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何者 の商品レビュー

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1320件のお客様レビュー

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    365

  2. 4つ

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  3. 3つ

    278

  4. 2つ

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2024/09/25
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自分の痛いところを見透かされているようで何度もグキッッッ! 最初、主人公が理香や隆良に対して抱く嫌悪感に共感しながら読んでたのに、最後理香に思いっきり遣り込められた。 毎日ネットやテレビに触れているとステージ上で輝くアイドルや大爆笑をかっさらう芸人が当たり前のように目に入ってくる。 それに対する尊敬や憧れの気持ちが現実とのギャップと擦れ歪んだ自意識を生む。 結局自分は何者にもなれない。 世間から注目されるような才能もなければ努力すらもしていない。 心のどこかでは分かっていても認めたくないという反発心が醜くも 渦巻いている。 悲しいかな何者にもなれない人がこの世の大半を占めている。 その中でダサくとも足掻ける人はかっこいい。 主人公のような、自分の弱さから目を背け努力することすら放棄して張りぼての達観を振りかざし、がむしゃらな人を見下すことこそが最も醜い。 「何者にもなれないくせに、そんな足掻いてカッコ悪い」と何者にもなれないながらに頑張っている人を一歩引いた場所から何もせず鼻で笑うだけの人にだけはなりたくない。 共感性羞恥も、足掻いてる人を見て焦り必死に繕った「自分はこんなことしなくても何者かになれるから大丈夫」という自己欺瞞の裏返しなのかなと思ったり。 サワ先輩の主人公に対するちょっとした説教も心に残った。 Twitterやインスタをやっていないからこそ至れる達観。 自分も主人公のようにネットに拘泥してしまわないよう気をつけたい。

Posted byブクログ

2024/09/25
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普段ミステリーを読むことが多い自分には、評価が難しいと思いました。結末が読めない分、スラスラと読み進めることができました。以下思ったこと ・理香がちょい役だと思ったら、全然そんなことなかった ・ギンジがもう少し関係するかと思ったら、全然そんなことなかった ・光太郎が良い人すぎた ・裏アカってそんなすぐバレるものなのかと疑問 ・拓人はシンプルに面接が下手なんじゃないか ・ラストの理香の言葉が、読者に向けられてる感じがした 普段本の感想を誰かに伝える訳でもないので、そういう意味では、ここの感想も裏アカみたいなものだと思いました。メッセージ性の強い一冊

Posted byブクログ

2024/09/19
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大学時代に読み、社会人の転職しようか迷うっているタイミングで読み返しました。 日記じゃなくてSNSに載せることで、他の人からすごいと思ってもらいたいとか、友人が受かった就職先の悪い噂をネットで調べたりとか、自分も見に覚えがあるなあという感じ。 本当にやりたいことには蓋をして、「ちゃんと」就職する。 理想と現実のギャップにやられた就活時代を思い出しました。 本棚にしまっておきたい1冊です。

Posted byブクログ

2024/09/19

就職活動中の学生それぞれの思いを形にするとこの作品になるのですね。終わり方が唐突で「えっ⁉︎これで終わり?」と思ってしまった。映画も観てみたい。

Posted byブクログ

2024/09/17

本が苦手でもスルスル読めた! 今から就活をする自分を重ねて読めてめっちゃ面白かった。誰も何者でもない。今の自分を相手の前に提示するしかない。響いた

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2024/09/11

私自身は田舎出身で高校を卒業してすぐ 就職したのでいわゆる就活は経験せず、 社会人になりました。 なので(特に都会で)大学出てから就職するのって こんなにも大変なのか、、!! と衝撃を受けたところからスタート。 SNSは私もやっているけれど、 みんなに報告できるほど楽しい 学生生...

私自身は田舎出身で高校を卒業してすぐ 就職したのでいわゆる就活は経験せず、 社会人になりました。 なので(特に都会で)大学出てから就職するのって こんなにも大変なのか、、!! と衝撃を受けたところからスタート。 SNSは私もやっているけれど、 みんなに報告できるほど楽しい 学生生活を送っていた訳でもないし、 同世代に苦手意識もあるため、 リアルなアカウントは1つも作ってません。 でも、だからこそ常に「観察者」になってるし、 自分を隠したり、別の自分を演じたりしてしまう。 「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと」 と言うサワ先輩の言葉と どんでん返しの構成にハッとさせられました。 エッセイでも感じたけど、 朝井リョウさんは凄まじい観察力と 優しい想像力を持った 素敵な方なんだなぁと思いました。

Posted byブクログ

2024/09/09
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読み始めは、最近の就活における心模様みたいな小説なのかなと思っていたら…ラストのおそろしさ。 学生時代に読んだ「人間失格」で主人公が自分の道化を見抜かれた場面を思い出し、読んでいて息が詰まりそうでした。 自意識の過剰、自己欺瞞、隠したつもりで見抜かれている自分の本心。 どうにもならない人の心が、就職活動という横並びの競争のなかで歯止めがきかなくなっていく。 人を気にせずありのままの心で生きられたら、どれだけ楽なことか。その難しさは時代をこえて普遍なものでもあるんだなと、、久しぶりに忘れていたキリキリする痛みを感じました。 朝井リョウさん、これからも心して読みたいと思います。

Posted byブクログ

2024/09/07

自分の就活時代を思い出した。 一緒に就活する仲間は欲しい。 でもその仲間が自分より先に面接が進んだり、内定が出たりすると、いつのまにかライバルに変わってしまう… その辺の心情がうまく描かれていたと思う。 今でもエントリーシートや面接だけで、企業は自分を判断し合否を決める。 企業側...

自分の就活時代を思い出した。 一緒に就活する仲間は欲しい。 でもその仲間が自分より先に面接が進んだり、内定が出たりすると、いつのまにかライバルに変わってしまう… その辺の心情がうまく描かれていたと思う。 今でもエントリーシートや面接だけで、企業は自分を判断し合否を決める。 企業側もよそ行き、面接側もよそ行きで面接し合って意味あるのだろうか… 永遠のテーマ。

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2024/09/04

就活の行動や感情、SNSに書き込む胸の内がリアルに描かれており、どんどん読み進めた。 特に学生側の奮闘する姿は、「ああ、こういう人確かにいたな」とすぐ思えた。 学生から社会人になるその変化を捉えた瑞月の言葉が印象的でした。

Posted byブクログ

2024/09/04

就活生を題材にした小説 直木賞受賞作だし、この作品の方が先だけれど、イメージしていたのは『六人の嘘つきな大学生』でした 違いました、やっぱり… 自分への刺さり方が全く違った どこか俯瞰して周りを見てしまう自分と似ている主人公 器用に立ち回れない自分を無理やり肯定しようとすると、...

就活生を題材にした小説 直木賞受賞作だし、この作品の方が先だけれど、イメージしていたのは『六人の嘘つきな大学生』でした 違いました、やっぱり… 自分への刺さり方が全く違った どこか俯瞰して周りを見てしまう自分と似ている主人公 器用に立ち回れない自分を無理やり肯定しようとすると、「自分は見えてるよ、気付いてるよ」と言うスタンスを取りがち。自分を守るために… だから読んでいて最後の方はしんどかった そして、SNSは自分を晒すものなのか、隠すものなのか 色々と考えさせられたし、突きつけられたし 凄い作品でした

Posted byブクログ