神様のケーキを頬ばるまで の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
連作短編集。再生の物語。 ウツミマコトの絵画を手に入れたマッサージ屋の女性。気になる女性からウツミマコトの映画を勧められた、カフェの店長。ウツミマコトの映画が大好きな作曲家の女性。そしてウツミマコトがもう一度映画を手がけるという情報を得た、元飲食店経営者の女性。それぞれの得たもの、失ったもの、再び前を向こうとする人は、強い。
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ウツミマコトでつながっている短編集。 心を針でちくちく刺されているような気持ちになりながら読んでいた。
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誰しも心当たりがあるようなかっこわるさと、勇気を出して行動した結果のかっこよさと、どちらも描かれてる作品。 どの登場人物もやはり憎めない。 良くも悪くもあまりひっかからないので、こちらが、どんな精神状態でも気負わずに読める稀有な本かも。
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錦糸町の古い雑居ビルと、ウツミマコトという映画監督で繋がった人達の連作短編。 主人公達は、皆なにかに思い悩み足踏みをしている。 小さなきっかけから、立ち上がり前を向き進むようになる展開が良い読後感を呼びます。 マッサージ師と患者理保の「泥雪」 喘息持ちの雇われカフェ店主の「七...
錦糸町の古い雑居ビルと、ウツミマコトという映画監督で繋がった人達の連作短編。 主人公達は、皆なにかに思い悩み足踏みをしている。 小さなきっかけから、立ち上がり前を向き進むようになる展開が良い読後感を呼びます。 マッサージ師と患者理保の「泥雪」 喘息持ちの雇われカフェ店主の「七番目の神様」 駆け出しミュージシャンの「龍を見送る」 都合いい女を演じるレスリング好きOLの「光る背中」 共同経営者と仲違いした元カフェオーナーの「塔は崩れ、食事は止まず」 「龍を見送る」と「光る背中」が好き。
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誰にでも経験があると思う。恋愛や友情、自分が大切にしてきたものを、突然失ってしまったり手放してしまわなければいけなかったり。 そういう瞬間に、絶望感に打ちひしがれて空っぽになって、それからまた、希望というほど大したことはない動機で自然と立ち上がる。そんな物語の詰まった連作短編...
誰にでも経験があると思う。恋愛や友情、自分が大切にしてきたものを、突然失ってしまったり手放してしまわなければいけなかったり。 そういう瞬間に、絶望感に打ちひしがれて空っぽになって、それからまた、希望というほど大したことはない動機で自然と立ち上がる。そんな物語の詰まった連作短編集。舞台は東京・錦糸町。 最初の一話「泥雪」に出てくる、主人公が購入する絵画は、雪景色のような花吹雪のような白く抽象的な絵画で、その白い純潔なさまに心惹かれる人もいれば、殺風景で「暗い」と表現する人もいる。 その作家がのちに撮った映画「人魚姫」が、連作通して随所で出てくるのだが、こちらも評価する人によって好悪がはっきりと分かれている。 「泥雪」の主人公は、その映画を見たことをきっかけに、自分の購入した絵画へ自分が抱いていたイメージを一変させてしまう。一見は白く純潔な絵の下に、どす黒い世界が隠されているのかもしれない、と。 しかし人間とはそんなもので、白い絵画のように表面上は何事もなく順当に幸福に生きているように見える他人も、もしかしたら見えないところでは誰もが日々の暮らしのなかで問題を抱えて、もがき苦しんでいるのかもしれない。その問題を解決する方法を模索しながら、あるいは、時間がゆっくりと解決してくれるのを待ちながら。 だから、絶望感に囚われて、すべての人に嫌われているように思えて、居場所がなくて、生きづらいなと感じるときにも、自分を嫌う人がいるのと同じく、好いて必要としてくれる人がいるのだということを忘れないで、と。必ずどこかにあなたの居場所はあるから、と。 この本はそうやって、日常のなかで立ち止まったときに一歩踏み出す小さな勇気を与えてくれる気がします。
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短編集をあまり読まないので一つ目、二つ目の話しを読んで「え?続きは?」って思ってしまった(笑) アラフォーの私がまさかの龍を見送るが1番グッときてしまった(笑) 2017.12.6 読了
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同じビルで働く、「人生があまりうまくいってない」という共通点のある人々にスポットを当てたオムニバス。心の封印している部分にふいに風を送られて、一瞬ヒヤッとなったけど、ちょっとだけ爽快な・・不思議な読後感。
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ずっと気になってた本。ほっこりと思いきや、グサグサくるものが多くて。 「龍を見送る」はなんかわかる。好きで作ってたのがいつの間にか義務感みたいなの、形式化定式化してしまう感じ。マンネリとは違う感じ。 「塔は崩れ、食事は止まず」の崩壊から再生は良かった。 追記 どの話にも「深海魚...
ずっと気になってた本。ほっこりと思いきや、グサグサくるものが多くて。 「龍を見送る」はなんかわかる。好きで作ってたのがいつの間にか義務感みたいなの、形式化定式化してしまう感じ。マンネリとは違う感じ。 「塔は崩れ、食事は止まず」の崩壊から再生は良かった。 追記 どの話にも「深海魚」という作品が出てくるけど、謎のままに終わってたなー。
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とあるビルに関係した5人を主人公とした5つの物語。 5人の別の生活が、ひとつの映画とビルを架け橋に大きな世界を構成するワンピースになっていて、短編集なのに長編の作品を読んだ読み応えがありました。 マッサージ店の中年女性と絵画。めぐりめぐって最後の話につながっていて、読み終えるとど...
とあるビルに関係した5人を主人公とした5つの物語。 5人の別の生活が、ひとつの映画とビルを架け橋に大きな世界を構成するワンピースになっていて、短編集なのに長編の作品を読んだ読み応えがありました。 マッサージ店の中年女性と絵画。めぐりめぐって最後の話につながっていて、読み終えるとどこか希望が持てるような、温かい作品だったと思います。
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古いビルに関わる人達の短編集 毎回ウツミマコトの深海魚という映画が出てきます 主人公が他の主人公の目からどう見えてるのかを描くのが面白いなと思った
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