還るべき場所 の商品レビュー
面白い。 易しい文章ではないけれど、言葉がどんどん頭に入っていく。 登山の知識がなくても楽しめる。 登山の怖さや魅力を知れた。 登山に挑戦したいとさえ、思った。 特に印象に残ったフレーズは以下。 「夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこ...
面白い。 易しい文章ではないけれど、言葉がどんどん頭に入っていく。 登山の知識がなくても楽しめる。 登山の怖さや魅力を知れた。 登山に挑戦したいとさえ、思った。 特に印象に残ったフレーズは以下。 「夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこの世界が生きるに値するものだと信じさせてくれる。そうやって自分を騙しおおせて死んでいけたら、それで本望だと私は思っている」 作品の中では、夢に対するネガティブな考えとして、何度も出てくる。今の自分に重なる考えだった。 神津さんと竹原さんの今後が気になった。
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なぜ山に登るのだろうか?かつてマロニーは「そこに山があるから」と答えた。結局答えになっていない様にも感じるが、これはマロニーの生き方そのものだったとも言える。信じるとは何か、生きるとはどういうことか。8000mを超える峰では、人の本性が溢れ出る。 この本では、カリスマ経営者と心...
なぜ山に登るのだろうか?かつてマロニーは「そこに山があるから」と答えた。結局答えになっていない様にも感じるが、これはマロニーの生き方そのものだったとも言える。信じるとは何か、生きるとはどういうことか。8000mを超える峰では、人の本性が溢れ出る。 この本では、カリスマ経営者と心に傷を負ったクライマーが、山を通じて自己を見つけていく物語を綴っている。
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私にとっては、何年かぶりに手にする山岳小説だ。このところ登山から遠ざかっていただけに、久々に心の躍動感を覚えたし、楽しみながら一気に読了した。 著者についてはまったくのノーマークであったが、巻末のプロフィールをみると、警察小説や謀略小説で活躍とあるが、どうしてどうして、この作品は...
私にとっては、何年かぶりに手にする山岳小説だ。このところ登山から遠ざかっていただけに、久々に心の躍動感を覚えたし、楽しみながら一気に読了した。 著者についてはまったくのノーマークであったが、巻末のプロフィールをみると、警察小説や謀略小説で活躍とあるが、どうしてどうして、この作品は、近年にないほどの素晴らしい山岳小説に仕上がっている。 それも、僕がもっとも好きな登攀(クライミング)描写がこれでもか、と出てくる内容なのでうれしい。 カラコルムのブロードピーク、世界第二の高峰K2が舞台だけに作品のスケールも大きく、登山描写だけではなく、ヒマラヤ登山を巡る商業戦略、そしストーリーの最大のポイントである、人間観察がきっちり書き込まれている。 山岳小説の分野では谷甲州、夢枕獏以来なかなか大物の書き手が出てこないと勝手に思っていたが、この著者をして、これからの展開が楽しみになってきた。 こうした小説を読むと、沈滞していた五感が刺激されるのか、しばらくは山のことを考えてみたくなった。
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笹本稜平さん、初めて読んだけれど、山岳小説における圧倒的な筆致力と、事件のような展開を交えた引き込むストーリー構成力を感じた。 内容としては、K2を舞台にしたアルパインスタイルの登攀の様子をつぶさに垣間見ることが出来る小説。フィクションだけれども、実際に8000m級の山への山行...
笹本稜平さん、初めて読んだけれど、山岳小説における圧倒的な筆致力と、事件のような展開を交えた引き込むストーリー構成力を感じた。 内容としては、K2を舞台にしたアルパインスタイルの登攀の様子をつぶさに垣間見ることが出来る小説。フィクションだけれども、実際に8000m級の山への山行を実体験したような気持ちになれる。 当初は分厚いので読み切れるか心配だったが、途中からグイグイ引き込まれた。山岳用語のカタカナも多いので理解して情景を想像するには多少読み進めることが必要だが、人間模様と自然描写にはドラマのような迫力を感じる。登場人物も豊かに描かれていて、他の本も読んでみたくなった。
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登山の本だと思って読み進めていたが、これは人生について考えさせてくれる本だと思った。 夢をかなえるゾウを読んでやりたい事リストを作らないとなぁと思いながら、なにかもうひと踏ん張りが出来ず、やりたい事リストを作れなかったが、この本を読み進めていくうちに、人生について考えるようにな...
登山の本だと思って読み進めていたが、これは人生について考えさせてくれる本だと思った。 夢をかなえるゾウを読んでやりたい事リストを作らないとなぁと思いながら、なにかもうひと踏ん張りが出来ず、やりたい事リストを作れなかったが、この本を読み進めていくうちに、人生について考えるようになり、リスト作成に手がつけれた。 次から次へと問題の出てくるブロードピーク登山の緊迫感を見事に表現し、こちらもドキドキした。 笹本さんの本は初めてだったが、難しい内容なのに状況がイメージしやすく、くどさもなくてとても読みやすいと思った。
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笹本さんの小説を始めて読ませて頂きました。 山登りを趣味としてる者なのでとても興味深い内容ですが、実際の私は8000m峰などは縁がないハイカーです
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次から次へと難関が押し寄せてきてハラハラドキドキした。 が、主要な登場人物が生きてくれてそれは良かった。 聖美はどうしてしまったんだろう。 下山途中で亡くなったのか。 山を登る意味や人生や夢とかみんな熱く語るが、山が好きやねん!頂上着いた時めっちゃ感動!そんな簡単ではいけないの...
次から次へと難関が押し寄せてきてハラハラドキドキした。 が、主要な登場人物が生きてくれてそれは良かった。 聖美はどうしてしまったんだろう。 下山途中で亡くなったのか。 山を登る意味や人生や夢とかみんな熱く語るが、山が好きやねん!頂上着いた時めっちゃ感動!そんな簡単ではいけないのだろうか?
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おそらく登ることは一生無いだろうが、この小説を読んで、K2の山体を自分の目で見たくなりました。山が好きな人間たちの、魂の喪失と再生の物語。なんで山に登るのか、いのちとは、人生とは。
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よかった。ブロードピークとかK2とか、怖いから登りたくはないけれども、氷河トレッキングツアーくらいなら行ってみたいと思ってしまう。思わずツアーを調べてしまった。1ヶ月くらいあればいけるな、、チャンスがあったら絶対行こう!
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「夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこの世界が生きるに値するものだと信じさせてくれる。そうやって自分を騙しおおせて死んでいけたら、それで本望だと私は思っている」 その言葉を聞いた時、思いがけないショックを受けたのを翔平は覚えている。それは...
「夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこの世界が生きるに値するものだと信じさせてくれる。そうやって自分を騙しおおせて死んでいけたら、それで本望だと私は思っている」 その言葉を聞いた時、思いがけないショックを受けたのを翔平は覚えている。それはこの世界に絶望した人間の言葉だった。人が絶望から立ち上がろうとする時、荒唐無稽だろうと無謀だろうと、夢と呼べるような何かが必要だと神津は言いたかったのだろう。
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