ままならないから私とあなた の商品レビュー

朝井リョウ(著者)

2024/04/09

朝井さん２作目。
決していい話とか読後感がいいとかいう訳じゃないけど、なんか癖になる。1本目のレンタル人間が好きだった。
朝井さんの作品には、"カッコ悪い"とうか、不完全で歪な人間が多く描かれているけど、正に「ままならないことが人間」その通りだと思った。
私だってそうだし、一見完璧に見えるあの人だってきっとそうなのだろう。

2024/04/07

主人公2人どちらの言い分も納得できる人の内面が曝け出されてるお話だと思います。きっと自分も自分にとっていいように解釈して物語を作りあげているんだろうなと思いました。高校生以上の方誰にでもおすすめの本です。

2024/06/06

ままならないから私とあなた
オシャレないい題名だなあ。

「住宅街に入ると、急に道が細くなった。すると、世界の面積に対して、わたしたちふたりの存在が、すごく大きくなったように感じられた。」
など、ふとした描写がよかった。

一編目の「レンタル世界」。
自分にやましいことがなければ、相手もやましいことなどないと思ってしまう綺麗な身勝手さが好みでした。短いのでむしろこちらだけでも。

2024/02/14

たとえ仲がよくて、気が合う人とでも、自分の価値観と相手の価値観がまったく同じであることはないと改めて感じた
自分にとってとるに足らない事でも、相手にとってはものすごく大切にしていることもあるから、その価値観の違いを理解し合える関係性を作れるようになりたいと思った

2024/02/13

自分にとって無駄と思うものが、誰かにとって大切なものかもしれない。人は結局自分の世界でしか生きられないから、それに気づかず、お節介に口出ししたり否定してしまうことがある。
短編の主人公・雄太のノー天気でおめでたい思考も、薫ちゃんの無駄を削ぎ落とすことが正解だという考えも、自分に当てはまる所がありすぎて、グサグサ刺さる。
人にはそれぞれの世界があって、それが間違っているとか、無駄だと否定することはできない。めちゃくちゃ当たり前のことだけど、、肝に銘じようと思った。

朝井リョウの、独特な、生っぽい台詞を最初は受け入れられるか心配だったけれど、最後の方はちょっと癖になった。あえて言葉を繰り返して余韻を残す感じも好きだった。作家によって表現が色々あっておもしろい。

2024/02/12

一作目はスピーディな展開で読みやすかった
二作目は、そのオチならこんな長々と書かなくても、、、感ある。

ままならない、だけどうまくやれる
的な内容を期待したけれど
ままならない….で終わった。
子供同士が互いの親を知らないってことは、つまりあそこで歩み寄れず（？）終わったんだな、と。
たった1人のためにあれだけ試行錯誤して発明品を作るって、すごい人情溢れてるなっていう印象で、歩み寄れたのでは？と、矛盾を感じたと言いますか。。。
文庫版で子供同士の話が追加されたようだけど、ない方が想像膨らんで良かったかも。
どんでん返し的なものや綺麗な収束を期待してしまった。

2024/02/10

◯レンタル
主人公は
相手と本当の付き合いをするためには自分の弱いところを曝け出さなきゃ的な
体育会系単細胞会社員
腹を割った仲の先輩とは風俗にも一緒に行く仲
ひょんなことからレンタル彼女やレンタル家族なる存在を知る
レンタル彼女との出会いのあと
驕り高くも、
この子は本当の付き合いを知らない寂しい子なのかもしれない、俺が腹を割った本当の関係をわからせてやろうという思いから
先輩の家にレンタル彼女と一緒にお邪魔することに。
レンタル彼女の演技にも関わらず、
わかってもらえた、
とご満悦。
だけど後から先輩の奥さんはレンタル家族で、
なんでもわかってると思っていた先輩のもう一面を知る。

◯ままならないからあなたと私
主人公雪子は、一見無駄だと思えるようなことをしてこそ、人間関係が新たに生まれる、自分にとって大切なものと出会えるという考え
それに対して親友薫は、できないことができるのはワクワクすること、どんどん効率化を進めて無駄を省こう！タイプ
二人とも同じミュージックグループにはまる(技術を駆使して近未来的な演出をするバンド)
雪子はそのグループの中のピアニストに憧れて
自分にしか作り出せない音楽をつくることを夢にする
一方、薫は
ゆきこの夢を助ける目的で、機械を用いて自分にしか作れないオリジナルの音を作り出す方法を生み出そうとする。
あと、わたなべくん。
雪子と高校生の頃から付き合いだす。
大学卒業してから数年、
雪子はついに自分らしい、自分にしか作り出せないような音楽を作り出せた！と思ったのに
それを薫に報告しようとしたら
薫作、雪子の癖を学んで雪子オリジナル音楽を作り出すプログラムによって
自分の唯一無二だと思ってた音楽と
ほとんど同じ音楽ができてることが判明
喧嘩
雪子は
無駄に思えるものを経てでしか得られないものがあるんだよと。みんなに同じことが可能になったら、差がないから相手を知りたい、って思うような愛おしさも生まれないんだよと。
薫は
でも、この人にじゃなきゃできないと信じてたものと、技術を通じて生み出したものと、違いが実際にはわからないじゃない、
雪子の、できないからこそ楽しいんだっていうのは
昔はクーラーなんてつけてなくて汗だくで頑張ってたんだぞって言ってる前世代と一緒じゃないかと。
確かに、できるようになることで失うものもあるかもしれないけど、できたことをもとにそこから生まれる対話や人間関係もあるじゃないかと

どっちのいってることもわかる
大事なのは、
自分が正しいと思うことを相手に押し付けることで
相手がどんな気持ちになるか
想像力を働かせることだということで
落ち着いた気が。

ままならないから、の意味をもう一度読み直したい

2024/02/04

ままならない:思い通りにならないこと

リョウ様、、、
ゆとりの寵児リョウ様、、、

相変わらずおもしろかった!

レンタル世界は、ラストに
まっすぐで人を信じる俺と
俺の前では過去も含めてちゃんと生きたい、戻さないとって待ってるコーハイのためにもって、先輩の優しさがわかるんだけど、
先輩の優しさ知った時の俺を想像して
2人のどちらの世界ももどかしいし、いい方になっていってほひいと思った。

ままならないから〜は
相反する2人なんだけど、時代だなと思い、
私はユッコの生身の人間って感じに強く惹かれた。

私と他者、分かり合えないんだけど、
想像力をめぐらせて、繋がりたいから関係を続けようとする姿勢に引き込まれた。

結婚について考えてたら時期に出会えてよかった本。

2024/01/28

ＡＩの進化、理論派の友達とのはざまで、人としてなにができるの？って考える主人公。最後に切り替わる視点。面白かった。
無駄だと削ぎ落としたその先に何があるの？

2024/01/23

タイトルの通りだなぁ。最初は気が合うと思って好きで一緒にいたのに、だんだんあれ？変だなと思い始めたら崩れ始めることってあるよなー。生きていく中でその人にとってどんな経験をして、どんな考えを持ってっていうのは人それぞれだもんね。全て効率を重視して人間味をなくしてしまうことも寂しいと感じる。便利なもので溢れてる世の中だけど、ずっと忘れないでいたいものも経験として残ってるなと思った。思い通りにいかないから人間。私は人間だ。