還るべき場所 の商品レビュー
今回は山岳小説の「還るべき場所」です。 実はこの本は半年くらい前に書店で見つけてパラパラっとめくったけど買うのを見送った本です。 山岳小説って読まず嫌いのジャンルなんですよね。登山が趣味のクセになに言ってるって感じですね。 ってことで内容です。 K2でパートナーを失い4年間、山...
今回は山岳小説の「還るべき場所」です。 実はこの本は半年くらい前に書店で見つけてパラパラっとめくったけど買うのを見送った本です。 山岳小説って読まず嫌いのジャンルなんですよね。登山が趣味のクセになに言ってるって感じですね。 ってことで内容です。 K2でパートナーを失い4年間、山からも社会からも離れてしまう主人公が登山仲間が始めた公募登山のアマチュアツアーのガイドとして再び山に向き合う。 参加者の想い、公募登山の難しさ、公募登山とアルパインスタイル…登山スタイルの違いなどなど読み応えバツグンです。ページ数もバツグンの600ページ超です。量は多いけど展開の面白さにどんどん読み進められます。 参加者の一人、神津さんが人生の希望をペシミスティックに語るのがすごい好きでした。若干超人すぎてびっくりするけれどお気に入りの登場人物になりました。また神津と一緒に参加している竹原の人生観にはナルホドと頷かされました。ちょっと長いけど引用します。 人生とはやり直しのきかない一筆書きのようなものだと思う。一度描いてしまった線は修正がきかない。できるのはその先をさらに描き続けることだけだ。たとえ予期せぬ手先のぶれで意図とは違う方向に筆が走ったとしても、そこから思いもよらない未来が開けることもある。 初対面の人と飲んだりしたとき「趣味は登山です」って言うと「なにが楽しいの?」とか聞かれます。いつも上手く答えられず適当に濁してしまいますがこの本に答えの一端が書かれています。 俺もこれだけ上手く言えればいいんだけど…www 登山しない人にも読んで欲しい一冊です。先にも書いたけどページ量が多いけれど読みやすいし人生とは?ってとこも書いてるので是非読んでください。 山岳小説も以外に面白いので手を出していこうと思います。
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面白かった~。読みごたえがありました。 山の専門用語はわからないけど、想像しながらでも、十分に楽しめます。 翔平の話をもっと読みたいと、後ろ髪をひかれる気分です。
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2011年7月27日読了。 良い本でした。 最後涙腺が起爆して大変でした。 (普通の人は泣かないと思うがw) 山屋さんにはぜひオススメ。 商業登山と登山者の自由について色々考えさせられました。。
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ヒマラヤでパートナーを失った主人公が、公募登山を通じて成長していく姿にのめり込む。ブリザードに立ち向かう描写は息を飲んだ。読後感も良く、お勧めの山岳小説。
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久しぶりに胸が熱くなった。かなりの長編、ヒマラヤK2で登山中に恋人聖美を亡くした主人公翔平の葛藤を描いている。 ザイルで結ばれた2人は宙吊りになる、聖美は翔平を助けるためにザイルを自らの手で切る(謎の部分はあるが・・・) 以来4年間立ち直れない翔平だったが、最後はK2登頂にによっ...
久しぶりに胸が熱くなった。かなりの長編、ヒマラヤK2で登山中に恋人聖美を亡くした主人公翔平の葛藤を描いている。 ザイルで結ばれた2人は宙吊りになる、聖美は翔平を助けるためにザイルを自らの手で切る(謎の部分はあるが・・・) 以来4年間立ち直れない翔平だったが、最後はK2登頂にによって救われる。 登山の専門用語も多いので門外漢の私には分かり難い言葉もあるが、翔平の熱い想いや、自然の美しさも過酷さも充分伝わってきた。さすが山岳小説の第一人者と言われるのも納得できる。 ☆五つを献上した。
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・ヒマラヤを舞台にした山岳小説。登場人物もそれぞれ魅力的で、山の描写もリアルで目に浮かぶようだった。ページは多いけど面白くて引きこまれて一気に読んだ。山岳用語にいちいち脚注がついてないあたり山好きの読者を意識してる感じ。 ・主人公達が若い頃に経験を積んでいくシーンにはかなり胸踊る...
・ヒマラヤを舞台にした山岳小説。登場人物もそれぞれ魅力的で、山の描写もリアルで目に浮かぶようだった。ページは多いけど面白くて引きこまれて一気に読んだ。山岳用語にいちいち脚注がついてないあたり山好きの読者を意識してる感じ。 ・主人公達が若い頃に経験を積んでいくシーンにはかなり胸踊る。その後の山での失敗と挫折ってパターンが多用されてる部分はちょっと引っかかるんだけど、その後の再生の描かれ方がなかなか魅力的なのでよしとする。 ・後半の展開は「岳」のラストのエベレストの公募登山レスキューをまんま彷彿とさせる内容でイメージをダブらせながら読んだ。ただラストブロード・ピークのレスキュー後の展開は急ぎすぎで物足りない。出来ればK2東壁アタックにもページを割いて欲しかった。久々にもっと続きが読みたいと思った小説。山に行きたい。山の先輩に借りて読んだ。
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冒頭の部分から、亡くなったパートナーへの思いが繰り返し語られるのには閉口したが、公募登山のスタッフとして動き始めるあたりからどんどん引き込まれていった。 ツアーの一行がブリザードの中立ち往生し、その救援に向かう。 ほとんど絶望的かと思われた時、ツアーに参加していたひとり神津の言葉...
冒頭の部分から、亡くなったパートナーへの思いが繰り返し語られるのには閉口したが、公募登山のスタッフとして動き始めるあたりからどんどん引き込まれていった。 ツアーの一行がブリザードの中立ち往生し、その救援に向かう。 ほとんど絶望的かと思われた時、ツアーに参加していたひとり神津の言葉が印象的だった。 「希望が自分から歩いてくることもある」
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山岳部所属の父の書棚にあったのでこっそり拝借して読みました。 山岳小説自体が初めてなのでこれが本格的なのか否かは わかりかねるものの、とてもスケールが大きく読み応え抜群。 何やら巷は登山ブームだけれど、そんな生ぬるいものではなく それこそ命がけで山に登る登場人物ら。 なぜ山に登...
山岳部所属の父の書棚にあったのでこっそり拝借して読みました。 山岳小説自体が初めてなのでこれが本格的なのか否かは わかりかねるものの、とてもスケールが大きく読み応え抜群。 何やら巷は登山ブームだけれど、そんな生ぬるいものではなく それこそ命がけで山に登る登場人物ら。 なぜ山に登るのか、と食わず嫌いのわたしは思うのだけれど、 一種のスポーツに近い感覚なのかな、と認識しました。 ちょうど登山家の栗城さんの事故がタイムリーに重なって、 その凄惨さもあいまって深く心に残りましたね。
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小説としては王道でしたが、とても楽しめました! でも、「竹原さんはそれで良いの?えっ、奥さんも、子供もいるのに…」 と小説の中の登場人物なのに本気で心配してしまいました(笑)
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久しぶりに山岳小説を堪能した。かつて、若い頃登山を多少体験した身にとっては、その当時を思い出す時間となった(もちろん、こちらは初歩的な尾根歩き専門だったが)。 書き出しは、K2登頂付近で事故のため愛するパートナーを失った主人公が、失意の4年後、山仲間からの公募登山の誘いに、再び山...
久しぶりに山岳小説を堪能した。かつて、若い頃登山を多少体験した身にとっては、その当時を思い出す時間となった(もちろん、こちらは初歩的な尾根歩き専門だったが)。 書き出しは、K2登頂付近で事故のため愛するパートナーを失った主人公が、失意の4年後、山仲間からの公募登山の誘いに、再び山を目指すストレートな山岳小説の様相である。しかし、公募登山の応募者に企業家とその秘書が加わることによって、単なる山行ドラマではなく、重層的な、いわば「生きるとは何か」を問いかける小説となっている。重低音のように再三繰り返される企業家の言葉「人間は夢を食って生きる動物だ。夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこの世界が生きるに値するものだと信じさせてくれる・・・」。 題名の『還るべき場所』が最後に大きな意味を持ってくる。主人公が苦悩する事故の謎が、最後に解明することによって、さわやかな読後感となっている。 この本を紹介してくれた、KOROPPYさんに感謝(笑)
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