対岸の家事 の商品レビュー

朱野帰子(著者)

2021/08/21

　親って本当にすごいんだなと改めて気づかされた。私はまだ結婚もしていないけれど、社会は予想以上に冷たく、人は意外と優しいということをいつか思い知らされる日が来るのだろうなと思った。

　毎日毎日子どもと向き合っていると、どれだけ愛おしくても終わりのない日々から抜け出したくなる日がかならずあるのだろうなと思った。

　今は感謝しなきゃという気持ちがむくむく湧き上がり、主人公の気持ちを推測して読んだが、何年後かに共感という気持ちで読むとまた感想が変わるかもしれない。私はやっていけるのだろうか。

　p35「でも、家事は毎日やらなければならないものだから。1日も休みがなくても、熱があっても、放り出して逃げることができないんですよね。子供がいたら特にそう」

　p103これは海の上に降る雨なのだ。自分はそこに通り掛かった船なのだ。見る人がいなければなかったことになってしまう涙。それを今、自分が見ている。給水タンクの上でなく玲子を見て、しほもこんな気分だったかもしれない。だから助けてくれたんだろう。

　p172「外で食べてくる、って言われる悔しさなんて、1日も休まずに家族のご飯を作った人じゃないと、わかんないだろうなって思って」

　p306料理も、掃除も、洗濯も、ご近所付き合いも、恥ずかしがらず、やったことのないことに挑戦していれば、きっと新しい自分で得られる。どんな変化になってついていくことができる。世界はいくらだって広げられる。時代がつり変わってもきっと大丈夫だ。そう思えた。

2021/08/17

いまの日本が抱える問題がすごくリアルに描かれている一冊。
この本を読むまでは、
専業主婦は気楽そうだと無意識に思っていたけれど、
社会に出ていないからこその辛さがあることをこの本で知った。
それと同時に、育児の大変さもとてつもなくリアルに描かれていて、思わず自分の親に育児中のことを改めて聞いてしまった。

専業主婦、ワーキングマザー、育休をとる男性、
どんな選択をしてもみんなそれぞれに
崖っぷちのところで闘っていて、
どうしたらそれを救ってあげられるんだろう。
小説では最後明るい終わり方になっていたけれど、
現実世界では根本的な解決策がないことに
暗い気持ちになってしまう。

2021/08/13

いろいろ突っ込みどころはあったが・・・
（そんなに意地悪されたら、ふつうは関わらなでしょ。」
など、）
けれど、やっぱり自分が子育てしてる時を、
思い出す。１対1で向き合う逃げ場のない感じ。
女性が活躍する社会、その前に必要なのは，女性が活躍できるような環境づくり、
オジサンたちの意識改革だ。
社会全体で子育てしていかなければ、この国はますます少子化に向かっていく。
社会がともかく変わっていってほしいと思う。

2021/08/09

もう少し早く出会いたかった本。

自分自身も絶滅危惧種？の専業主婦として、両家は遠方で頼れるところなく過ごしている。
本当に辛い日々もあったけど、今は半分以上忘れてしまった。
読みやすくてあっという間に読み終わるし、あの頃の自分に贈りたい本。

2021/08/08

人それぞれで隣の芝生は青いもの。
結局なにが幸せでなにがよいとされるのか、無理ゲーにならなければよいのか。
ひとりにならずに助けを求める声を上げること、小さくても支えとなる夢・思い出をもつこと、信じること。簡単なようで難しいかもしれないけど、みんな迷いながら進んでいるんだな。

2021/08/06

とても読みやすかったです。
日本中の頑張っている主婦さんに頑張り過ぎなくていいと伝えたくなります。
子供を育てるって本当に想像もつかないほど大変だと思うし、育ててくれた両親に改めて感謝したいです。
専業主婦という言葉があること自体、あまり良くないこと。日本の家族の在り方、女性や男性の育休に対する社会の認知度の低さ、様々な問題を訴えかけてくるお話でした。
ぜひ色んな人におすすめしたい一冊。

2021/08/05

読みやすかった。
専業主婦になりたかったけど、育休中、家事をやって、すごく大変で、主婦って凄いんだなと思った。それと、フルタイムで働いていると、妊娠した時、産休で休まなきゃない時、子供が体調を崩して休まきゃない時、育休開け会社に自分の席があるかって言う不安…、共感出来る部分が沢山あった。傍で助けてくれる人がいることって、もの凄い有り難い事。

2021/08/01

講談社のTwitterで公開していた一話を読んだら面白かったので図書館で借りてみた。

めちゃくちゃ面白かった！！専業主婦が主人公で、フルタイムのママや育休取得したパパなんかとの交流を深める話。
リアルではこんな感じにならないけど、だからこそ「物語」として読むのが楽しい。

てか、専業主婦は絶滅危惧種なのか。そうか。

2021/07/22

専業主婦、ワーキングマザー、イクメンなど、それぞれの育児と向き合っている姿がある。
仕事と育児の両立は難しいし、ワンオペ育児もできないし、働かないわけにはいかないし…現在の子育てには問題がたくさん。結局は祖父祖母の助けがないと子育てはできないのか…？個人的に育休をとってくれる人と子育てをしたいと思うが…そんな人はなかなかいないかも。早急に子育てしやすい社会になってほしいです。

2021/06/23

専業主婦の詩穂を取り巻く人間関係、あるあるな出来事に笑いと涙あり。家事、子育て、仕事との両立、介護と考えさせられる。
個性豊かな面々がそれぞれ悩みを抱えて生活している。カテゴリーの違う人種を否定しがちだけど、その先には絆が生まれていくところで前向きになれる。
弱みを見せることは悪いことではないよね。
どんな立場の人も生きやすい世の中だといいなぁと思う。