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対岸の家事 の商品レビュー

4.1

93件のお客様レビュー

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2018/10/20

+++ 家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多...

+++ 家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。 手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。 終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編! +++ こんなに真っ向から家事というものに焦点を当てた小説があっただろうか。専業主婦であれ、働く女性であれ、働く男性であれ、ひとり親であれ、独身者であれ、家事とは、生きていくうえで必ずやらなければならない仕事である。本作では、さまざまな立場や状況で、それぞれに家事に向き合い、愉しんだり、悩んだり、苦しんだりしながらも、それを投げ出せずにいる。そして、自分だけがこんなに大変なのだと、他者を攻めてイライラをぶつけ、悪循環に陥るのである。名前のない仕事とも言われる、日々の暮らしの中のほんとうに細かいあれこれから、人はどうしたって逃れることはできないのである。なので、家事というもののとらえ方を狭めてしまうと、人生の多くの時間を無駄にすることになるような気がする。それぞれが追い詰められている苦しさを、少しだけ体感できたような気持ちでもある。時にはほっぽり出すことも大切なのかもしれないと思わされる一冊でもあった。

Posted byブクログ

2018/10/14

あんたの母親を、俺の母親を、この人がしてきた仕事を、これ以上、馬鹿にするな これは作中に出てくるパパ友(国交省のお役人で育休中の上から目線男)の台詞です。 読む前にこの台詞がどこか書評で引用されていて、なんとなく「専業主婦も頑張ってるし凄いよね」的な主婦持ち上げ話なのかと思って...

あんたの母親を、俺の母親を、この人がしてきた仕事を、これ以上、馬鹿にするな これは作中に出てくるパパ友(国交省のお役人で育休中の上から目線男)の台詞です。 読む前にこの台詞がどこか書評で引用されていて、なんとなく「専業主婦も頑張ってるし凄いよね」的な主婦持ち上げ話なのかと思ってました。 でも思っていたより深く、表層的な主婦讃歌でもなく、主人公の詩穂のバックグラウンドも丁寧に書かれていました。 面白かった。子育てが孤独な無理ゲーにならず、こんな世界になったらいいな。と思えるような作品でした。

Posted byブクログ

2018/09/16

「家事」とは「子育て」とは何かを考えさせてくれる本。 専業主婦である詩穂の視点から鋭く描かれています。 子供がまだ小さい、小学生低学年以下の子供がいる人には切実な話が載っています。 昔は...と思いながら読ませていただきました。それこそ他人事ですが。国の制度の不備というかいたらな...

「家事」とは「子育て」とは何かを考えさせてくれる本。 専業主婦である詩穂の視点から鋭く描かれています。 子供がまだ小さい、小学生低学年以下の子供がいる人には切実な話が載っています。 昔は...と思いながら読ませていただきました。それこそ他人事ですが。国の制度の不備というかいたらない部分も考えさせてくれます。 この本に出てくるような人たちのようになれるには...それが課題かな。 子育て真っ最中の人にこそ届けたい本ですが、そうなる前の人や子育て卒業の人にも、現状を知ってもらうにはお勧めです。 この本を読んだ後に垣谷 美雨さんの「四十歳、未婚出産」を読みました。こちらも併せてお勧めです。

Posted byブクログ