還るべき場所 の商品レビュー
ちょうど八ヶ岳の赤岳登山した後に、山岳系の小説が読みたくて手に取った。偶然にも主人公が冬の赤岳をクライミングしたりしてて、親近感がぐっと湧いた。 私みたいなハイカーとは違ってクライミング、エベレストとかの8000m級に挑戦してる人たちだから、格が全然違うのだけどどからこそ擬似体験...
ちょうど八ヶ岳の赤岳登山した後に、山岳系の小説が読みたくて手に取った。偶然にも主人公が冬の赤岳をクライミングしたりしてて、親近感がぐっと湧いた。 私みたいなハイカーとは違ってクライミング、エベレストとかの8000m級に挑戦してる人たちだから、格が全然違うのだけどどからこそ擬似体験ができて興奮した。終盤になるにつれ、高山環境下での人間同士の思惑、対峙に泣けてしょうがなかった。 文字にすると安っぽくなるけど、本当に感動する作品。 イモトのマナスル登頂を応援したのと同じ気持ちになる。 クライミングの知識がなくて、用語がちょいちょい分からなかったので勉強しよう。。
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山岳小説。友人の推薦にあったので読んでみた。K2とかブロード・ピークにアタックする話。特に後半、ハラハラドキドキして止められない感じが凄かった。ただ、地図なども全く無かったので位置関係などがわかりにくい。このへんはドキュメンタリーと小説の違いなのだろう。
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「春を背負って」が面白かったので作者の書いた山岳小説をもっと読んでみたいと思って読んだ。 それなりにボリュームのある作品で半分ほど読み進めたところで一旦ストップしてしまいましたが、後半は登山以外にも様々な要素がストーリーに織り込まれていて緊張感を維持しながら一気に読むことが出来た...
「春を背負って」が面白かったので作者の書いた山岳小説をもっと読んでみたいと思って読んだ。 それなりにボリュームのある作品で半分ほど読み進めたところで一旦ストップしてしまいましたが、後半は登山以外にも様々な要素がストーリーに織り込まれていて緊張感を維持しながら一気に読むことが出来た。 明らかに人生の折り返し地点を折り返してしまった自分に、登場人物の神津の語る言葉の一つ一つが心に沁みた。何というか生きる事へのメッセージがストレートにガツンとくる作品です。
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山岳小説、素晴らしい、感動!! K2に登ろうとは思わないけど。 神津がめちゃくちゃかっこいい。そんなおじさんになりたい。 岳の最後を思わせるような試練の連続。ドキドキした。 以下、神津と翔平の父のセリフがいいのでメモ。 <メモ> 人間は夢を食って生きる動物だ。夢を見る力を失っ...
山岳小説、素晴らしい、感動!! K2に登ろうとは思わないけど。 神津がめちゃくちゃかっこいい。そんなおじさんになりたい。 岳の最後を思わせるような試練の連続。ドキドキした。 以下、神津と翔平の父のセリフがいいのでメモ。 <メモ> 人間は夢を食って生きる動物だ。夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこの世界が生きるに値するものだと信じさせてくれる。そうやって自分を騙しおおせて死んでいけたら、それで本望だと私は思っている。 そもそも人生とはつまらんものだ。若いうちなら勢いで突っ走れる。なんにでも夢中になれる時期がある。それがそのうち惰性になり、世間のしがらみに絡みとられて、なにが面白いのかわからなくなる。しかしな、本当の勝負はそこから始まるんだ。つまらん人生に花を咲かせるのが本当の才覚で、モチベーションが希薄になったなんて愚痴を言っているうちはまだ半端者だ。砂漠のような人生に大輪の花を咲かせることのできる人間こそ一流だ。
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600ページにわたって、緊張感を持続させる筆者の力量は見事。一気に読んだ。読む以前は、ヒマラヤ登山者としてはヒラリーとメスナーくらいしか知らなかったが、昨今では随分と色々なタイプのアタックがあることも知った。また、筆者のアルピニズムに対する調査力にも感嘆したし、その結果としてのカ...
600ページにわたって、緊張感を持続させる筆者の力量は見事。一気に読んだ。読む以前は、ヒマラヤ登山者としてはヒラリーとメスナーくらいしか知らなかったが、昨今では随分と色々なタイプのアタックがあることも知った。また、筆者のアルピニズムに対する調査力にも感嘆したし、その結果としてのカラコルム山群の臨場感も圧倒的だ。
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『凍』に続き山岳小説は2冊目です。やっぱり面白かったです。今までまったく理解出来なかった山の魅力が、なんとなく分かってきたような感じです。
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それぞれの人生を全うする男たち。彼女が愛した"巨大なとんがり帽子"の絶体絶命のステージから、夢をつむぎ魂を糧に本質を得る。一人一人の"還るべき場所"の楔は猛烈に熱くさせてくれる。スクリーン的描写と重厚かつ緻密なストーリー…傑作ですね♪
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驚いた! 初のクライマーもの。 自分の中では新鮮でいながら 山、自然、人間、会社と多岐にわたってのバランスのあるお話で飽きさせない。 なぜ生きるのか? 生きる大切さは何なのか! がやんわりとそしてジンワリと感じてくる。 登山に対する知識がなくても楽しめるし、ハラハラする臨場...
驚いた! 初のクライマーもの。 自分の中では新鮮でいながら 山、自然、人間、会社と多岐にわたってのバランスのあるお話で飽きさせない。 なぜ生きるのか? 生きる大切さは何なのか! がやんわりとそしてジンワリと感じてくる。 登山に対する知識がなくても楽しめるし、ハラハラする臨場感。 何故だか企業、社会人たるとは! の世界まで関連した話にまでつながってくるというハナレワザ。 登山の深い話に若干のついていくことが出来ない感はありますが、読みごたえありの良本です!! K2 凄いんですね。
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かなり面白かったです。 パートナーの死や人生と山を重ねて…というテーマは山岳小説としてはありふれているし、さらにはザイルの切断、もまたしかり(でもってマイ・ベストに入ってる小説「神々の山嶺」とも重なっている…)し、なぜ星5つ? と考えると、この一冊の場合、それはやっぱり、構成...
かなり面白かったです。 パートナーの死や人生と山を重ねて…というテーマは山岳小説としてはありふれているし、さらにはザイルの切断、もまたしかり(でもってマイ・ベストに入ってる小説「神々の山嶺」とも重なっている…)し、なぜ星5つ? と考えると、この一冊の場合、それはやっぱり、構成と伏線の複々線化とキャラクターの厚み、と結論付けておこう。商業登山と先鋭クライミング、山の世界とビジネスの世界、過去と現在、さらには登場人物の思惑とトラウマ、それぞれの危機がアタックの日に向けて輻輳していき… と同時に、 本当にこんな人物と出会え、このような人生観を語られたい、語られちゃったら生死の境をも超えてしまえるような気もする…と、心理を書き込んでいくのも忘れない、と 紙上でカタルシスを味わえる、つまり正しく冒険活劇なのでした。 ヤマと山ヤの物語、というテーマに私は興味があって、つまりはヒトを通して見るからヤマが面白い、という視点の持ち方をしている人には楽しめるストーリーなのではないだろか、と思います。 ちなみに山域が大切な人には…舞台がK2なのもちょっといいかも。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
孤高の山男にパートナーの死…。「神々の山嶺」や「氷壁」と何となく似たような設定で、山岳小説はどうして設定が似通うのか?という違和感は覚えながらも結構楽しめます。
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