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彼女の家計簿 の商品レビュー

3.8

98件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2022/11/09

出てくる男性が、みんな、ため息が出ちゃうような情けなさ。独りよがり。自己中心。その分、女性たちは生きていくのに一生懸命で、お互いに手を取り合おうとしてる。 とはいえ、女性の生きづらさは、男性の生きづらさでもあるんだなあとも思いながら読んだ。加寿さんの夫だって、「男は、夫は、こうあ...

出てくる男性が、みんな、ため息が出ちゃうような情けなさ。独りよがり。自己中心。その分、女性たちは生きていくのに一生懸命で、お互いに手を取り合おうとしてる。 とはいえ、女性の生きづらさは、男性の生きづらさでもあるんだなあとも思いながら読んだ。加寿さんの夫だって、「男は、夫は、こうあらねば」という刷り込みがなければ、もっと楽になれたろうに。 最近どうしてもシスターフッドな物語を読むことが多くて、それはそれで、元気が出て好きなのだけれど、性別を超えた連帯の物語も読みたいな、と思ったりもする。おすすめはありますか?

Posted byブクログ

2022/10/17

面白かった。加寿さんの人柄に吸い込まれ、里里さんの状況に声援を送り、晴美さんに何か影を感じ、読み進める。時代が変わっても変わらぬものがあるんだなぁと改めて感じ、ちょっとだけ勇気をもらう。

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2022/10/16

里里と晴美それぞれを主にした場面が交互に入れ替わる間に加寿の家計簿兼日記が挟み込まれるユニークな構成。 何かを抱えて懸命に生きている女性たちに寄り添う、まさに作中のNPO「夕顔ネット」のよう。救いのあるお話だった。

Posted byブクログ

2022/10/02

家計簿から人生を覗き見る。お金の流れというより、生活記録。日記って感じ。 この円安、物価高が続く世で家計簿という名に惹きつけられたが、生活のヒントは残念ながら得られなかった。読みやすく、途中までは読んでて楽しかったが、伏線の回収弱く、母の冷たさの理由が分からなかった。他にも言い...

家計簿から人生を覗き見る。お金の流れというより、生活記録。日記って感じ。 この円安、物価高が続く世で家計簿という名に惹きつけられたが、生活のヒントは残念ながら得られなかった。読みやすく、途中までは読んでて楽しかったが、伏線の回収弱く、母の冷たさの理由が分からなかった。他にも言いたいことはたくさんあるが、読んだ後の充実感は得られなかった。 女性が慎ましく強く生きている姿は憧れる。私も簡素ながらも自分の芯を強く持って生きていきたい。人に優しくありたい。 家族も大切にしよう。

Posted byブクログ

2022/09/15

いつか二度と会えなくなってしまうこともある。悔いのないように、わが子との時間はたくさん愛情と優しさをもち有意義に過ごしたいと改めて思えた。女性も様々な事情や家庭、生活があり、みんな毎日必死に生きている。私も毎日必死に生きる。

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2022/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シングルマザー女性(里里)は、母から優しい言葉をかけらもらった覚えがない。親子の縁を断絶し、一人で娘を育てている。幸い、自分は娘を心から愛することができ、日々、慈しんで育てている。 あるとき、母(朋子)から事務的な文面の手紙と共に、戦時中のある女性の家計簿が送られてきた。読んでみるとどうやら、自分の祖母(加寿)の家計簿のようだ。 古い家計簿を見つけたのは、加寿の家を譲り受け、訳あり女性たちを支援する活動をしているNPO法人の代表、晴美。晴美自身も、過去の恋愛でトンデモナイ経験をしており、誰にも言えない想いを抱えながら活動をしている。 この小説では、戦時中に一生懸命に生きながら、いくつものことをあきらめなければならなかった女性「加寿」の物語、理由もわからないまま母に捨てられたと思って育ち、娘に愛情を注げなかった女性「朋子」の物語、親の愛情を知らないながらも一生懸命に今を生きる女性「里里」の物語、加寿の想いを受け継いだNPO法人の代表であり、家計簿を発見したことで里里に寄り添うことになり、同時に自分も再生していく「晴美」の物語が同時に進んでいく。 大きなテーマは女性の自立、だろうか。 加寿は戦時中に、代用教員として小学校で勤めていたが、その当時は子育てをしながら働くことは一般的ではなかった。それどころか、姑に嫌味を言われ、夫に頭を下げながら働かなければならなかった。 現代でも多くの女性が、自立して生きることに困難を抱えている。私も出産後、舅に「いつまで働くのか、子どもがかわいそうだ」というようなことを言われた経験がある。令和の現代でさえ!そうなのだ。ましてや戦時中、産休・育休の制度もない中、小学校の教員の仕事にやりがいを感じ、続けたい、と願った加寿は、そう願うこと自体が「悪」とされてしまい、様々な壁が立ちはだかった。 そんな中で起こってしまった悲劇。 晴美の別の物語をはさみながら、だんだんと真実に近付いていく構成になっていて、読み応えがありました。 晴美の過去はちょっと、安っぽいドラマみたいな感じだったけど。 私も日記をつけているけど、子どもや孫に見せられるような字じゃないので、死ぬ前に処分しなきゃ。または来年からはもうちょっとキレイに書かなきゃ。

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2022/08/28

意外にも、出てくるのは戦中戦後の家計簿だった。 登場人物は現代だけど。 シングルマザーの里里、NPO代表の晴美、元AV女優のみずき、そして家計簿を書いていた加寿、それぞれみんな真面目で魅力的、そしてけなげで少しだけ寂しい。 対して出てくる男性、加寿の夫も晴美の元カレも、相当しょー...

意外にも、出てくるのは戦中戦後の家計簿だった。 登場人物は現代だけど。 シングルマザーの里里、NPO代表の晴美、元AV女優のみずき、そして家計簿を書いていた加寿、それぞれみんな真面目で魅力的、そしてけなげで少しだけ寂しい。 対して出てくる男性、加寿の夫も晴美の元カレも、相当しょーもないね。

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2022/08/28

シングルマザーとして一人で娘を育てている里里のところに、祖母のものと思われる家計簿が届く。収支だけでなく、メモ欄に細々と書かれた短い文章が、戦争前後の時代の若い主婦の暮らしを生き生きと浮かび上がらせる。 自分への愛情が全く感じられない母。その原因は、幼い頃、男と駆け落ちしたと言わ...

シングルマザーとして一人で娘を育てている里里のところに、祖母のものと思われる家計簿が届く。収支だけでなく、メモ欄に細々と書かれた短い文章が、戦争前後の時代の若い主婦の暮らしを生き生きと浮かび上がらせる。 自分への愛情が全く感じられない母。その原因は、幼い頃、男と駆け落ちしたと言われているこの祖母のせいなのか。 女性の自立を助けるボランティア団体を主催する女性との関わりによって、女性が働くことについても考えさせられる。現代でもそうなのに、まして祖母の時代はどうだったのか。夫が出征した後、教師として働き始めた祖母が気づいた自分の本当にしたいことに強く共感。 最後に母との和解の予感があり、三世代の女性の生き方がつながる良い物語だった。

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2022/08/21

最初は、ただ、私の節約モチベをあげてくれるかなぁと、何の気なしに手に取っただけでした。 最初の一文で吸い込まれてしまって一瞬で読了。 女性三世代に渡る、壮大なストーリー。 家計簿(と、言うよりは感情日誌でした)私も しっかり細かく付けて、私が生きた証を、生きる意味を、今この瞬間を...

最初は、ただ、私の節約モチベをあげてくれるかなぁと、何の気なしに手に取っただけでした。 最初の一文で吸い込まれてしまって一瞬で読了。 女性三世代に渡る、壮大なストーリー。 家計簿(と、言うよりは感情日誌でした)私も しっかり細かく付けて、私が生きた証を、生きる意味を、今この瞬間を、ちゃんと残しておきたいと。 改めて思いました。 自分がブレなければ、何にも傷付けられることはないと最近分かったことです。 悲しい言葉を伝えてくる人に、哀れむ余裕すら生まれてます。 自分の余白は自分で作るしかないのです。 それにしても里里はどこまでも私の理想の女性像でした。 こんな風に、どんな状況下になったとしても、 凛として生きられるように、今日も私を形成しておこう。 あ、あと元AV女優のみずきの存在もすごくよかった。 こんな子も存在してるからこそ、人生は面白い。

Posted byブクログ

2022/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一見何の悩みもないように見える人でも、実は人に言えない過去を抱えて生きていることをはっと思い出させられた本。 妻子ある人を好きになってしまうこと、結婚を打算的に考えてしまうこと、子どもを産まない選択をした人が感じる後悔、ボヴァリズム(この小説を読んで初めて知った)、女性は家を守るべしと言われた時代で仕事に生き甲斐を感じることへの葛藤、過去の人が思い出の中で美化されること、、、女性のいろんな感情をこの作者はよくわかっているし、全部受け入れて描いてくれていることがすごく気持ちよかった。 晴美が言った、 「人って一度の過ちですべてを判断されるもの?一度失敗したら終わりなの?どんなに努力しても許されないの?(そんなことないでしょ)」 の一言に励まされた気がした。 そういえば昔の上司が、悩んだ時に本は心に寄り添ってくれる、だから俺は本を読む、と読書を薦めてくれたことがあったっけ。 悩みには「〇〇を解決する方法!」みたいな啓発本を買いたくなりがちだけど、小説で登場人物の成長を見て元気をもらうことが結構あるなって自分への気付きもあった。

Posted byブクログ