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何者 の商品レビュー

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1338件のお客様レビュー

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2024/08/27

就活は自分自身と向き合う時間だ。 これほどしんどいことはない。 なぜだろう。 自分に自信がないから? 自分の嫌なところばかり気になるから? 逆に好きなところがわからない? 結局、周りからどう見られているかが気になる だけなのか? SNSという場所は、自分を隠す場所なのか、 さらけ...

就活は自分自身と向き合う時間だ。 これほどしんどいことはない。 なぜだろう。 自分に自信がないから? 自分の嫌なところばかり気になるから? 逆に好きなところがわからない? 結局、周りからどう見られているかが気になる だけなのか? SNSという場所は、自分を隠す場所なのか、 さらけ出す場所なのか、別の自分を生きる場所なのか。 私は何者なのか? 50半ばになってもわからないかも!

Posted byブクログ

2024/08/25

就活対策として定期的に集う就活生たちを描く青春群像劇。『六人の嘘つきな大学生』に続き、就活のお話。私自身が人生の中でほとんど経験してこなかった就活というものについて、考えさせられる作品だった。 主人公の二宮拓人は俯瞰して物事を見る癖があるドライな性格の大学生。 同居人の神谷光太...

就活対策として定期的に集う就活生たちを描く青春群像劇。『六人の嘘つきな大学生』に続き、就活のお話。私自身が人生の中でほとんど経験してこなかった就活というものについて、考えさせられる作品だった。 主人公の二宮拓人は俯瞰して物事を見る癖があるドライな性格の大学生。 同居人の神谷光太郎や同クラスの田名部瑞月に対して、どこか仄暗い感情を持っているように見える拓人だが、彼の視点から語られる就活対策メンバーの姿はどれも解像度が高く、「あ〜、こういう人いるよね」と思わず頷いてしまうものだった。しかし、この読者を巻き込んで一種の同調のような感情を抱かせる一人称視点は、後半のあるシーンで一気に読者の首を締め付けてくる。 試験に落ち続けて誰かに拒絶させる苦しみと、たいした者ではない自分をたいしたもののように話し続けなければいけないこと。拓人の語る就活の苦しさには、いまのネット社会を連想せずにはいられない。 インターネットの中であれば、どれだけ惨めな生活を送っていても虚勢を張ることができる。それが徐々に本当の自分を隠してしまうことで、いつしか現実の自分が嫌いになり、行動も消極的になっていくことを私は知っている。 かつてツイ廃だった私は二年前にSNS断ち(主にTwitterとInstagram)をしたのだが、その行動は正しかったようにしみじみと感じる反面、それらを上手く使いこなせなかったという悲しい想いもずっと心の中にある。 私たちはインターネットという世界へ、仮面を被って潜っている。改めてそれを実感させられ、現実の自分を見つめ直すきっかけになる作品だった。 三浦大輔氏による解説も本編に見劣りしないほど面白い。まさに愉快という言葉がふさわしく、この作品の魅力がよりくっきりと輪郭を現すような表現は一見の価値あり。

Posted byブクログ

2024/08/24

就活のあの痛々しさと、それを嘲笑する目線すら包括して描いている。 朝井リョウが描く“観察者”特有の言葉の飲み込み方が意地悪で人間臭くてゾクゾクしちゃう。 最低で最高などんでん返しが良いね。映画版も見てるが、文章の方が破壊力出る。

Posted byブクログ

2024/08/21

友人にも本当の姿を見せない(見せられない)若者たち。なのかな。 物語を通してSNSというツールについて改めて考えさせられる作品であったと思う。

Posted byブクログ

2024/08/18

就活って、企業に見せる表の面には綺麗で見栄えの良いものばかりを揃えるのだけど、その分裏面はものすごく醜くなっちゃう。 いつも以上に他人が気になって、自分への慰めも兼ねて人のことを見下してしまう、就活時代に親の顔よりよく見たそんなグロテスクなやり取りで心が抉られた。

Posted byブクログ

2024/08/18

4年前、就職活動をしている同級生を「私は一般企業受けないから」と言って横目で見ながら、教師になりました。だんだんその生活が苦しくなってきて、去年転職活動をしました。「前に比べて暇でさw」なんて言いながらのらりくらりと生活しています。読んでいる最中から読み終わった今も、ずっと心が痛...

4年前、就職活動をしている同級生を「私は一般企業受けないから」と言って横目で見ながら、教師になりました。だんだんその生活が苦しくなってきて、去年転職活動をしました。「前に比べて暇でさw」なんて言いながらのらりくらりと生活しています。読んでいる最中から読み終わった今も、ずっと心が痛い。

Posted byブクログ

2024/08/11

 就職活動に臨む現代の大学生たちのリアルを描いた一冊です。  主人公は、演劇のサークルで活動をしていた男子大学生。引退ライブを最後にバンド活動をやめたシェアメイトとともに就職活動に挑んでいる。エントリーシート、就職試験の模擬、面接練習――そんな就職活動に向けて、主人公とシェアメ...

 就職活動に臨む現代の大学生たちのリアルを描いた一冊です。  主人公は、演劇のサークルで活動をしていた男子大学生。引退ライブを最後にバンド活動をやめたシェアメイトとともに就職活動に挑んでいる。エントリーシート、就職試験の模擬、面接練習――そんな就職活動に向けて、主人公とシェアメイト、主人公の好きな人でシェアメイトの元彼女、その友達とその彼氏という少し変わったメンバーで集まりながら、彼らは自分の進んでいく方向を探していく。  私は自分の進んだ学部の特性上、一般的な大学生が向かう『就職活動』のようなことはしなかったので、想像するしかない部分もあるのですが、SNSやWEB検索に振り回されて、自分が何者であるのか、何者になれるのか、探して求めていく様子がとてもリアルに伝わりました。  自分は、本当はどういう人間なのか。  大人になったらわかるものなのか。  自分の足場をどこに置いたらいいのか確かめるような日々を超えて、彼らが掴むのはどんな未来なのか。  今の自分にも置き換えながら色々と考えさせられる話でした。  大学生であったのはもうはるか以前の話であるのに、今でも私は『何者』かになれた気はしていません。  いつかなれるとも思われないですが、それでも、今こうしている道にも意味があると思いたい。  そんなことをじんわりと感じていました。

Posted byブクログ

2024/08/09

「何者」かになる方法。それは、誰かから冷笑されても踠き抗うことを辞めないこと。自分の中の10点、20点、他の言い方をするのならカッコ悪いところを出し続ける挑戦者であること。 記号以下の言動で装うのでもなければ、都合の良い言葉で気持ちを保つことでもない。自分自身の本心から来る言動...

「何者」かになる方法。それは、誰かから冷笑されても踠き抗うことを辞めないこと。自分の中の10点、20点、他の言い方をするのならカッコ悪いところを出し続ける挑戦者であること。 記号以下の言動で装うのでもなければ、都合の良い言葉で気持ちを保つことでもない。自分自身の本心から来る言動。そして、他者からの厳しい視線と意見を聞くことができる人なのかもしれない。

Posted byブクログ

2024/08/09

内容は就活に励む大学生たちの日常。その陰に潜む本心が綴られている。 まず、自分はまだ就活をしたことがない。だから就活の大変さを知って、将来自分もこの道を通らなければならないのかと思うと少し億劫になってしまった。最後の就活の面接のシーンでも突然振られた質問に正しく答えて、自分が入社...

内容は就活に励む大学生たちの日常。その陰に潜む本心が綴られている。 まず、自分はまだ就活をしたことがない。だから就活の大変さを知って、将来自分もこの道を通らなければならないのかと思うと少し億劫になってしまった。最後の就活の面接のシーンでも突然振られた質問に正しく答えて、自分が入社したいという気持ちを言語化して相手に伝えなければならないということはとても私にはできそうにないと思った。だけどやらなくてはいけないのだなという気持ちも芽生えた。 この作品では田名部瑞月の隆良に言った言葉がとて納得した。 「人生が線路のようなものだとしたら」「生きていくことって、きっと、自分の線路を一緒に見てくれる人数が変わっていくことだと思うの」 このセリフは私もそう思う。今までずっと自分は良い結果が出せないから過程が大事だと言い続けてきたけれど、自分が将来社会人になったら私を評価するものは私が生み出した評価だけなのだということに気付かされた。高校までは私の日常を見てくれる先生や両親が存在していたけれど、大人になれば先生だっていなくなるし両親ともより距離ができる。親しい同僚ができたとしても先生や両親ほど過程を気にしてくれるとは限らない。だからこそ結果を出すのは大切だしそれ以前に自分から挑戦して10点でも20点でも自分で結果を作るという行為は大切なのだなと気付かされた。だから私も良い点数が取れないからというだけでtoeicのテストを受けないのではなくて低い点数でもまずは受けてみようという気持ちになれた。 また後半で光太郎が自分はただ就活が得意なだけだった。就活ができても何者にもなれていなかったというセリフもとても印象に残っている。私もふと同じことを思う瞬間があるから就活もしていないのに少し共感してしまった。元々自分は中身が空っぽなのだなと思うことが最近あって何が好きなのかが自分でもわからなくなったり、自分で自分を疑ったりして自分が何者なのかがわからなくなることがある。でもこれは私ほどひどくなくても思う人は他にもいるのかもしれないと思うとどこか少し救われた気がした。 この作品では若者ならではのTwitterが多用されているが、SNSの恐ろしさを実感した。自分の顔が見られていないからといって好き勝手に言葉を残すことの恐ろしさやその自分の汚い部分がそのまま他の人にも見られていると思うと読んでいる自分もゾッとした。 久しぶりの朝井リョウさんの作品でとても充実した時間を過ごせた。自分の汚い部分を見ている気がしてハラハラするが、それを知ることの気持ちよさと、他人に見つけてもらえることで自分だけで背負っている感情じゃないという謎の救いを感じることができるからこの方の作品を読むことを止められないのだなと思いました(^ ^)

Posted byブクログ

2024/08/08

現代の就活生の実態やSNSの使い方とかリアルだった。 けれど、なんか主人公の拓人には好感がもてなかったなぁ…。 自分は専門職だったから、一般職の就職の様子がよく分かった。

Posted byブクログ