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神様のケーキを頬ばるまで

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2014/02/20 |
JAN | 9784334929282 |
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神様のケーキを頬ばるまで
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商品レビュー
3.7
119件のお客様レビュー
とにかく暗い… 最後の方に希望の一筋が見える程度の明るさ 同じビルの話が多かったから地味な繋がりは面白かった。
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どの話も読後感がスッキリしていて好きだった。大切なのは素直になることで、素直っていうのは思ったことを何でも口にすることではなく、相手に自分の気持ちを過不足なく伝えられるように努力を尽くすことだと思う。それはすごく難しくて胆力のいることで、その努力をする勇気こそが雪解けを生む。
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「泥雪」 マッサージ師として店を営む私は、はじめて自分の店を持った時に一枚の絵を買った。ウツミマコトという無名の画家が描いた、ごく淡いうす紅色の、一面の雪景色の不思議な絵。それは数年ごとに幾度か店が変わり、取り巻く自分の環境も変わっていく中でずっと持ち続け、私の施術室に雪を降らせ...
「泥雪」 マッサージ師として店を営む私は、はじめて自分の店を持った時に一枚の絵を買った。ウツミマコトという無名の画家が描いた、ごく淡いうす紅色の、一面の雪景色の不思議な絵。それは数年ごとに幾度か店が変わり、取り巻く自分の環境も変わっていく中でずっと持ち続け、私の施術室に雪を降らせ続けた。 絵を買ってから五年の歳月の間、音沙汰のなかったウツミマコトが、画家から転身して映像美術の方へ傾倒していったことを知った。そして彼は監督第一作『深海魚』を作り上げた。私は、私を守り続けてくれた絵の作者の集大成に、会いに行った。 「七番目の神様」 イタリアンカフェバーの店長をやっている俺。店と同じビルの上層階に入居している会社員、藤原に合コンに誘われる。喘息持ちのヒョロヒョロの自分とは違う、大柄で自信溢れるこの藤原という男が、俺はあまり得意ではなかった。 「龍を見送る」 音楽のコミュティサイトで出会った哲平のために曲を作る私。はじめは作曲者と表現者という関係性だった。インディーズで音楽配信をし、評判を呼びファンがつき、ライブを開催するほどになった。私が大学に入った年に初めてキスをした。愛する人と生きていくのなら、苦難を乗り越えて曲を作り続けていくことも、いっそ音楽は趣味程度にして平穏な社会人となって生きていくことも厭わない。私はそう思っていた。 「光る背中」 今日も上条さんからのメールはない。 会社のトイレでことあるごとに「新着メールはありません」をチェックする私はある日、トイレの中でウツボのフィギュアと出会った。しゃあ、と今に鳴きそうなそれを持って、私はトイレを出た。 上条さんに恋をしている。彼とのデートに相応しいおしゃれなお店を日々探し、彼と並ぶにちょうど良さげな洋服を身に纏い、食い付きのきっと良くない本当の趣味など隠して、良いと思ってもらえるような趣味をでっち上げる私は、それほど彼のことが好き、なのだ。 「塔は崩れ、食事は止まず」 カフェの共同経営者だった郁子と決別した私。新天地でうまく経営している郁子のお店が入っているビルなんか、爆発すればいい、そして郁子から反省の連絡がかかってくればいい。そう思う私のスマホは沈黙し続けている。 とても好きです。 著者の作品は初めて読みましたが、文章が美しく想像力が掻き立てられる情景描写が緻密で私にはちょうど良く、無理なくこういう人がいて、こんな人生があると思える説得力がありました。 繊細で切なくて、ピリリと辛い部分がどのお話にもあって、どのお話も好きでついあらすじを書くのに力が入りました。 色々な環境の主人公達が、薄ら繋がっているところもとても好きです。 特に、書き下ろしの最後のお話が好きです。 結末はこう来るだろうというのは途中で分かりましたが、そうなって欲しい、いやむしろその展開が必ずきて欲しい!と強く思うほどで、分かっていてもその描き方の柔らかさや優しさに思わず涙が出てきました。 あまり説明をしてしまうと核心をついてしまうため抽象的な感想しか書けませんが、今の私が求めていたお話ってコレだと強く思えました。 著者の他のお話もぜひ読んでみようと思いました。
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