神様のケーキを頬ばるまで の商品レビュー
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97 蓋をしていた汚い感情がすべて露呈した気分。 一度は思ったことがある劣等感とか人に合わせて正解の相槌をすることとか、見たくないものは見ないとことか、どうしようもない才能に嫉妬することとか、ああわかるわかるってなった。 それでも最後は、何かしら乗り越えて希望が持てるエンドでよかった。 それを読んで、わたしもなんか頑張ろうと思った。 20191229 「光る背中」がとにかく好きで、何度も何度も読み返している。イケメン商社マンに恋をして、好きになってもらいたいから偽りの自分をつくって。それでも最後に自分をさらけ出して決着をつけた君はえらい。
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初めて読む作家さん。 神様のケーキ、というタイトルと表紙にひかれ購入。 5つの短編集で、とある雑居ビルに入っているお店や会社に通う人が主人公。 最後の話は、近所に住む女性が主人公だったけど。 印象としては、一筋縄でいかない話が多い。 重い雰囲気もあるので、2回目読み始める時は...
初めて読む作家さん。 神様のケーキ、というタイトルと表紙にひかれ購入。 5つの短編集で、とある雑居ビルに入っているお店や会社に通う人が主人公。 最後の話は、近所に住む女性が主人公だったけど。 印象としては、一筋縄でいかない話が多い。 重い雰囲気もあるので、2回目読み始める時はそれなりの覚悟がいる(笑) でも、最後は希望が持てる終わり方なので、読んで良かったと思う。 シリアスに話が進んだと思ったら、軽い文体もあり、そういうのも魅力的(´∀`*)
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ままならないものに向き合う人々を描いた短編集。解説に、バベルの塔と祈りを連想させるとあったけれど、確かにそうだった。 辛いし逆転ハッピーエンドとはならないけれど、そんな世界にも救いはあるように思う。 2019/5/9
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人と人とが関わるとき、必然的に起こるすれ違いのどうしようもなさに悩みながら、それでも人は一歩一歩成長しながら生きていけるはずやと。
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5つの話からなる短編。 ウツミマコトという画家兼映画監督という伏線と雑居ビル内ではたるく人からなり話。読み進めるペースで自分の評価がだいたい目安になるが、今回は読了まで時間がかかりこの作家さんの作風はあまり合わないのかも。読み終えてからしみじみと味わえる部分もあるように思えたけど...
5つの話からなる短編。 ウツミマコトという画家兼映画監督という伏線と雑居ビル内ではたるく人からなり話。読み進めるペースで自分の評価がだいたい目安になるが、今回は読了まで時間がかかりこの作家さんの作風はあまり合わないのかも。読み終えてからしみじみと味わえる部分もあるように思えたけど、再読するかといえばないだろう。
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錦糸町の雑居ビルとウツミマコト『深海魚』という架空の映画がモチーフに使われている連作短編集。どの短編でも生活が丁寧に描かれているので登場人物たちが、その世界で懸命に真面目に生きていることが伝わってくるので、ままならないことの多い彼、彼女らの姿に胸が痛くなることもある。特に私にはず...
錦糸町の雑居ビルとウツミマコト『深海魚』という架空の映画がモチーフに使われている連作短編集。どの短編でも生活が丁寧に描かれているので登場人物たちが、その世界で懸命に真面目に生きていることが伝わってくるので、ままならないことの多い彼、彼女らの姿に胸が痛くなることもある。特に私にはずっと一緒にやってきたバンドメンバーとの別れを描いた『龍の背中を見送る』と、好きな人を相手に奮闘するOLの『光る背中』、共同経営者と喧嘩別れした『塔は崩れ、食事は止まず』が印象に残った。痛々しいが根底には再生への希望が込められている。五編目の短編にある『私は私を褒めていい。このケーキは、この世の誰よりも正しく、私のものだ。そう思いながら口を動かせばゆっくりと体内へ染み通っていく、天国の甘み。』この最後の文章に短編のテーマが集約されていると感じた。
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かわいい表紙と題名が印象的で手に取った。 雑居ビルを舞台に、どこか苦しくて、 もがいている人々の人間模様がつづられている。 みんながいる境遇は独特なので 全く同じ境遇と言う人は少ないかも知れないけど、 どこか共感できる部分はあるのではないかと思う。 登場人物みんなが、 どう...
かわいい表紙と題名が印象的で手に取った。 雑居ビルを舞台に、どこか苦しくて、 もがいている人々の人間模様がつづられている。 みんながいる境遇は独特なので 全く同じ境遇と言う人は少ないかも知れないけど、 どこか共感できる部分はあるのではないかと思う。 登場人物みんなが、 どうにもならない世界の理不尽さを許し、 付き合っていこうと、生きる姿勢を少しだけ変えるまでのプロセスが、これ以上ないほど丁寧に描かれていく。 (柚木麻子さんの解説より) まさにこの本の魅力をよく表していると思う。
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テナントの入った雑居ビルを舞台にした、悩める人達の人間模様を描いた短編集。 何かしら悩みを抱え自分の居場所を作ろうと必死にもがく彼ら。 次々に試練が課せられ、落ち込んだり投げやりになったりとどうにも地味で冴えない。 羨ましいのは励ましたり話を聴いてくれる味方のいること。 特に「龍を見送る」の傷痕に名前をつけて可愛がってくれる千景さんのエピソードや、「光る背中」の最後まで逃げずに見届けておいで、と助言してくれる女友達のセリフに泣けた。 世の中思い通りにいかないことが多くやるせない。 でも大丈夫。生き方や考え方を少し変えてみれば各々の場所で少しずつでも前に進められる! ご褒美の甘いケーキをみんなが微笑みながら頬張っていますように…各々の未来を祈りたくなる優しい物語だった。 彩瀬さんのラストの描き方は優しい気持ちにさせてくれて好きだ。
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彩瀬さんの作品にハマったので読んでみた。そしたら表題作?が模擬試験の国語の小説で出てきていたもので、びっくりした。その時からずっと読みたかったので偶然巡り会えたことに喜びと感動で胸いっぱいになりながら読んだ。雑居ビルを舞台に、いろんな立場の人間の葛藤を映した作品。非常に私好み。人...
彩瀬さんの作品にハマったので読んでみた。そしたら表題作?が模擬試験の国語の小説で出てきていたもので、びっくりした。その時からずっと読みたかったので偶然巡り会えたことに喜びと感動で胸いっぱいになりながら読んだ。雑居ビルを舞台に、いろんな立場の人間の葛藤を映した作品。非常に私好み。人の傲慢さ、報われなさ、また少しの希望、そういったものを彩瀬さんの文章で彩ってあり、読んだ後はなんとも言えない虚無感と満足感に襲われた。若い人にも大人にも読んで欲しい作品の一つ。また、作品に出てくる深海魚という映画見てみたいと思った。
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ある雑居ビルに関係する5つの短編集。それぞれの話はほぼ直接関係せず、各主人公がたまに顔を出す程度。どれもありふれた日常、どこにでもいそうな、平凡で特別な魅力があるわけでもない人物が主人公で大きな出来事があるわけでもなく、奇跡的な出来事も起らない、ほろ苦さを感じる人生。退屈さも感じ...
ある雑居ビルに関係する5つの短編集。それぞれの話はほぼ直接関係せず、各主人公がたまに顔を出す程度。どれもありふれた日常、どこにでもいそうな、平凡で特別な魅力があるわけでもない人物が主人公で大きな出来事があるわけでもなく、奇跡的な出来事も起らない、ほろ苦さを感じる人生。退屈さも感じるけど、自分の生活を少し振り返ってみようと思わせるものがある。全編通して語られる画家兼映画監督ウツミマコト。映画のほうは私も苦手な感じだけど、絵は見てみたいと思った。
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