彼女の家計簿 の商品レビュー
「家計簿を見るという作業は、究極ののぞき見なのかもしれない」 シングルマザーの里里と、女性を支援する団体を運営する晴美。どちらも心に傷を負って生きてきた。そんな二人をある女性の綴った家計簿が結びつけ、隠されていた過去が紐解かれてゆく。少しミステリめいたストーリー展開に親子三世代...
「家計簿を見るという作業は、究極ののぞき見なのかもしれない」 シングルマザーの里里と、女性を支援する団体を運営する晴美。どちらも心に傷を負って生きてきた。そんな二人をある女性の綴った家計簿が結びつけ、隠されていた過去が紐解かれてゆく。少しミステリめいたストーリー展開に親子三世代にわたる女性の生き方が映し出され、厳しくも日々の力になるような物語でした。一人の女性の生き様が人の人生をそっと後押しする素敵な魔法の力になるんですね。 以前読んだ三人屋シリーズとは全く異なる雰囲気の今作、とても良かったです。
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晴美が送った家計簿をきっかけに凍結していた人間関係が解凍していく。 ここに出てくる女性達は逞しくそれぞれの過去が語られるとその世代の価値観が理解でき自立した女性達に声援を送りたくなりました。それに比べ男達は頼りなさげに見えてしまいました。 朋子が晴美から送られてきた家計簿を娘の里...
晴美が送った家計簿をきっかけに凍結していた人間関係が解凍していく。 ここに出てくる女性達は逞しくそれぞれの過去が語られるとその世代の価値観が理解でき自立した女性達に声援を送りたくなりました。それに比べ男達は頼りなさげに見えてしまいました。 朋子が晴美から送られてきた家計簿を娘の里里に丸投げして目を背けてしまい何も語らないあたりとか、感情表現の不器用なところとか。朋子は終戦直後の昭和23年5月21日生まれだし時代背景や生立ちからそんな感じなのかな。娘の里里は40位いってるのかな? それぞれの世代の女性の生き方。 祖母の加寿さんは70年くらい進んだ生き方だったようで孫の代では共感できる価値観なんだな。
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どんな展開があるのかと楽しんで読めた 過去と今との繋がりが、凄く上手に描かれていた 読み終わった後に、優しい気持ちになれた
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Audible 里里(シングルマザー)、加寿(里里の祖母、家計簿の持ち主)、晴美(加寿の寄付した財産で運営するNPOの代表)の3人の人生が加寿の家計簿によってつながり、紐解かれていく。社会の逆境や理不尽にも打ちのめされず強く直向きに生きる女性たちの話。 みっともないことに厳し...
Audible 里里(シングルマザー)、加寿(里里の祖母、家計簿の持ち主)、晴美(加寿の寄付した財産で運営するNPOの代表)の3人の人生が加寿の家計簿によってつながり、紐解かれていく。社会の逆境や理不尽にも打ちのめされず強く直向きに生きる女性たちの話。 みっともないことに厳しく、娘に愛を示さない、里里のお母さんの気持ちだけは最後まであまりわからなかった。
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相性もあるのかな。途中で断念。入ってこない。 2023.10.1積読 ようやく最後まで。家計簿を通して恩人の、祖母の過去を知る物語。
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なにか大きな出来事が起こるわけではないけど、飽きずに、様々な人生を感じ考えられる作品。 また読み返したい。 読書初心者の私でも読みやすかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ワクワクでもなく、早く続きを、、というわけでもなく、なぜかザワザワする本だった。心震わす感動作と紹介されてたけどそうは思わなかった。 現代の話の主体である里里、晴美については過去の話から最後前向きになるまでしっかり読み取れたが、 それ以上にこれから朋子はどう生きていくのか それが気になる。なんなら一番の被害者では? 固く閉ざした心は今後変化があるのだろうか。 里里と啓ちゃんと笑い合える日がくるといいな 娘に会えないまま生涯を終えた加寿さんも不憫でならない。 そしてこの本に登場する男は全く役立たず。 (作中にもあったが)戦前戦後の「夫」はこれが普通なのか。 現代の永田、PC教室の講師、講師の上司には本当に呆れる。 、、とはいえ私は☆5をつけた。 なぜかって、だいたい私は1冊の本を読み終えるとストンと腑に落ちるような作品を敢えて選んできた。 物語は映画のように起承転結がハッキリしている方がわかりやすくて面白いといつからか思っていたから。 小説は2時間映画では表現しきれなかった感情を肉付けしてくれるのが好きで読んでいる。 だからこの本は私の選択ミスではあったんだけど、久々にザワザワしたりイライラしたりこの人はこれからどうなるの?と心配したり、良くも悪くも感情の行き場がないまま終わってしまった。 そういった意味では非常に惹かれて読み進めていたし、どうか幸せであってほしいと願いながら登場人物に想いを馳せた。 女性は何事も隠すのが上手、生きていくために柔軟で、強い。 共通点を探し共感し横のつながりを作っていく。 私もしなやかに生きていきたいと思った。 娘にいつか会えなくなるその時まで。
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タイトルから身近な話かと思いきや、ミステリアスでぐいぐい引き込まれた。だれかが言っていた「親の人生は、映画を途中から観るようなもの」という言葉を思い出した。原田ひ香さんの作品は、綿密で共感でき、うつむいていた顔を上げたくなるような読後感がある。
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戦争中から、三世代のそれぞれの時代の女性たち。 母として、妻として、娘として、 生きていく中で、色々な経験をしながら、 たくましく生きていく姿に感動! 家計簿を巡ってのミステリー小説としても楽しめた。
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「三千円の使い方」の続編的なものかと思いきや。 書店のブックカバーを付けたまま友人から「読み終えたから」と押し頂いたため、 先入観もあらすじさえも知らず読み始めた。 途中、文中に出てくる「私」が里里なのか晴美なのかわからなくなる。 ミステリー的な要素があったり、戦時中の一般...
「三千円の使い方」の続編的なものかと思いきや。 書店のブックカバーを付けたまま友人から「読み終えたから」と押し頂いたため、 先入観もあらすじさえも知らず読み始めた。 途中、文中に出てくる「私」が里里なのか晴美なのかわからなくなる。 ミステリー的な要素があったり、戦時中の一般家庭の台所事情だったり、 AV女優の引退後のリアルがあったり、とにかくいろんな要素がつまっているが どのエピソードも中途半端で、え?え?という間に終わってしまうという・・ ただ、個人的に非常に気になったのが、里里の母、朋子の来し方だ。 里里が言い放つ「みっともない。それがあなたの絶対的な価値観ですよね」という 言葉がちょっとだけ突き刺さる。 家でだらしないかっこうをしているのは見たことがない、寝室を決してみせない、 初孫にさえ触れることもあやすこともなく、ただ「みっともない」概念を 教えようとする朋子。 ここまでではないが、自分にもその100分の1ほどの片鱗があるように思え どちらかというと共感を覚えた。 印象に残ったのはそれだけ。
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