールド全開。

死にがいを求めてでどハマりして、この作品で再ハマり。

やはり心の声を3ページとか平気で展開する変態的な、構成が好き。

主人公の吉野が一般的な女の子なんだけど、
心の声をここまで言語化すると、
拗らせてに聞こえるのが良い。

モヤっとした気持ち、人間の違い、『あいつはそういうやつだから』『気が合わない』などで片付けそうな案件を、時間経過を駆使してうまく紐を解いていく。(解決はしない)

人間はままならないから人間。
効率厨もニートもバリバリ経営者も皆、ままならないから部分がありそれが人間らしさ。

小出さん言葉を借りるなら
『違うのに同じ。同じなのに違う。ままならないからこそ、人は自己と他社を見つけ出すことができる。私とあなたがいるからこそ人間でいられる。』

印象的な一文

意味はなくてもただ楽しい、楽しいだけ、それいかまい何の意味とかがなくったって、単純に楽しい、楽しいだけ、それ以外何の意味もないみたいなことが、意味のある全てのものを一気に飛び越えていく瞬間がある。

これはなぜ？と言った答えが無く薫を理論無双するが、脳死した好きに叶う武器無し。このままならさが人間なのかも？

2023/06/07

普通にイラッとした、捻くれたませガキってクソうざい、昔の自分もそうだったからだろうか、、、。
だがしかしタイトルはめちゃ好き。

2023/06/03

考え方や価値観の違いについて悩み続けている現在。2年前に買って読まないまま放置していたけど、今読めてよかった。

考え方や価値観は人それぞれにあって、それを押し付けあっても意味がない辛いだけだと感じた。自分の価値観も相手の価値観も認める必要がある。それでいて交わらないものは仕方がないと諦めるしかないのかという感情になった。

2023/05/03

短編「レンタル世界」と表題作の「ままならないから私とあなた」
「レンタル世界」は体育会系で自分の考えを信じて疑わない主人公が、どうにもならない事情を抱え、嘘の世界で乗り切っている人がいることを知る。色んな事情が人にはあり、色んな仕事の人がいる。
「ままならないから私とあなた」は、一見、真逆の考えを持つ薫と雪子。効率化、合理化も大切だけど、人間らしさや努力、血の通ったものも大切。無駄は全て排除すべきか、無駄にこそ人間らしい感情が生まれるのではないのか。
近頃はチャットGPTとかAIも進化しているので色々考えさせられます。どちらの意見にも共感するところがあります。でも、薫の考えは振り切れすぎてて、雪子の意見に賛同する比率が大きかったです。ただ、その雪子の意見もことごとく薫に論破され、結局正解は生まれないのですが、テーマがハッキリしていて読みやすかったです。私なら途中で薫と友達でいることをやめると思います。

2023/05/01

考え方の違いってほんとに埋まらないし、
そもそも埋める必要はないものなんだと思う。
たぶん。

埋めなくて良い。
繋げられさえすれば。

埋めようとするとお互い辛いだけだし、
100%埋まることはまずないはず。

だけど大事な相手ほど埋めたくなる。
わかってほしい。
シンプルに。

だから埋まらないのがわかってても埋めようとする。

一見不毛なように思える。

けど、埋めようとするから、繋がれる。
たぶん。

お互いへの理解というか。
価値観の違いを受容することで相手を受容するというか。

まぁ埋めようとして失敗することもあるけど笑。

でもその場合も、繋がれなくてもそういう相手がいるってことが、自分の世界を広げてくれるってことなんでしょう。

みんな違ってみんな良い
じゃないけど、
みんな違うから自分もいる
みたいな解釈で良いのではなかろうか。
たぶん。

学生の頃に学祭でクラスのリーダー的なことをやったことがあって、その時にクラスの子を泣かせたことがある。
リーダーという役割のプレッシャーと、思うように準備が進まない焦りと苛立ち。
正論を武器にたぶん相手を追い込んだ。
その時はそのやり方しかできなかった自分がいたけど、、、うざかったろうしほんと申し訳なかったな。苦笑
若かった〜…

という自分の過去を思い出した。

超狭い目線で善悪決め込んだぐらいな感じだったと思う。
そこは若気の至り。

結局相手の目線に立てなかったし、思いやれもしなかった。
こっちはきっと大人になった今でも、状況によっては起こりうる。
だから気をつけたいし気をつけなきゃいけない。

人とのいざこざは本当に神経がすり減る。

だけど表面の付き合いは望まないし、
究極、人と一緒に真理に辿り着きたい。
よりよい明日のために。楽しく過ごすために。

すごい痛い大口叩いたけど笑、
それが生きるってことなんじゃないかと思います。

人のことを知りたいしわかりたい。

自分にないものにこそ、自分の世界を広げる何かがあるというのは真理だと思う。
自分は何者でもないわけだし。笑

とか考えさせられるのが好きな人は絶対好きかと。笑

そしてタイトルがほんと〜に素晴らしくよくハマってます！
安定のおもしろさでした！！

2023/04/16

テレビでAIの話をしていて、おじさんが必死で人間にはAIと違って、、こんなことができる、こういうことはAIにはできないといかに、人間が素晴らしいかを意見しててこの本のことを思い出した。
なんでも今までのやり方を変えたり、新しいものを取り入れるってメリット、デメリットありますよね。