ツナグ の商品レビュー
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一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。 ツナグの仲介のもと再会した生者と死者は、 それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅に何を思うかが描かれた、連作短編集です。 話が話だけに、説明が冗長であったり無理な設定もあると感じましたが、 癖がない文章は読みやすく、面白かったです。 ハッピーエンドで終わる話ばかりではなかったのが心に残り、また面白く感じました。 1人の人物を共通して登場させ、 他に繋がりが殆どないものでも連作集と名乗っているものが多い中、 この連作集は、「この話のこの描写って、あの話のあの部分では?」と思わせるところもあり、 私の好きな形のものであったことも、読んでいて満足いくものでした。
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SFミステリ。死んだ人間に合えるというSFでよくある設定だけれども、単純に泣かせに来るだけではなく、色々なパターンを見せてくれる。 「待ち人の心得」は王道展開で泣けるし、ひとつ前の「親友の心得」では……泣けるし(違う意味で) この本は章ごとに語り手が違っていて、主に依頼人目線...
SFミステリ。死んだ人間に合えるというSFでよくある設定だけれども、単純に泣かせに来るだけではなく、色々なパターンを見せてくれる。 「待ち人の心得」は王道展開で泣けるし、ひとつ前の「親友の心得」では……泣けるし(違う意味で) この本は章ごとに語り手が違っていて、主に依頼人目線で進んでいく。そして最終章で使者の少年の目線から語られるわけだけれど……そこでの裏話というか心理描写もよかった。(映画だとどちらかの視点にまとめられそうだ) そういえば、映画版では最初の「アイドルの心得」が省略されているとのことで、シンプルながらに結構好きなんだけど尺の都合上しょうがないのかなーなんて… レビュー冒頭でSFミステリと言っているけど人によってはジャンルはファンタジーだと言うかもしれないしぼくもそう思う。作者が辻村深月じゃなければ。
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話のうちの二つは読んだことがありました。ヨムヨムか小説新潮だったかな。死神の精度と話は逆方向なんだけど、なんかそれっぽい感じ。超オリジナリティがあるかっていうとそうではないけど、面白かったです。
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映画を母と見に行って、すぐに本を買いました。 もう死んでしまった人と、人生で一度だけ会うことができる場を取り持つ、ツナグという仕事をおばあちゃんから受け継ぐ男の子の話。 映画はその男の子が主人公だったけど、原作は、それぞれのエピソードで死んだ人に会いたいとツナグに出会う人の目線で...
映画を母と見に行って、すぐに本を買いました。 もう死んでしまった人と、人生で一度だけ会うことができる場を取り持つ、ツナグという仕事をおばあちゃんから受け継ぐ男の子の話。 映画はその男の子が主人公だったけど、原作は、それぞれのエピソードで死んだ人に会いたいとツナグに出会う人の目線で話が進む。 映画を先に見たからまずそこが新鮮でした。 シンプルに、すごく良い小説でした。 失踪した婚約者を待ち続けるサラリーマンの話が特に良かった。 ふたりのエピソードの細やかな気持ちとか、どうやって死んでしまったのか、会えた後どうサラリーマンが生きていくのか、全てが書かれている訳じゃないし悲しい結末だけど、とても良いラストでした。 気になるのは死んでしまった人の気持ち。 そこを軸にしたエピソードはなかったから、呼び出された側の話も読んでみたい。 つづきはないのかな… 映画もとても優しくて良かったです。また見たい。 樹木希林さんが本当にすてきで、ああいう人になりたいと思う。 映画で樹木希林さんが読む詩を、宗教家だったわたしの祖母も好きだったと母が言っていた。 いい歳になった今でも、自分の家族と宗教の関係に対する気持ちはとても複雑だけど、あの詩はとても素敵だと思う。 まさに樹木希林さんはあの詩通りの人間なんじゃないだろうか。 実家に帰ったら、祖母の本棚から探してまた読んでみようと思います。
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希望、感嘆、落胆、後悔…。まさに生者と死者の命のドラマ。読み終わった後、確かに辻村深月さんは僕にとっての「使者」となっていました。
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映画を見ようか迷ったあげく、まず、単行本を… もし、本当に、こんな力を持った人が現実に居たら、 自分も使者を探しだす時が来るのかとふと考えました。 映画の予告編は小説の内容にほぼ忠実なのでは… 喫茶店で、一気読みしましたが、所々、涙がとまりませんでした。 いいお話だと思い...
映画を見ようか迷ったあげく、まず、単行本を… もし、本当に、こんな力を持った人が現実に居たら、 自分も使者を探しだす時が来るのかとふと考えました。 映画の予告編は小説の内容にほぼ忠実なのでは… 喫茶店で、一気読みしましたが、所々、涙がとまりませんでした。 いいお話だと思います
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死んだ人に一度だけ会える可能性があるならば、自分はどうするだろう。 死者は、その会いたいと言われた人物に会いたくないと断る権利もある。 そして一度会ってしまったらもう他の人には会えない。 それは生きてる人も死者も同じ条件。 死者が「労力かけてでも会いたいと思ってくれる気持ちが嬉し...
死んだ人に一度だけ会える可能性があるならば、自分はどうするだろう。 死者は、その会いたいと言われた人物に会いたくないと断る権利もある。 そして一度会ってしまったらもう他の人には会えない。 それは生きてる人も死者も同じ条件。 死者が「労力かけてでも会いたいと思ってくれる気持ちが嬉しい」と言う セリフは現実を見てる気にさせられる。 会いたい人がいるのか?会いたいと思ってくれる人はいるのか? 自分はどうなんだろう?と己の人生を顧みてしまう。 物語としては人生に迷った時のスパイス的な部分も含ませた内容だった。
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---あらすじ--- 一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。 突然死したアイドルが心の支えだったOL、 年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、 親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、 失踪した婚約者を待ち続ける会社員…… ツナグの仲介のもと再会した生者と...
---あらすじ--- 一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。 突然死したアイドルが心の支えだったOL、 年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、 親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、 失踪した婚約者を待ち続ける会社員…… ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。 それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。 心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。 ------------- ストーリーそのものは よく小説などの題材にされるものかも。 でも 思わず本屋さんで手に取ってみた。 死んだ人と、一度だけ会わせてくれる“使者-つなぐ-” 時系列にそった物語の展開で 最後の一章にすべてつながってくるっていう。 私は最後まで「オチ」が読めなかったんだけどw笑 一生に一度、生きているときに死んだ人に会える 死んだ人は、生きている人からアポがあるのを ただ待つしかない。 私はもし会えるなら 誰に会うんだろうなぁって思うけど これってさ 死んでから “一生に一度”を使って会いに来てくれる人がいる その人って ものすごーく幸せなのかも。 それか 会いにいかなくてもいいような人生がいい(笑 会いに行くってことは その人が死んでからも気になってるとか… 伝えたいことを伝えれなかったとか… 本当はどう思ってたのか、とか… 私はそう思うのかも。 まぁ一つだけ言わせてもらうなら “使者”はもう少し 神秘的なほうが良かったかも。
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読みながら、自問自答した。 この小説のように、 一生に一度、一回だけ、亡くなった人に会えるなら、 私は誰に会いたいか。 読み終わってから、自問自答した。 自分は、そもそも、亡くなった人に会いたいのか。 無条件にかわいがってくれた母方の祖父母。 生きざまをみせてくれた父方の祖父母。 父。 GWにうちにくればいいよ、新潟に帰るつもりがないのなら、と、親元を離れて名古屋にいた大学1年生の私を誘ってくれた藤沢の伯母(急死だった)、 東京の大学に来るなら家に住めばいいよ、神保町はいいぞと言っていた伯父(伯母の死から半年後に亡くなった)。 誰に会いたいだろう。 誰と話したいだろう。 考えてみた。 でも、私は、誰とも会わなくても大丈夫だなと思った。 いろいろあっても、 私は前を向いて生きてるし、 いろいろあったと思うけど、 みんな、幸せな人生を送ったと思う。 静かに確信できる。 私のなかで、天国に行った方々との物語は完結している。 ハッピーエンドで。 気が付けて良かった。 いい読書でした。
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直樹賞を取った作家の本の中で一番評価が良かったので読んでみた。 とてもライトな書き方で読みやすいし、内容がそこまで適当でもないのでちょうど良い暇つぶしになる。 非現実的な話しだけれど、あまり設定を気にせず読める。
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