Red の商品レビュー
2020/5/7 理想の家庭だった。 誠実な夫がいて、かわいい娘がいて、義母も助けてくれて でもむかしの男の圧倒的な快楽が、すべてを奪って狂わせていく。 不倫小説ではあるのだけど、読み進めていくたびに、昔の男の方がよっぽど誠実で、モラルの間で苦しむんだけど 夫の「社会システムの...
2020/5/7 理想の家庭だった。 誠実な夫がいて、かわいい娘がいて、義母も助けてくれて でもむかしの男の圧倒的な快楽が、すべてを奪って狂わせていく。 不倫小説ではあるのだけど、読み進めていくたびに、昔の男の方がよっぽど誠実で、モラルの間で苦しむんだけど 夫の「社会システムの中の女/母親」像に苦しめられていると知る。 塔子は正直あやふやな存在だ。 だからすべてを肯定はできない。でも、鞍田との短い夏の夜のような、狂ったように快楽に溺れる その「女としての幸せ」は非常に羨ましいものがある。 女としての社会的な立場か 女としての肉体的な満足感か 社会的、一般的な正解はある。それでも引き寄せられる世界にあがらう事は難しい。 セックスシーン、情事の艶やかさ、湿り気と、熱のある場面がキュンときた。本当にエロティックでした。
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ファーストラヴと同じ手法で最後とまとめるとは文中の「経験と学習」がまだまだ全然できてない作者さんだなぁ。 性描写も一部がリアルなだけで全体が全然想像できない表現力、構成も読みやすいようにシーン展開を割愛しているように見えて実は面倒なところを逃げただけのようにも取れる。 とってつけ...
ファーストラヴと同じ手法で最後とまとめるとは文中の「経験と学習」がまだまだ全然できてない作者さんだなぁ。 性描写も一部がリアルなだけで全体が全然想像できない表現力、構成も読みやすいようにシーン展開を割愛しているように見えて実は面倒なところを逃げただけのようにも取れる。 とってつけたような出張シーン、娘の翠ちゃんの成長後のシーン、ページ数増やせって編集者にでも言われたの?ってくらいどうでもいいシーン。 すべてが甘く、なんで映画化されたかのもわからんw とりあえず、他の作品は知らんが手紙オチはそろそろ卒業してもうちょっと上達しよう。進歩がないのは問題だ。
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半分位までは、子持ち女性の不倫までの過程と心の揺らぎ方を文章にしただけだと思った。 きっと、なんとなくよくある、不倫の話。 しかし終盤にかけて、俯瞰的に読書していた自分が、いつのまにか文章の中にいるような、変な錯覚。 その後のスピードに飲まれてさっくり2日で読んでしまった。 私は...
半分位までは、子持ち女性の不倫までの過程と心の揺らぎ方を文章にしただけだと思った。 きっと、なんとなくよくある、不倫の話。 しかし終盤にかけて、俯瞰的に読書していた自分が、いつのまにか文章の中にいるような、変な錯覚。 その後のスピードに飲まれてさっくり2日で読んでしまった。 私はこのようなストーリーの人生にはならないし、塔子にはならないけど、ふとものすごく近くに塔子が居そうな、そんな感覚になって読み終えました。
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心理描写が丁寧でぐんぐん引き込まれた。 結婚はしていないけど、主人公には共感しまくり。 結婚って難しいんだなぁ。。。
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昨日読み終わった本が気になったので、同じ作者の本を図書館で借りてみました。この人、ドロドロした話が得意なんでしょうか。 外見と全然違う行動をする主人公。どうしてそうなっちゃうの?っていう心の動きが多くて、この作品も共感ポイントが乏しく。官能小説か!?と見間違えるほどの描写(結構長い)があったり、タイトルのREDの意味がわからなかったり(最後に少し大きくなった娘の話が出てきたので、血縁とか血筋ってことか?)とか、やっぱりよくわからなくて。ドロドロして、重たいのが好きな人には良いかと。私は、もう2冊読んだからいいかな。
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ほし2.5!!!!! 直木賞、島清恋愛文学賞受賞作で、書店でやたら目につくところに陳列されてるし周りの友人知人もこぞってインスタに読了!っつってアップしてるから読んでみたけどあんまり刺さらなかった こういうジャンルに慣れてないのもあると思うけど。 自己肯定感が著しく低い主...
ほし2.5!!!!! 直木賞、島清恋愛文学賞受賞作で、書店でやたら目につくところに陳列されてるし周りの友人知人もこぞってインスタに読了!っつってアップしてるから読んでみたけどあんまり刺さらなかった こういうジャンルに慣れてないのもあると思うけど。 自己肯定感が著しく低い主人公に序盤はめちゃくちゃイラついてた。 意思弱すぎん?流されんな、 イラついたらその場で自分の意見をはっきり言えよ (気持ちは分からなくはないけど) 女がど〜とか男がど〜とか時代錯誤も甚だしい。 この中の登場人物全員クセがありすぎて終始心の中でツッコミを入れながら読んでた。 ただ終盤に差し掛かるにつれてそれぞれのキャラクターの人間味がだんだん出てきて苛つきが収まってくる。 鞍田さんも真くんも小鷹さんも、最初の印象最悪なのに最後はちゃんと各キャラクターを好きになった。 育ってきた環境も違うし、対人関係の中で自分を守る為にどういう立ち回り方をしてるのか、何が優先で何を守りたいのかだって違う。 理解されなければ怒りだって虚しさだって湧いてくるし、自分に足りないものを持ってる人に惹かれるのはしょうがないよなあ よくある不倫話みたいな終わり方になったら嫌だなあって思いながら読んでたけど、個人的に割と好みの終わり方だった ちょっと切なくてでもこれが最善だったって思える終わり方。 そして 鞍田さんがかっこよかったーー 優しくてどこまでも自分のことを想ってくれていて、でもちょっと強引なズルさがあるイケオジ超いい。 小鷹さんも最初はなんだこのクソモブイキってんなよって思ってしまったけど主人公にないハッキリした強さがあってすき。 全女の敵、モラハラゴミ夫 a.k.a 真くんは最後の手紙でちょっと見直したよ、プライド高すぎる男と結婚しちゃダメだなって思いました。 自分も割と自己肯定感低い方だと思ってたけど、これ読んである程度自分を認めてあげないとウジウジした態度で周りに不快な思いさせそうだなと思って反省した…。小鷹さんや矢沢ちゃんみたいに芯のある強い人になりたいね。
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年をとり、家庭を持つようになり、「若い頃にはわからなかっただろうなあ」なんていう感想を強烈に持ってしまう本が時々ある。この本もまさにそれだった。 ラストの塔子の選択は、昔だったら理解できずに、「逃げ」「妥協」としか思えなかったはずだけど、若くない今の私は、自分が塔子だったとしてもこれしかない選択だと思ってしまう。 自分の気持ちとか周りからどう思われるかなんていうことを超えて、子供と離れたり、不利益を強要することは考えられないのだ。10年前に子供を産んだ日、今後の人生で今日を超える日はないだろうと思った。今後10年は親としての苦労も増えるだろうが、その気持ちはきっと変わらないはずだ。あと最低7,8年は、絶対死なずに走り抜けなければ、なんてことをいつも考えている。 島本さんの本、そんなに好きじゃないなあと思いつつもなぜか主要作を大体読んでしまっているんだけど、いつもの主人公の性格のめんどくささ、行き場のなさみたいなものが、夫、子供、義母、仕事、というわかりやすい社会の枷をはめたことで、以前より理解・共感しやすくなっているように思う。
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作者がどのようにして物語を終わらせるのかに興味があり、読んだ。 やはり、美しく終わっている。 どんな部分に惹かれるのかが的確に表現されている。
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映画化もされ流行っていたため読んでみた。 なんとも恋のゴンドラから浮気ものを2連続で読んでしまうという謎さ。 塔子は、2歳の可愛い娘と、同居はしているが友達のような姑、そして優しくて稼ぎのいい夫と不自由なく生活している。周りから見れば幸せで、塔子にも不満なんてなかった。…はずだったのだが、10年前の恋人との再会をきっかけに、見失っていた本当の自分が明らかになっていく。 本書はごりごりの不倫小説。しかし何故か感情移入してしまうところもある。 警戒していた小鷹に褒められキスをされると、塔子は気持ちを持って行かれてしまう。けれど、自分が求めると突き放されてしまうときの感情は、状況は違っても女の人なら誰にでも経験があることと思う。辛いよこれは。 〝愛とは見返りの求めない無性の愛、なんて世間では言われているけど、本当は愛し愛されないと上手くいかない。〟そんなことが本書に書かれていた。その通りやと思う。一方的な愛なんかしんどいに決まってる。幸せやと思っていた塔子も、夫が自分の気持ちを分かってくれない、母親がいないと育児もせず自分に頼ってくる、どんどん嫌なところが見えてくると離れた方が良いんやと気づくんやもんな。女はいつになっても女と思われたいし、話を聞いてもらいたいのよ。 結婚した以上不倫は許されへんことやし、元恋人を求めるのはご法度。ただ気持ちの変化や浮気相手との濃密な描写がなんとも引き込まれてしまう。 不倫小説ではあったけど、愛について考えるという点ではとても楽しく読めました。 映画は賛否両論あるが、いつか見よう。
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不倫だけど純愛な気もした。塔子の気持ちは女性ならよく分かると思った。女性は何歳になっても女性として扱われたいんだと思う。
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