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ままならないから私とあなた の商品レビュー

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232件のお客様レビュー

  1. 5つ

    63

  2. 4つ

    93

  3. 3つ

    56

  4. 2つ

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2024/08/13

① 「戻さないと、自分を、コーハイが待ってるから」 という先輩の言葉を通じて 主人公は世界の一部をレンタルしてどうにか繋がれている自分と先輩との関係性に気付き、それまでの自分自身に特大ブーメランしている点が胸を打つ。ただ、そこには確かに主人公に対する先輩の愛があった。 ② 私はど...

① 「戻さないと、自分を、コーハイが待ってるから」 という先輩の言葉を通じて 主人公は世界の一部をレンタルしてどうにか繋がれている自分と先輩との関係性に気付き、それまでの自分自身に特大ブーメランしている点が胸を打つ。ただ、そこには確かに主人公に対する先輩の愛があった。 ② 私はどちらかというとユッコの考えに近い。だからこそ、P267からの薫ちゃんの「みんなそうなんだよ。自分に都合のいいところだけはちゃっかり受け入れてるくせに、自分を脅かしそうな新しい何かが出てくると、人間のあたたかみが〜、とか、…」のくだりがぐさっときた。 最後の小出くんの解説 人が持つ曖昧さで人間の世界が成り立っていると表現されていてままならない人間が作り出すこの世界を愛おしく感じた。

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2024/07/15

どうしてこうも朝井リョウの書くものは面白いんだろう。 表題の中編(になるのかな?)と短編の二篇ですがどちらもテーマは同じ。価値観の違いで片付けるにはちょっと違う。 価値観の違いがベースではあるものの+αで自分の正義や信念を疑わない人達。ゆえに多角的に見たり考えたり感じたりをしな...

どうしてこうも朝井リョウの書くものは面白いんだろう。 表題の中編(になるのかな?)と短編の二篇ですがどちらもテーマは同じ。価値観の違いで片付けるにはちょっと違う。 価値観の違いがベースではあるものの+αで自分の正義や信念を疑わない人達。ゆえに多角的に見たり考えたり感じたりをしないことで起こる問題。“もしかしたら”なんて考えもしないんだろうな。 そして“ままならない”から面白いと思える器があれば最強なんだろうけど、それが難しい。 文庫では表題の作品に加筆され、単行本にはなかった“その先の未来”が描かれています。いくら時代が巡って世の中の価値観に変化があらわれたとしても人間の本質は変わらないんだろうな。

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2024/07/07

朝井リョウさんの小説、初めて読んだ 女性の心情、学生から社会人、繊細に描けていてすごい 自分中心な人間が、相手を思ってるふうで、それも自己中心になって。 ままならない関係が愛しいし、傷つけあって、慰めあって、そんなどうしようもない毎日が、生きてるって感じさせてくれる

Posted byブクログ

2024/06/14

朝井リョウさんの作品はどれもこちらにダメージを与えてくる気がするが、この作品もそうだった。薫の考え方は理解できるが自分と違って、でもいざ反論しようと思ってもうまく説明できない苦しさがあった。それが魅力的だった。

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2024/06/11

再読。以前読んだのは高校の図書館だったので3年以上前なのにストーリーをかなり覚えていて、印象に残る展開や感情の揺さぶり方がさすがだと思った。 朝井リョウさんという人物のことをエッセイを読んだことで知った上で読むと、文体や表現の彼らしさというか、あの人から生み出された作品なのだと...

再読。以前読んだのは高校の図書館だったので3年以上前なのにストーリーをかなり覚えていて、印象に残る展開や感情の揺さぶり方がさすがだと思った。 朝井リョウさんという人物のことをエッセイを読んだことで知った上で読むと、文体や表現の彼らしさというか、あの人から生み出された作品なのだと感じられることが嬉しかった。 そしてわたしはやっぱり薫ちゃんが好きではない。自分も合理主義的なところはある(流行りの言い方をすればT型)だが、彼女の合理は人を傷つけすぎるし、単純に雪子の作品を台無しにしたことへの怒りをすごく感じる。

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2024/05/22

どんなに信頼しきっていても全く異なる価値観がぶつかり合い、どちらが正しいかなんてないけど合理性を取るか人間らしさをとるか。 人間らしさは大事だけど、都合のいい部分は結局楽な方を選んで、結局受け入れちゃってるじゃん!って突っ込まれると確かにそうなの。 そんな曖昧でグレーで傲慢な...

どんなに信頼しきっていても全く異なる価値観がぶつかり合い、どちらが正しいかなんてないけど合理性を取るか人間らしさをとるか。 人間らしさは大事だけど、都合のいい部分は結局楽な方を選んで、結局受け入れちゃってるじゃん!って突っ込まれると確かにそうなの。 そんな曖昧でグレーで傲慢なところがままならない人間らしくてそれはそれでいいのかなって。 100%合う人なんていないし、違う考えを共有しあって高め合う。 自分が良いと思えば無理やり共有しようとせず自分がそのまま突き進めば良い。 考え方なんて変わらないんだから、少しずつ受け入れて中和出来たら良いけどね。 そんな個々のどうしようもない底の部分のお話。 どうしようもなくて見ないようにしてきたことを突き詰めるの、上手だよな〜朝井さん。

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2024/05/12

「正しさ」って、見方とか場面とか時代とかによって柔軟に変わり得るもので、決して確固たるものなんかではないのだろうなと思った。

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2024/05/03

アプローチはどうであれ、"自分でやる"ことに意味があるんだろうと思った。だからこそ、他者を思い通りにすることはできない。ままならないから私とあなた。

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2024/04/21

定期的に朝井リョウさんの本を読みたくなるのはなぜだろう? 『正欲』から読みはじめて今回で3冊目。 不思議とだんだん癖になってくる。 「自分と他人の違い」の2つの話。 表題の「ままならないから私とあなた」は心がざわざわした。 主人公の雪子と幼馴染の薫との2009年から2052年...

定期的に朝井リョウさんの本を読みたくなるのはなぜだろう? 『正欲』から読みはじめて今回で3冊目。 不思議とだんだん癖になってくる。 「自分と他人の違い」の2つの話。 表題の「ままならないから私とあなた」は心がざわざわした。 主人公の雪子と幼馴染の薫との2009年から2052年までの話。 小学5年生の仲良し2人は好きなものが似ていて、2人の考え方の違いは小さかった。 それが中学、高校、大学、就職と進むにつれて、2人考え方の違いがどんどん大きくなっていく。 「効率重視」の薫と「無駄なことこそが大事」だと思う雪子。 同じものを見ても考えていることが正反対なので、2人の目線で感じてることの違いがとても興味深かった。 自分の思っていることは他の人は全く逆のことを考えていたりする。 このブクログでも「自分には合わない」とか「物足りなかった」と書いたことが、その作品を大好きな人が見たら気分を悪くするかなと考えたりする。 私は自分が好きな本の悪い評価を見ても、「そういう感じ方をする人もいるんだ」と興味深く読んでいて、それもまた楽しみにしている。 自分と似た考えの人も好きだけど、自分には持っていない意見を持っている人も新たな発見があって好きだ。 逆に自分の意見だけが正しいと思い込んで、他人にも押し付ける人は苦手だ。 薫はその配慮が少し足りなかったように思う。 でも実際は自分も気が付かないうちに人を傷つけているかもしれない。 朝井さんの本を読むと、あえて考えないようにしていることをやんわりと指摘されているような感覚になる。 心がざわついてしまうのに、なぜかそのざわつきを定期的に求めてしまう。 そして朝井さんの本を読むとなぜか感想が長くなる笑 また朝井さんの本を読みたい。

Posted byブクログ

2024/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間的な個性、温かみを重視する雪子と技術の進歩を利用し出来ないことをより簡単に出来るようにする薫の対比が良かった。 人間らしさがないから良くないと自分も思うことはあったが、薫の「じゃあ電車使うな、徒歩で歩け」という言葉には考えさせられた。 朝井リョウさんの本は自分の当たり前に思ってたことが実は凝り固まった考えなのだと思い知らされる。

Posted byブクログ