対岸の家事 の商品レビュー
「家事」に焦点を当てた限りなくリアルな物語。 隣の芝生は青い、なんて言葉があるけれど、傍から見るだけじゃ、本当の姿なんて解らない。 当然の事ながら、家庭の数だけ家族の事情が存在するのだが、本作では専業主婦の詩穂を羨み、攻撃し、見下す人々が登場します。 一児の母で専業主婦の詩穂...
「家事」に焦点を当てた限りなくリアルな物語。 隣の芝生は青い、なんて言葉があるけれど、傍から見るだけじゃ、本当の姿なんて解らない。 当然の事ながら、家庭の数だけ家族の事情が存在するのだが、本作では専業主婦の詩穂を羨み、攻撃し、見下す人々が登場します。 一児の母で専業主婦の詩穂、二児を抱え多忙なワーキングマザーの礼子、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員の達也、子供が欲しい元保育士の晶子、皆、それぞれに悩み苦しんでいます。 頼る人が誰もいない環境の中での終わりがない毎日の家事、思う様にならない幼子の育児、当てにならない家族、閉塞感の中で息苦しくなりながら奮闘する姿がリアルで、自分自身と重なる場面もありました。 みんな孤独を抱えて苦しんでいる。 でもだからこそ、誰かを羨んで攻撃するのではなく、相手を認め歩み寄る事で気持ちが楽になり辛い日々も乗り越えて行けると思う。 たかが家事、されど家事、生きて行く上で必要不可欠な大事なお仕事です!
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わかる、わかるよ、あぁそうだったなぁ、の連続でわかるが辛すぎて泣いてしまった。 今となれば、あの頃は本当に大変だったね。と思いだし笑いしながら言えるけど、本当に子育ては1人でするものじゃないと身にしみて思う。
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子育て中の世代としては共感できる内容。 保育園に入園する時は、 点数確認して進めたなぁ。 結果、第五希望だったような。 もはや希望ではないが… 結局は余裕がある生活するには お金が必要と結論。 今日もがんばろう。
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専業主婦は、絶滅危惧種。 これは、女性の社会進出というより、国の経済問題であり、国力の問題ではないかと思う。 共働きだと奥さんにかかる負担が膨大すぎる。 夫の稼ぎだけでやっていける日本になって欲しい。そのうえで、働きたい女性は働き、専業主婦も選択肢の1つで、社会的には両者が対等で...
専業主婦は、絶滅危惧種。 これは、女性の社会進出というより、国の経済問題であり、国力の問題ではないかと思う。 共働きだと奥さんにかかる負担が膨大すぎる。 夫の稼ぎだけでやっていける日本になって欲しい。そのうえで、働きたい女性は働き、専業主婦も選択肢の1つで、社会的には両者が対等である社会をのぞむ。外で働いてないからって、時間があると思われ何かと押し付けられたりするのは違う。専業主婦であれ、ワーキングウーマンであれ対等にギブアンドテイクであるのは当然。自分の時間を労働の対価としてのお金に替えている人が、時間をお金に替えていない専業主婦の時間を一方的に奪うのは、時間のカツアゲであり、つまるところお金をカツアゲしてるのと同じじゃないですか。ベビーシッター料金を払えとはそういうことですよね。 かと言って、専業主婦全員が丁寧な生活をしているとは思えないし、そうしないといけないわけでもない。 まあ、どんな境遇でも、男でも女でも、みんな必死で生きている。その中に人と人のあたたかな繋がりがあれば、救われますよね。
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子育て世代の主婦業はとても大変で、とても苦しいというメッセージが強い。確かにその通りだと思う。自分は大丈夫だと言い聞かせて、少しずつ壊れていく。そんな時にはゆっくり、ゆっくりという言葉はシンプルでとても良い言葉だ。 物語はとても辛かったという印象だが、虎朗に救われた。
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専業主婦ってまだいるのかな?って、思った。 本当に。 わたしは主婦には向いてない。 家事は片手間にほどほどに。 仕事をして社会貢献、お金を稼ぎ、自尊心も満たされて、わたし兼業主婦派。 でも自分が子どもの頃、母とお散歩したこと、よく覚えてる。
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主婦、ワーキングマザー、イケダン。それぞれ立場が違うのに、そのどれもに共感させられる話のうまさ。著者さん、すごいです。みんな孤独で苦しいけど、隣の芝生は青く見えることに騙されて、仲間になって助け合うことを忘れてしまう。時間を置いてもう一度読み直したいです。
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一気読み。 優しい世界だった。Twitterとかで、WM対専業主婦みたいな構造になることがよくあるけど、みんなこんな風に分かり合えたらいいのに。 誰かの作るご飯、ほんとに美味しいよね。
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育児も含めた家事をテーマにした作品。7話とプロローグおよびエピローグからなる。 * * * * * 家事をテーマにした作品はとても多いけれど、そのほとんどは特定の人物や状況にスポットを当てた作品です。 でも本作は、専業主婦や共働きの女性、育休男性にシングル...
育児も含めた家事をテーマにした作品。7話とプロローグおよびエピローグからなる。 * * * * * 家事をテーマにした作品はとても多いけれど、そのほとんどは特定の人物や状況にスポットを当てた作品です。 でも本作は、専業主婦や共働きの女性、育休男性にシングルマザーと、家事に関わるいろいろな境遇の人々の実情を端的に描いています。 さらに、彼らの前に共通して横たわる問題の本質が「孤独」であることまで、きちんと描かれているのもよかったと思いました。 タイトルや文庫版の表紙絵から、軽い作品だと思って手に取ったのですが、読んでみると現代の社会や家庭が抱える問題を浮き彫りにしている秀作であることがわかって、いたく感じ入りました。 朱野さんの作品をもっと読んでみたいと思えるほどの作品でした。
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あの頃はそうだったなぁ…って懐かしいような泣きたいような気持ちでいっぱいになりながら読んだ。 またいつか読み返したい一冊。
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