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科学的とはどういう意味か の商品レビュー

3.7

189件のお客様レビュー

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2012/01/26

もちろん、すべては『F』から始まったのだけれど、私はもしかしたら、彼の非小説の方が好きなのかもしれない。 1995年から2001年までの日記に見られたようなエッジィさは、少しなりを潜めたような気がする。それはもちろん、いなくなったわけではなくて、他の方法をもって表面に現れているか...

もちろん、すべては『F』から始まったのだけれど、私はもしかしたら、彼の非小説の方が好きなのかもしれない。 1995年から2001年までの日記に見られたようなエッジィさは、少しなりを潜めたような気がする。それはもちろん、いなくなったわけではなくて、他の方法をもって表面に現れているからだろうけれど、そうやって、絶えず、変化していくことを良しとする彼の姿は、尊敬に値する。 言葉でしかできないことがあって、言葉でもできないことがある。ふわふわと目に見えず、変化し続ける、人間の精神を言葉で表すのは、本当に難しい。だからこそのディスカッションだとは思うけれど、その単語の定義すらもややこしい。 私は、森博嗣という人間が好きすぎて、冷静に彼をみられない。そういう私の精神状態であるからして、万人に等しくこういった効果が得られるとは思わないけれど、彼の非小説は、かなりの確率で、涙する。今回も、ふと気を緩めていると、ぐさりと涙腺を攻撃された。最早、何故涙しているのかも分からない涙。 分からない理由などはおいておいて、「考える」という意味をもう一度考えさせてくれる本だと思う。それはつまり、「自分」の定義を今一度、「自分に」問い直すことだと思うし、はりぼてでない「明日」を見つめ直すきっかけになると思う。

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2012/01/13

世の中に大勢いる「科学嫌い」の人達に警鐘を鳴らす本。日頃から「理屈はいいから結論だけ教えて」「説明は3分以内で」などと言われることを不思議&不快に思っている私にとって、正に自分の気持ちにぴったりの事が書かれていると、深く共感できる内容である。 『科学は「好き嫌い」ではなく、「身を...

世の中に大勢いる「科学嫌い」の人達に警鐘を鳴らす本。日頃から「理屈はいいから結論だけ教えて」「説明は3分以内で」などと言われることを不思議&不快に思っている私にとって、正に自分の気持ちにぴったりの事が書かれていると、深く共感できる内容である。 『科学は「好き嫌い」ではなく、「身を守る力」として、その知識や考え方を身に付けるべきものである。人を幸せにするのは科学の力である。』同感!

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2012/01/09

科学とは「方法」である。そしてその方法とは「他者によって再現できる」事を条件として組み上げていくシステムのことである。 自分がこれを読むまでは、他者によって再現できるということまでは理解できていた。なので実験してその結果を数値で説明できれば科学的だと思っていたので、多くの勘違い...

科学とは「方法」である。そしてその方法とは「他者によって再現できる」事を条件として組み上げていくシステムのことである。 自分がこれを読むまでは、他者によって再現できるということまでは理解できていた。なので実験してその結果を数値で説明できれば科学的だと思っていたので、多くの勘違いしている一人だったということだろう。 また正しいかを疑う精神はSEと仕事をしているにである程度慣れているが、こうやって文章で読むと非常にめんどくさい。と感じてしまう。

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2012/01/07

文系の方が暗記メインとかいうのは受験の弊害であって、本来、例えば歴史ならその時に起こった出来事を豊かに想像したり紐解いていくのが学ぶってことではないんでしょうかね? それと、最近思考停止するなっていう本多いけど、そういう人は本読まなそうだったり… と、そんなことを考えさせる本。

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2012/01/04

記憶系文系がこれ読んだらどんな反応するんだろうか? 非記憶系理系が読んでも新鮮味はあんましないので★★★。 日本の報道に対する意見には激しく同意する。 こないだのNHKのJobsの番組に対する違和感は、 文章にするとこういうことなんだろうな~ とこの本読んで納得した。

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2011/12/31

小説家である著者が理系および科学への世間の無理解と無関心を嘆き,啓蒙を目指した本とでも言えば良いだろうか.全編にこの無理解,無関心へのいらつきが出ている.私も同じように感じることはあるが,著者の言葉はより直接的で,私からすれば,刺激的,過激である.普通の科学者がこの題名で本を書い...

小説家である著者が理系および科学への世間の無理解と無関心を嘆き,啓蒙を目指した本とでも言えば良いだろうか.全編にこの無理解,無関心へのいらつきが出ている.私も同じように感じることはあるが,著者の言葉はより直接的で,私からすれば,刺激的,過激である.普通の科学者がこの題名で本を書いても全く売れない(買うのは科学に関心のある人だけ)が,著者が書けばある程度売れて,メッセージが伝わる部分があると考えれば本書の意義は十分ある. しかし,科学の意味の考察は一般的なレベルにとどまっていて,目新しさはほとんどないし,科学の限界についても無視しているのが私には物足りない.科学について書く人が宗教を科学の対立物とみることも私は気に入らないが,本書もこれをやっている. ブログを通じて考えてきたこととは言っても,多忙な人が三日間で書いたものには限界があるということだろう.

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2011/12/31

いつも通り。 特に新しい主張はないけれど、今まで森博嗣の本を読んだ事のない人にとっては読みやすい。

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2011/12/24

個人的には、文系理系という分類の仕方は好きじゃない。筆者は文系の人はこう考える。とかいう書き方をしているが、いわゆる文系の世界に生きている人たちの中にも科学的な思考をできる人はたくさんいる。ここまでは本書の内容とは関係ない。 科学的とは数や実験を利用した再現ができること、個人では...

個人的には、文系理系という分類の仕方は好きじゃない。筆者は文系の人はこう考える。とかいう書き方をしているが、いわゆる文系の世界に生きている人たちの中にも科学的な思考をできる人はたくさんいる。ここまでは本書の内容とは関係ない。 科学的とは数や実験を利用した再現ができること、個人ではなくみんなで築き上げて行くもの。科学的であるには、思い込みを捨て、常に疑問を持ち続ける必要がある。科学の目標とは人間の幸福である。 しかし、科学の目標とは、真理を求めることではないかと思う。そして真理を求める事は人間の性だ。

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2011/12/19

言葉で説明出来る結論だけを求めるのではなく、基づくデータや過程を繰り返し検証する考えて方を今一度見直さなければならない。 結論だけを求める考え方の危険性を考えさせられた。 科学的=他者による再現性 つまり、同じ条件下でいつでも誰にでも再現出来る現象が科学現象。

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2011/12/18

科学――誰もが知る言葉だが、それが何かを明確に答えられる人は少ない。しばしば「自然の猛威の前で人間は無力だ」という。これは油断への訓誡としては正しい。しかし自然の猛威から生命を守ることは可能だし、それができるのは科学や技術しかない。また「発展しすぎた科学が環境を破壊し、人間は真の...

科学――誰もが知る言葉だが、それが何かを明確に答えられる人は少ない。しばしば「自然の猛威の前で人間は無力だ」という。これは油断への訓誡としては正しい。しかし自然の猛威から生命を守ることは可能だし、それができるのは科学や技術しかない。また「発展しすぎた科学が環境を破壊し、人間は真の幸せを見失った」ともいう。だが環境破壊の原因は科学でなく経済である。俗説や占い、オカルトなど非科学が横行し、理数離れが進む中、もはや科学は好き嫌いでは語れない。個人レベルの「身を守る力」としての科学的な知識や考え方と何か――。

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