彼女の家計簿 の商品レビュー
戦前につけられていた古い家計簿が疎遠の母よりシングルマザーの主人公に届く。 家計簿に記された日記より親子三世代の過去が紡ぎ出される。 女性の独立が焦点の物語。 過去は変えられないが目を背けたくなるような過去と向き合って未来が明るくなりますように。
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勝手にやりくりの指南書みたいな感じの内容を想像してたけど全然違った〜 家計簿って言うより、日記かな。 希薄な母娘関係の朋子と里里。 ある時母から、祖母の物と思われる家計簿をNPO団体が保管してくれている事を知らされる。 祖母、母、娘、それぞれの時代背景と女性の立場、それぞれの選ん...
勝手にやりくりの指南書みたいな感じの内容を想像してたけど全然違った〜 家計簿って言うより、日記かな。 希薄な母娘関係の朋子と里里。 ある時母から、祖母の物と思われる家計簿をNPO団体が保管してくれている事を知らされる。 祖母、母、娘、それぞれの時代背景と女性の立場、それぞれの選んだ生き方を描いた作品だった。 思っていたより内容は重めだったけど、ひ香さんだからそこはさりげなく、とても読みやすかった。 なんとなくミステリーっぽさもあって面白かったな! それにしてもここに出てくる男の人、みんな最低〜笑 そしてとりつく島もないほど、つっけんどうな朋子。 なかなか厄介な人が多かったな〜笑 今と昔では女性の社会での立場も変わってきてるけど、シングルマザーとかが働きやすい環境が、もう少し整うといいのにな〜と思う。
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ある人が生前につけていた家計簿が、祖母、母、孫の関係を修復していく家族の物語でもあり、この家計簿を見つけた人との横のつながりも広がっていく。 誰しも心に誰にも言えない苦しみを抱えていて、この家計簿の存在が人々を救っていくような。 もちろん、きれいごとばかりではないけれど、この家計...
ある人が生前につけていた家計簿が、祖母、母、孫の関係を修復していく家族の物語でもあり、この家計簿を見つけた人との横のつながりも広がっていく。 誰しも心に誰にも言えない苦しみを抱えていて、この家計簿の存在が人々を救っていくような。 もちろん、きれいごとばかりではないけれど、この家計簿を通じて、人と人とが結びつけいく再生の物語であり、ある家族の女三代の物語でした。 単行本が出た時に入り込めず後悔していたけれど、文庫本が入手できてこうして読むことができて、本当に良かった。
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家計簿が、こんなに時代をまざまざと感じさせる記録だとは思わなかった。 確かに、一般家庭の家計簿は、その時代の食べ物や日用品、物価、贅沢品など、人々の暮らしや時代背景を映すものである、ということは頭では理解できる。 しかし、現代(令和5年現在)に生きる私達にとって、戦後の生活は到底...
家計簿が、こんなに時代をまざまざと感じさせる記録だとは思わなかった。 確かに、一般家庭の家計簿は、その時代の食べ物や日用品、物価、贅沢品など、人々の暮らしや時代背景を映すものである、ということは頭では理解できる。 しかし、現代(令和5年現在)に生きる私達にとって、戦後の生活は到底想像できるものではない。それを、家計簿を通して感じられるとは、本当に貴重な記録だと改めて感じさせる。 そしてこのお話では、家計簿に併記されている簡単な日記的な記録により、自身のルーツや先祖・家族の生活、行動などを紐解くことになり、そういう意味でも記録としてとても貴重な存在であることを再認識させられた。 とはいえ、キャッシュレスが主流となりつつある現代において、このような記録としての家計簿をつけるのは至難の技であり、手帳や日記でさえもアプリなどデジタル化してしまっているのは、なんだか寂しさを感じると共に、先祖も含めた家族や人とのつながりも希薄になってしまうのだろうかと、将来を危惧してしまうのは、私だけだろうか。 私は比較的アナログ派なので、懲りずにこれからも、手帳にコツコツと日々の出来事や感じたこと、考えたことを書き記していこうと思う。
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06月-03。3.0点。 シングルマザーの主人公、母親とも絶縁状態。その母親から、突然祖母がつけていた家計簿が送られてきて。。。 シングルマザーや、風俗嬢たちの支援をするNPOとも関係が出来る。短めの小説だが、心温まる。
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彼女の家計簿、題名から想像するストーリーとはだいぶ違った話だった。それぞれ立場の違う3人の女性を巡るお話し。面白かった
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トモコはなんであそこまでかたくなになったんだろう?カズさんもリリも柔軟なよく働く素敵な女性だった。母が子供の頃居なくなったからといって、小さな子供の手を繋ぐのも夫が子供を抱き上げて褒めるのも、みっともないなんて思って言ってしまうような、かたよった人になるだろうか。 カズさんが素敵...
トモコはなんであそこまでかたくなになったんだろう?カズさんもリリも柔軟なよく働く素敵な女性だった。母が子供の頃居なくなったからといって、小さな子供の手を繋ぐのも夫が子供を抱き上げて褒めるのも、みっともないなんて思って言ってしまうような、かたよった人になるだろうか。 カズさんが素敵。
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Audibleで読了。 カズさんの夫にイライラ。 そしてそんな夫に絶対服従のカズさんにもなんだか煮えきらない思いを抱いてしまった。 (まぁ昭和のオトコなんてみんなそんな感じでしたね) 令和の今、男性も女性も個として自立し、好きな道を選択できるのがあたりまえになりますよう!
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【長文ネタバレ気味】 シングルマザーの里里(りり)の元に、疎遠にしている母から、加寿という女性の家計簿が届く。家計簿の内容以外の覚え書きなどを読むうちに加寿の人となりがわかりどんな人だったのか気になってくる。でもこの導入部分が難しかった。最初に母に家計簿を送ってきたNPOの代表・晴美や、この団体に関わる女性たちの話もいくつかあって、どれがこの話の主題なのかちょっと迷う。団体では人が結構出てフルネームが出る人も多く、覚えられなくて何度か前に戻って読んだのに、結局この辺はあまりメインではなかったという。 主人公はシンママの里里(細かいことを言うと母や祖母の年齢から今の若いママよりは年齢が上なので、この表現を使うほどイマドキじゃない)。そしてタイトルにあるから主題は家計簿なんだと気がついて、そしたらどんどん読み進められた。家計簿の主、加寿さんの話は昭和20年前後、戦前戦後のことだからか、なんとなく手塚治虫風のキャラクターが頭の中で動きましたよ。そういうの多いな自分。 (では以下手塚キャラで)国民小学校教員の加寿さん。戦争から帰ってきたもののなかなか仕事が見つからない夫。何も言わない義母。娘が生まれてもなかなか世話ができず、夫や義母にも任せ辛く(文句は言われる)、それでも仕事を続けたいと思う加寿さんだが。 校長。教頭。学年主任。二枚目同僚。幼い生徒たち。ここだけでも登場人物すごく多いよ。戦後のあれこれで職場に恵まれているのは幸い。書いてないけどいろいろあったのかもしれないけど。 話はあちこち飛んで里里のことや晴美のこと、NPOのことなども出てくるが、やはりテーマは「彼女の家計簿」でした。読み終わって、ああすっきり解決ーーーと思ったら、解説には導入で複雑だと思ってたことや登場人物の名前などざっくりと書いてありました。解説はできるだけ読まないようにしてるけど、今回は読めばよかった。解説者「導入が上手い」「引き込まれてしまう」ですって。あれれ。これは私があまり興味を持って読み始められなかったってことですかね。まぁいいや。どうもありがとう解説の人。 テーマは家計簿というか、加寿さんと、里里さん晴美さん周辺の話も含めて、女性と仕事といったことでしょうか。帯には三世代の女性たちとあるけど、彼女たちには四世代目もすでにいる。里里さんの娘・啓ちゃんにも、いつか初代の思いが伝わるといいね。 ちゃんと読まないとよくわからないネタバレでした。つまりぜひ読んでほしいですという感想文。
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家計簿から1人の女性の心情を読み解いていく話。 作中に戦時中のことが出てきて、ちょっと当時のことについて知れた。 家計簿の名称がいくつか出てきたが、同じ著者の『三千円の使いかた』にもその家計簿の話が出てきたりして、著者はそういったことが好きなのだろう。話の内容は被っておらず。 い...
家計簿から1人の女性の心情を読み解いていく話。 作中に戦時中のことが出てきて、ちょっと当時のことについて知れた。 家計簿の名称がいくつか出てきたが、同じ著者の『三千円の使いかた』にもその家計簿の話が出てきたりして、著者はそういったことが好きなのだろう。話の内容は被っておらず。 いろんな女性が出てきていた。
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