神様のケーキを頬ばるまで の商品レビュー
短編集です。 「熱帯魚」という映画とその監督、そして雑居ビルがそれぞれの形で繋がっています。 他の人にはわからない挫折したり苦悩したりしながらもちょっと前進する男女がでてきます。 大きく前進するわけじゃない、何もかもがうまくいって大団円になるわけじやない。 それになぜだかホッ...
短編集です。 「熱帯魚」という映画とその監督、そして雑居ビルがそれぞれの形で繋がっています。 他の人にはわからない挫折したり苦悩したりしながらもちょっと前進する男女がでてきます。 大きく前進するわけじゃない、何もかもがうまくいって大団円になるわけじやない。 それになぜだかホッとしました。 そんなこと現実では早々あるわけではない、そのリアル感?があったからかも。 それぞれの先が知りたくなりました。
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テナントの入っているビル・・で働く人々(または向かいに住む女性等)、監督「ウツミマコト」作・深海魚。 このキーワードがちょこっとづつ繋がっている、短編連作集。(ウツミマコトの章もあるのかと期待しながら読んでいったのに、彼は結局出てこないで残念)。 短編連作は大好きです。もちろんこ...
テナントの入っているビル・・で働く人々(または向かいに住む女性等)、監督「ウツミマコト」作・深海魚。 このキーワードがちょこっとづつ繋がっている、短編連作集。(ウツミマコトの章もあるのかと期待しながら読んでいったのに、彼は結局出てこないで残念)。 短編連作は大好きです。もちろんこれも好き。 そして短編連作は、☆甘めです。 (短編連作じゃなかったら☆3かな。) さらさらっと読めて、ときどき琴線にふれる言葉があって、ああいいね。と思って、でもしばらくするとふわふわとあまり覚えてない(苦笑。 光る背中、が好き。ウツボフィギア持ってる彼女も、プロレス好きな彼女も、アイドルオタクな彼女も好きです。 「神様のケーキを頬張るまで」・・・いい題名ですよねー。こういったフレーズがキラキラしてて、彩瀬まるさんの超短編(川上弘美さんの「猫を拾いに」みたいな」とか、散文詩とか・・・もういっそ、詩集とかでもいいよね、そういうの、読んでみたいと思いました。 休日に酒のんで、頭ほわん足軽くフラフラでもサラリと読めそうな本です。(そうやって読んだ本を、後でもう一度読みかえすんですけどね。)
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綾瀬まるさんの本は2冊目ですが、この本も良かった~! 歌舞伎町のとある雑居ビルに関わる人々を描いた短編集。 マッサージ店を営む女性。 カフェの店長。 古書店のアルバイト。 アプリ開発会社の女性社員。 雑居ビルの向かいに住む女性。 それぞれが生き方に悩み、模索中。 心に残る言葉...
綾瀬まるさんの本は2冊目ですが、この本も良かった~! 歌舞伎町のとある雑居ビルに関わる人々を描いた短編集。 マッサージ店を営む女性。 カフェの店長。 古書店のアルバイト。 アプリ開発会社の女性社員。 雑居ビルの向かいに住む女性。 それぞれが生き方に悩み、模索中。 心に残る言葉がちりばめられている。 「目にしていて、それでも見えないもの」 「誰にも嫌われないのはいい作品じゃなくて、どうでもいい作品。強く主張するものが無くて、意識に残らないから嫌われない」 「全部出し切った人の背中は、負けても光って見える」 綾瀬まるさんの他の本も読んでみたい!
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1本の映画と古い雑居ビルでつながる短編集。 1冊丸ごと読むのは初めての作家。 人の感情のざらざらな端っこに触ってくる感じが、 とてもよかった。 ちょっと暗くて、憂鬱な感じもするけれど、 大人ってそういうとこあるし、 それでも歩こうとするところがいいなと思う。 その先は今より...
1本の映画と古い雑居ビルでつながる短編集。 1冊丸ごと読むのは初めての作家。 人の感情のざらざらな端っこに触ってくる感じが、 とてもよかった。 ちょっと暗くて、憂鬱な感じもするけれど、 大人ってそういうとこあるし、 それでも歩こうとするところがいいなと思う。 その先は今より、ちょっと明るい。 「七番目の~」と「塔は崩れ~」が好きだな。 にしても、どれも凝ってるタイトルだなぁと思った。
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心に引っかかる言葉が沢山あった気がする。読み終えると忘れちゃうくらいの。 時間をおいて読むと、また違う受け取り方が出来るような作品。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とっても好きです。 同じ雑居ビル、そしてウツミマコトと深海魚でゆるやかに繋がる連作短編集でした。 全員が全員、何かしら日常に鬱屈を感じながら過ごしているんですけど、それでも日々は流れてゆくし、なんとか生きていかなきゃいけない。確かにマッサージ店の彼女の過去や、喫茶店店長の自分がいつもビリ(7番)だと感じている部分、最後のずっと一緒にやってきた相方と喧嘩別れしてしまった彼女の絶望と虚脱感…読んでて辛いというか刺さる部分はあるのに、最後はそれぞれ活路が見いだせるというか、ほっと光が差したような希望が見られる部分がいいなあと、穏やかな読後感に浸れてとても好きな一冊になりました。 個人的には、龍を見送るが特に好きでした。 「ちゃんと一人で行くんだよ」と、哲平をきちんと見送れる、これからの無事を、辛いことや悲しいことができるだけ少なくて済むように、そう祈れる朝海は強くて優しい子だな、と少しじわっときました。 塔は崩れ、食事は止まずも好きです。もっとたくさんの人にケーキを食べて貰いたい、その願いを純粋にずっと続けばいいと思えるようになったこと、そしてウツミマコトも新しく何か作品を作ったんだなとほのめかされるところでじーんときました。 「それぞれの場所で明日も明後日も営みを続け、新しいものを作り続けていくのだろう、食べて、寝て、働いて、忘れられても、忘れても」これがこの本のテーマなのかな。
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普通に面白かった。 みんなこんな風になんとか日々をやり過ごしながら生きているんだよな、というリアルな感じ。現実ってこんなもんだけど、こんなもんだからこそいとおしい瞬間が光って見える。光って見えるのは日々の日常があってこそ、だと思わされた。
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この人好きです。 上手だから主人公全員の悩みが自分のみたいによくわかった。 内容より表紙が微妙。それとフォント。「っ」が大きくて読みにくかった。
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ズルしてるみたいに誤解されるの嫌じゃないですか どうでもいい奴にどう思われようと、関係ないだろう これからずっと、彼が無事でいますように。辛いことや悲しいことが、出来るだけ少なく済みますように このケーキを食べるだけのことはしたはずだ。私は私を褒めていい。
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「神様のケーキを頬ばるまで」(綾瀬まる)読了。余白の多い小説。 答えのない、理屈でない、奇妙な人間のサガ。そこで漂うことの心地よさと吐き気のする気持ち悪さがある。薄甘い腐敗は人を安らかにさせることがある。 2015.3.22 優しい人になりたい。暗いものやみすぼらしいものに...
「神様のケーキを頬ばるまで」(綾瀬まる)読了。余白の多い小説。 答えのない、理屈でない、奇妙な人間のサガ。そこで漂うことの心地よさと吐き気のする気持ち悪さがある。薄甘い腐敗は人を安らかにさせることがある。 2015.3.22 優しい人になりたい。暗いものやみすぼらしいものに目をつむるのではなく、それを見たまま、それでもそっと光る人に、今度こそなりたい。
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