Red の商品レビュー
感想は好き嫌い分かれていますが、私は好きでした。というか塔子の気持ちが共感できる部分が多過ぎて読み終わったあとも涙が止まりませんでした。 妻として母として生きることを選んだのは自分かもしれませんが、それ以前に一人の人間として、大人の女性として大事なものを失ったとき、死んでしまうと...
感想は好き嫌い分かれていますが、私は好きでした。というか塔子の気持ちが共感できる部分が多過ぎて読み終わったあとも涙が止まりませんでした。 妻として母として生きることを選んだのは自分かもしれませんが、それ以前に一人の人間として、大人の女性として大事なものを失ったとき、死んでしまうと思います。 タイミングってなんて残酷なんだと思う 幸せになりたい誰もが願う単純な願いが遠く感じる 様々なことを考えさせられました。 この話を単に気持ち悪い、理解できないと思われる方は、良くも悪くも人間の本質を見てこなかった、ただそれだけの人生だと思います。
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島本理生さんの他の本が読みたかったのだけど、借りられていたのでこちらを、とピックアップした本。 島本理生さんの本はこれが初めてで。 映画化されている作品もあるということですが… ちょっとびっくりするくらい心情の描写がきもちわるい小説でした、私には。 共感ポイントがない。 い...
島本理生さんの他の本が読みたかったのだけど、借りられていたのでこちらを、とピックアップした本。 島本理生さんの本はこれが初めてで。 映画化されている作品もあるということですが… ちょっとびっくりするくらい心情の描写がきもちわるい小説でした、私には。 共感ポイントがない。 いわゆる不倫のお話です。 私はフィクションの中の不倫物語を否定する気持ちは全くありません。むしろ、夢見させてよ、小説の中くらい、派で
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イケメンで高収入、友達のような関係の姑との同居。セックスレス以外は幸せな結婚生活を送っていた妻が昔の恋人と再会し、身体の関係に溺れていく話。 「心のつながりだけでなく、結婚生活において身体の相性やつながりはとても大事」というテーマなのかな、だとしてもあまりにも欲望むきだしの槍田...
イケメンで高収入、友達のような関係の姑との同居。セックスレス以外は幸せな結婚生活を送っていた妻が昔の恋人と再会し、身体の関係に溺れていく話。 「心のつながりだけでなく、結婚生活において身体の相性やつながりはとても大事」というテーマなのかな、だとしてもあまりにも欲望むきだしの槍田はちょっと気持ち悪く感じる。 終始あまり共感出来ず「うーん」と思っていたけど、ラストの海岸で槍田に娘を合わせる場面、娘が槍田をやんわり拒絶する場面がなんだか心に刺さる。
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隣の芝生は青く見えるとはいうけど、 傍から見たら全部揃ってて羨望を集める人だって、 家族や夫婦関係はうまくいってるかどうかなんてわからない。 塔子にとっては姑との関係よりは夫婦生活が最も不満に思い気持ちが離れていった感じだけど、根本的な夫の女に対しての理解の低さに不満を大きく抱え...
隣の芝生は青く見えるとはいうけど、 傍から見たら全部揃ってて羨望を集める人だって、 家族や夫婦関係はうまくいってるかどうかなんてわからない。 塔子にとっては姑との関係よりは夫婦生活が最も不満に思い気持ちが離れていった感じだけど、根本的な夫の女に対しての理解の低さに不満を大きく抱えてるのかなと思った。悪気はないけど鈍感な夫の描写とかいるいるこういう人っていう感じだった。 同じ女として塔子に共感出来る部分もたくさんあったが、途中嫌悪感もあり、なんとなく消化不良な感じだった。 特に鞍田さんに10年ぶりに会ってトイレで犯された時に自分を女として見てくれたと悦ぶ感覚やそこに快感を覚える気持ちは理解不能。 共感した部分が身勝手な欲の正当化に使われた感がある。 とにかく夫婦関係はどんな時も旦那が一番の理解者であり、味方になってくれないと絶対にいい関係でいるのは無理な気がする。特に同居だと。
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Red=情熱の赤、愛、血=生きる、今 『どうしてそんなに悲しい顔するの?』という台詞 最後のベッドシーンでは涙が止まらなかった。 今生きて愛する人と一緒にいれること。 ただそれだけで幸せなこと。 愛することが生きることだった 人生で心から好きと思える人に出会えること自体素...
Red=情熱の赤、愛、血=生きる、今 『どうしてそんなに悲しい顔するの?』という台詞 最後のベッドシーンでは涙が止まらなかった。 今生きて愛する人と一緒にいれること。 ただそれだけで幸せなこと。 愛することが生きることだった 人生で心から好きと思える人に出会えること自体素敵なこと。 私が鞍田の立場で残り少ない時間しかないと分かったら、真っ先に会いに行きたい人がいる。 たった一度の人生で残りの時間を一緒に過ごしたい人。心から愛してる人。会いたい。 鞍田といるときの赤は力強く、鮮やかで濃い赤色。情熱がみてとれる。 旦那といる時の赤は主に赤ワインで表現されているが黒く淀んだ赤。歪んでる。 原作を知っていると、映像化で残念な思いをすることが多々あるが、これは映画で観るのもおすすめできる。
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この本は何年か前に映画化されて、主人公は夏帆だった。 公開当時、NHKあさイチで夏帆がゲスト出演してこの映画について特集されていて、女性が恋愛を通じて心を開放、心が独立していく話・・・なんて紹介されていたから、当時興味を持ったものだった。 結局映画を見に行くことはしなかったけど、...
この本は何年か前に映画化されて、主人公は夏帆だった。 公開当時、NHKあさイチで夏帆がゲスト出演してこの映画について特集されていて、女性が恋愛を通じて心を開放、心が独立していく話・・・なんて紹介されていたから、当時興味を持ったものだった。 結局映画を見に行くことはしなかったけど、この物語への興味があったので、小説を手にとってみた。 しかし、この本、私には無理だった。 無理な理由は色々あるんだけど、まず主人公の塔子が、夫への不満とあてつけのように過去の恋人(鞍田)に会うところ。 塔子の夫への一番の不満は、夫が子育てを同居の義母ありきで考えていることと、結婚前の発言(塔子の父のこと)だ。 私は思ってしまった。「それならなんで結婚したの?結婚前からわかっていたことでしょう?」と。 結局、塔子は自分で選んできたことを棚に上げて、人のせいにしている、と思えてしまった。塔子の成長と心の独立を描くのであれば、塔子が自分の選択を棚に上げて、家族に嘘をついていることを棚に上げて、夫とその両親のせいにするという塔子自身の狡さを、まず第一に見つめ直してほしかった。 夫とその両親が嫌で逃げたいなら、逃げたらいい。でも、塔子にはその覚悟もないようで、心の解放、塔子の独立というのもあまり実感しなかった。 それと、塔子の相手である男二人も無理だった。40すぎの男が、飲み屋のトイレで無理やり…。30代の男が、同僚女性に強引にキス…。それで女が悦んでいるとか思っているの、本当にただの犯罪だからやめてほしい。私はフェミニストではありませんが、気持ち悪いと思いました。 塔子の反応も、男達に恥をかかせないため、男を悦ばせるために、嫌がったり悦んだふりをしているようにしか思えなかった。そんなに男の都合良い態度とらなくて良いのに・・・と思って、この本の性描写は読むのが苦痛だったなぁ。 出張先で一部屋しか取れないとか、出張先に男が押しかけるとか、私の安っぽい想像の範囲内で、逆に驚いた。 子育て中の女性の囚われ感とか、わからないわけではないんだけどね。 でも、完璧な環境ってどこにもなくて、手に入らないものばかりが輝いて見えてしまうとしても、折り合いをつけて生きているのが人間なのではないだろうか。 倫理観に反しているから嫌なのではない。道ならぬ恋だからこそ、そういうもどかしい気持ちって文学になると思う。 でも本作では、塔子が対峙するべき相手(夫)と対峙せず、自分の状況をすべて人のせいにして、嘘ばかりついて、外(自分を性的に満たしてくれる男たち)に逃げているようにしか見えなかった。私は、それが残念だったんだ。
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心理描写が丁寧で分かりやすく、物語に入り込むことが出来た。 性的描写が多いのでちょっとお腹いっぱいにはなったけど。 塔子に隙があるように感じた面があったが、家庭の方に気を張り詰めているから自分を守る余裕がないのかなと思った。 夫や姑と翠の関係は、読んでいてむしゃくしゃするため...
心理描写が丁寧で分かりやすく、物語に入り込むことが出来た。 性的描写が多いのでちょっとお腹いっぱいにはなったけど。 塔子に隙があるように感じた面があったが、家庭の方に気を張り詰めているから自分を守る余裕がないのかなと思った。 夫や姑と翠の関係は、読んでいてむしゃくしゃするため怒りつつそこが一番面白くも感じた。 ラストの鞍田さん、夫との関係は苦い気持ちになったが納得だった。
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島本さんらしい長編小説。 止まることのない物語で一気読みしてしまった。 このような内容の本に出会うと、 自分の現実はどうなるんだろうと 不安になるし世の中こんなもんだと 思って悲しくなったりもする。 本の世界は現実の紙一重だと思う。 どんなものも。
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島本理生さんらしさの詰まった1冊でした。傍から見れば幸せな環境でも、内面ではこんなにも色々な思いを抱えながら生きている塔子。母として、妻として、ひとりの女性として、どの自分を頑張ってきたのか、頑張っていくのか、その葛藤する様子には読んでいて苦しくなることもありましたが、気持ちに折...
島本理生さんらしさの詰まった1冊でした。傍から見れば幸せな環境でも、内面ではこんなにも色々な思いを抱えながら生きている塔子。母として、妻として、ひとりの女性として、どの自分を頑張ってきたのか、頑張っていくのか、その葛藤する様子には読んでいて苦しくなることもありましたが、気持ちに折り合いをつけて生きていかなければならないのは誰しもが避けて通れないことであり、こういう生き方も現実としてあるんだろうなと考えさせられました。
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言葉の表現が豊かだと思いました。 プロに対して変な表現ですが、 日本語が上手。 心理描写が繊細で、ストーリー展開よりも 心の動きを味わう小説かなと思いました。
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