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慈雨 の商品レビュー

3.9

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    63

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2017/07/05

ミステリというより、人の生き方に焦点が当てられている。こういう矜持をもった人間が、生きられる世の中であってほしい。こういう作品を好む人が少なくはないのに、なぜ、現実は……。

Posted byブクログ

2017/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

定年後、四国巡礼に出た、元刑事の神場。 そこで16年前と類似の幼女誘拐殺人が発生する。16年前の事件は冤罪だったかもひれないという贖罪のため、夢にも出てくる。 巡礼は誰のためなの? 幼女誘拐殺人事件の犯人は誰なのか? 一向に手がかりがつかめないまま時は過ぎて行く。

Posted byブクログ

2017/06/25

冤罪の可能性のある過去の事件を後悔し四国巡礼をする元刑事が、かつてのそれと酷似する事件が起きたことを知る。 妻とのお遍路の道中、過去を振り返りながら、後輩との電話でのやり取りを通して両方の事件の真相を突き止めていく。 事件は幼女への性的暴行殺人ということもあり、物語全体のトーン...

冤罪の可能性のある過去の事件を後悔し四国巡礼をする元刑事が、かつてのそれと酷似する事件が起きたことを知る。 妻とのお遍路の道中、過去を振り返りながら、後輩との電話でのやり取りを通して両方の事件の真相を突き止めていく。 事件は幼女への性的暴行殺人ということもあり、物語全体のトーンは陰鬱だ。 さらに、余計なことはしゃべらず、苦しいことは自分の腹のなかに収めて地道に生きる主人公はかなり地味。そこに文句のひとつも言わずに笑顔で寄り添う妻は出来すぎで、男性作家が書いているのかと勘違いするほどだった。 現地での取材をしたのか、巡礼の旅の描写はリアルだが、必要以上に細かくてかなり冗長。警察官として人間としての生きざまに感動する以前に、淡々と起伏の乏しい展開にやや退屈してしまった。

Posted byブクログ

2017/06/23

16年前の幼女殺害と酷似した事件が発生。かつて刑事として捜査にあたった神場は、退職した身で現在の事件を追い始める。消せない罪悪感を抱えながら…。元警察官の魂の彷徨を描く。 検事シリーズの印象があるせいかどうしても柚月裕子には期待してしまうけれど、本作はその思いに沿う出来ではなか...

16年前の幼女殺害と酷似した事件が発生。かつて刑事として捜査にあたった神場は、退職した身で現在の事件を追い始める。消せない罪悪感を抱えながら…。元警察官の魂の彷徨を描く。 検事シリーズの印象があるせいかどうしても柚月裕子には期待してしまうけれど、本作はその思いに沿う出来ではなかった。トリックもありきたりだし、90年代のDNA鑑定のミスは「北関東幼女殺人事件」で実際に起きているし、お遍路の説明に枚数を費やし過ぎだし…。 (C)

Posted byブクログ

2017/06/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あっという間に読んだ。最高の作品。柚月さんの代表作になるかも。人間って一生懸命生きようとすればするほど、それぞれ後悔や迷いや罪悪感やいろんな物をしょって生きてるのかな?でも、それが時に仲間に助けられたり家族に支えられる人もいる。登場人物の真面目で真っ直ぐな生き方にいい影響をもらった。

Posted byブクログ

2017/06/01

素晴らしかった。過去の事件で後悔を抱えながら警察を定年退職した神場が、妻と共に歩く四国八十八のお遍路の旅。その道程の描写と共に神場の心の変化、そして実際に今起こっている事件との絡みが秀逸で、目を離せませんでした。何より妻香代子の献身ぶりが見事です。刑事の妻の鑑、いや全ての妻の鑑。...

素晴らしかった。過去の事件で後悔を抱えながら警察を定年退職した神場が、妻と共に歩く四国八十八のお遍路の旅。その道程の描写と共に神場の心の変化、そして実際に今起こっている事件との絡みが秀逸で、目を離せませんでした。何より妻香代子の献身ぶりが見事です。刑事の妻の鑑、いや全ての妻の鑑。見習うべき所が多すぎて、爪の垢を煎じて飲みたい気分です。全ての因縁が解け、彼らの老後が平和で温かいものでありますように。とても面白かった。

Posted byブクログ

2017/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気読みです。上手く言えないけれど背筋がしゃんと伸びるような、一本筋が通った人達の物語。その時その時の状況や立場で正義が変わるのは良くないんだと思う。それは机上の空論だけど。過去の過ちを心に抱き続け、ひたすら人としての道をきちんと歩み続けた神場、彼に寄り添った香代子に頭が下がります。そして幸知の可愛らしいこと。香代子を見続けた結果なのでしょう。冤罪は無くなるべき物。だけど、正しく、その時歩くべき道を、きちんと歩いてきた人達を知れば責める気にはなれない。主要登場人物全員が人としての魅力に溢れた作品でした。

Posted byブクログ

2017/05/28

主人公の後悔が報われそうで良かった。こんな警察官ばかりなら世の中もっといい方向に向かってゆくのだろうな。退職してるのにここまでする人はそうはいないよね。夫婦愛も主人公を支えていたのだろう。素敵な人のまわりには同じような人が自然と集まるのだろうな。お遍路まわりをしてみたくなった。

Posted byブクログ

2017/11/09

定年退職したもと刑事・神場智則が 妻・香代子と四国巡礼の旅をしながら 過去の自分や事件を振り返るという物語。 神場が現役の刑事だった頃、ある幼女殺害事件が発生した。 神場も担当となり、事件は無事に解決されたが、 現場の捜査員しかわからない痛みと悔恨を残していた。 定年を迎えても...

定年退職したもと刑事・神場智則が 妻・香代子と四国巡礼の旅をしながら 過去の自分や事件を振り返るという物語。 神場が現役の刑事だった頃、ある幼女殺害事件が発生した。 神場も担当となり、事件は無事に解決されたが、 現場の捜査員しかわからない痛みと悔恨を残していた。 定年を迎えてもなお神場を苦しめるその悔恨は お遍路の旅に出ても、神場を苦しめている。 そんなとき、あの事件とそっくりな事件が勃発。 退職した身であるが、神場はいてもたってもいられなくなり、 信頼できる部下である緒方から情報を得て 事件解決に手を貸すことにした。 四国巡礼の旅で触れ合う人々の心の痛みや悩みも織り交ぜ 刑事としての苦悩を浮き彫りにしている作品だった。 ネタばれになるので詳しくは書けないが、 社会の悪と戦う刑事はいつも危険と隣合わせである。 せめて自分の家族にだけは 安泰な生活をして欲しいと願う主人公神場だが、 神場の妻香代子は 「私は根っからの刑事の妻、なのよ」と いつまでもついていく決意を曲げない。 職務を全うする刑事がいるなら それを支える家族も、 その仕事を理解する後輩たちもいるのだ。 いつも起こりうる捜査ミスや犯罪者・被害者への心遣いまでも すべて背負う覚悟の後輩・緒方の言葉も胸に響く。 作品のラストの雨は 人の心までもとても優しく慈しむ雨だった。 「雨降って地固まる」という言葉もあるが、 優しい雨でも、確実にこの小説をまとめてくれている。 人が人を裁く社会において やはりこんな気持ちを忘れてはならないと思った。 この作品、ぜひ映画で観たいものだ。

Posted byブクログ

2017/05/09

犯人を追い詰める緊迫感、永年の葛藤を克服することへの覚悟など、終盤に向けてさまざまな感情が交錯した後、しみじみとした余韻を味わえる。

Posted byブクログ