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神様のケーキを頬ばるまで の商品レビュー

3.8

89件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

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2017/03/05

錦糸町にある6階建ての雑居ビルで繰り広げられる人間模様。生きることの困難さを正面から受けとめ、前を向いて歩き出す人々を描く五編の短編集。 五人の登場人物の共通する舞台は雑居ビルだけでなく、ウツミマコトなる映画監督作品『深海魚』。レビューサイトでのその評価は平均すると星3つだが、1...

錦糸町にある6階建ての雑居ビルで繰り広げられる人間模様。生きることの困難さを正面から受けとめ、前を向いて歩き出す人々を描く五編の短編集。 五人の登場人物の共通する舞台は雑居ビルだけでなく、ウツミマコトなる映画監督作品『深海魚』。レビューサイトでのその評価は平均すると星3つだが、1と5が圧倒的な、所謂幻想的難解作品。この作品の印象的ワンシーンが登場することで、登場人物たちが現状の捉え方に変化をもたらすところが面白い。また、井伏鱒二の『山椒魚』エピソードもいい。小説や映画や音楽等は、その作者の概念を貰っているんだ。

Posted byブクログ

2017/03/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集なんですね。 全部で5つの短編からなりますが、 1つ1つが長編なみのボリュームを要したかなり厚みのある短編集になっております。 「ウツミマコト」もしくは、 「内海真琴」さんの作品の絵か、 「深海魚」っていう映画が前編に通じてでてきます。 1人の人間の、 1つの作品をみなさんがどうとらえたのか? どう感じたのか? どう影響を受けたのか? 関係ないようであるお話し5つからなる短編集です。 ・泥雪 初めて店を持った。 マッサージのお店です。 殺風景なマッサージ室に絵でも飾ろうと思って画廊に行き、 購入したのがウツミマコトの絵で5000円だった。 彼が初めて描いた絵らしい。 僕が初めて買った絵ってラッセンですな。 2980円くらいだったやつ。 あの、 秋葉原とかで50万くらいで売ってるやつじゃないよ。 確か、 ビックカメラとかでなんか、ふと、買ってしまったんですよね。 青が好きなんで。 「深海魚」は好きになるかな? マッサージもたまに行きます。 年に1回かな。 確かに癒しの場でもあるので、 こういうスタンスでマッサージ店を営んでくださると嬉しいですな。 占い師も癒しな部分があるのでちょっと見習いたいけど、 僕は癒し系の占い師ではないので参考までに。 家に帰れば息子と娘。 旦那とは別れてます。 シングルマザーです。 別れて正解。 そう思う旦那さんですね。 でも、 シングルでマッサージで絶対に大変。 ツキコさんとの想い出があったゆえに、 ウツミマコトさんの絵を購入したのかな? ツキコさんの影を追ってマッサージ師になったのかな? 幸せになって欲しい。 日々の生活に苦しみながらも懸命に生きてる姿がステキに感じられた泥雪。 ・七番目の神様 イタリアンのアリアの店長さんの話。 アリアって聞くとアリア社長を思い出しますな笑 いまだに、 アリアのブックカバーでこの本も読んだもの。 店長は、 わかりやすい爽快感のある映画が好きなんだ。 じゃ、 ウツミマコトの映画は合わないね。 たき火でたまねぎ焼いて喰うの? 美味いの? やってみたいわ。 藤原さん。 きっと僕も合わない。 どっちかっていうと店長派ですね。 でも、 藤原さんと店長ががっつり話したんですよ短距離走の話し。 これ聞いて、 きっと店長とさらにシンクロした。 そんで、 ちょっと踏み込んでみた方がいいんだな僕もって勝手に思った。 それだけでいいんですよ、きっと。 それが必要だったんですよ、僕も。 ・龍を見送る 必要な別れってありますよね。 と、 一言言ってしまえばそれまでで、 もっと、 深刻になることもできるけど、そうじゃない。 他人を認めて、 自分を認めて、受け入れて、新しい一歩が踏み出せるんですよ。 なんでか、 「SEKAI NO OWARI」の「ドラゴンナイト」が流れるんですよねぇ。。。 山椒魚と蛙の話もおもしろい。 つか、 ちゃんと読んでみたいわ。 削除する前の話と後の話の両方を。 50年以上も考えてたんでしょう? 凄いよね。 使い捨ての時代に、 50年も大事にできるって凄いと思うの。 ・光る背中 ウツボ笑 僕はウツボではなく「モグロ」にしました笑 「なんで女の子はみんな、食べ物と、旅行と、職場の変わった人の話が好きなんだろう」 と、 そう思う! つか、 上条さんの海。 海ねぇ。。。 上条さんの言葉はうちの仕事にそのまま使わせていただきます! 嫌われることの意味が書いてある。 きっと、 彩瀬まるさんの作品は嫌っても嫌いってことをちゃんと発言できれば、 本人に嫌われることはないんでしょうね。 と、 買ってに思うことができる。 現在、 彩瀬まるさんの作品で嫌いな作品はない。 つか、 2冊目ですけどね。。。 3冊目に手を出してるところです。 この、 作品論は人間論にそのまま当てはめることできるかな? 嫌われることを恐れないですむよね。 ちょっと、 プロレスを観たくなる作品です。 ついでに、 「深海魚」も観たくなります。 ・塔は崩れ、食事は止まず 泥雪の時にマッサージ師さんですよね。 と、 ホットケーキ? パンケーキ? 神様のケーキ? 作るの難しいよね、意外と。 そんな、 パンケーキ、また食べれるように僕もがんばる! 柚木麻子さんの解説がまた良い。 そう、 他人やラッキーに頼らないの。 と、 祈ってるか? そう思わなかったけど、 そう聞くとそうなのかもって思うよね。 無宗教なのに、 日本人なのに、 祈るんですよね。 そうね、 祈りって宣言とか誓いに近いものね。 おはようとか、 いただきますも、 僕は祈りだって思ってるの。

Posted byブクログ

2017/02/02

初読み作家さん。しみるなぁ・・・、うん。 自分に似た人はいなかったと思うけど、なんていうか、いつか選ばなかった道の先、みたい。今の自分の喜びや辛さと、ステージが違うだけで根本は同じなのかなぁと思う。 音楽を作る朝海の話がけっこうインパクトあった。 骨も残らないほど使い切って死にた...

初読み作家さん。しみるなぁ・・・、うん。 自分に似た人はいなかったと思うけど、なんていうか、いつか選ばなかった道の先、みたい。今の自分の喜びや辛さと、ステージが違うだけで根本は同じなのかなぁと思う。 音楽を作る朝海の話がけっこうインパクトあった。 骨も残らないほど使い切って死にたい、とウツミマコトの映画に共感する朝海。 少なからず自信のある自分の力を、超えて越えていく哲平という才能を、愛しているから直視したくない、でも愛しているから潰したくない。 良くも悪くも一直線な想いが、左から右へ駆け抜けていくようだった。 タイトルに照らし合わせると、どのお話も、辛さや苦さをなめつくしてからやっと、甘美なご褒美を食べられる、という作りなのかな。食べられる一歩手前だから、どう転がるかはわからないけど。

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2017/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近気になっていた作家さんなので読みました。 とある雑居ビルで働く人々の短編集。 綾瀬さんは登場人物の心の揺らぎや、セリフの息遣いが伝わるような文章を書く方ですね。 コミュニケーションで感覚的に捉えている感情がきれいに整理して例えられていて 頭の良い人なんだろうなぁと思いました。 個人的に「塔は崩れ、食事は止まず」が良かった。 大野さんが不眠から徐々に回復する様子は、同じく患ったことのある身からも共感できて 恋に浮かれたシングルマザーの浪江さんも可愛らしかったです。 一貫して登場人物たちが見ている映画の感想もバラバラで面白かった。 柚木さんの解説もわかりやすく、確かにバベルの塔を思わせる作品でした。 近々柚木さんの本も読んでみようと思います。

Posted byブクログ

2016/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連作短編5作。 なんかしんどいなあー痛いなーと。 ちょっと蓋してるところをつついてくるのが上手すぎる。

Posted byブクログ

2016/11/23

雑居ビルを舞台にした五編の連作短編。 生活や恋に当たり前に悩む人々の苦悩と、前を向く過程が描かれている。 何かに向き合う時の覚悟と気の重さ、成し遂げた時の達成感。わりと近くに自分の味方がいる気がしてくるやさしい小説。 「七番目の神様」がすき。

Posted byブクログ

2016/11/13

少し自分には合わなかった感じ。あまり情景が浮かんで来ず、最後まで波に乗れなかった。体調不良だったからかも。 あらすじ(背表紙より) ありふれた雑居ビルで繰り広げられるいくつもの人間模様。シングルマザーのマッサージ師が踏み出す一歩、喘息持ちのカフェバー店長の恋、理想の男から逃れられ...

少し自分には合わなかった感じ。あまり情景が浮かんで来ず、最後まで波に乗れなかった。体調不良だったからかも。 あらすじ(背表紙より) ありふれた雑居ビルで繰り広げられるいくつもの人間模様。シングルマザーのマッサージ師が踏み出す一歩、喘息持ちのカフェバー店長の恋、理想の男から逃れられないOLの決意…。思うようにいかないことばかりだけれど、かすかな光を求めてまた立ち上がる。もがき、傷つき、それでも前を向く人々の切実な思いが胸を震わせる、明日に向かうための五編の短編集。

Posted byブクログ

2016/11/20

主人公たちが今日を生きのびていく様が書かれた連作短編集。どの話も読後感は良いけれど、印象に残りにくい。

Posted byブクログ

2016/11/13

はじめましての作家さん。ひとつのテナントに入る店の人達の人生の一片。どうしようもない人生の理不尽さや、やるせなさをなぞりながら、淡い光を探り当てるように前へと進んでいく短編集。一話目の逃げ道が塞がれたような閉塞感が凄く息苦しかったのですが、二話でふっと救われた気分になり、三話でじ...

はじめましての作家さん。ひとつのテナントに入る店の人達の人生の一片。どうしようもない人生の理不尽さや、やるせなさをなぞりながら、淡い光を探り当てるように前へと進んでいく短編集。一話目の逃げ道が塞がれたような閉塞感が凄く息苦しかったのですが、二話でふっと救われた気分になり、三話でじわじわと胸が痺れた。タイトルになったのだろう最終話は特にお気に入りになりました。

Posted byブクログ

2016/11/11

初めて読む作家さん。タイトルと表紙のに惹かれて。 すごく引き込まれて久しぶりに時間を惜しんで読み、でも読み終わってしまうのが勿体無いと思わせてくれる一冊だった。 雑居ビルで繰り広げられるいくつもの人間模様ー 挫折を味わったことがある人が特に共感できるのかも、、と思った。 ところど...

初めて読む作家さん。タイトルと表紙のに惹かれて。 すごく引き込まれて久しぶりに時間を惜しんで読み、でも読み終わってしまうのが勿体無いと思わせてくれる一冊だった。 雑居ビルで繰り広げられるいくつもの人間模様ー 挫折を味わったことがある人が特に共感できるのかも、、と思った。 ところどころ身につまされ、胸が苦しくなるところもありつつ、5作品とも後味良く終わるところが良い。 全て良かったけど、特に最後の物語が好きだなぁ。題名の意味と繋がりスッキリ、ほっこり。私も頑張ろうと思える、大切な一冊になった。 また読み返すだろうな。 それにしても若い作家さんらしいけど文体、表現が素晴らしい。他の著書も読んでみたい。

Posted byブクログ