ねむり の商品レビュー
なんだか不思議な雰囲気の作品。 アフターダークがもう少し日常生活に近くなった感じというか。 歯科医の夫と幼い息子を持つ主人公が、文字通り一睡もできなくなる話。 終わり方が唐突すぎて、しばらく終わったことに気がつかなかった。うまくその世界から抜け出せなくなるような、不思議な...
なんだか不思議な雰囲気の作品。 アフターダークがもう少し日常生活に近くなった感じというか。 歯科医の夫と幼い息子を持つ主人公が、文字通り一睡もできなくなる話。 終わり方が唐突すぎて、しばらく終わったことに気がつかなかった。うまくその世界から抜け出せなくなるような、不思議な感覚を味わいました。 1989年に書いたと言ってるわりには文体が最近っぽいなと思ってたら、加筆?書き直し?してあるようですね。同時に書いたと言ってたTVピープルは読んだ気がするけど覚えてない。 春樹のこういう短編は好きです。
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私は出来れば毎日眠りたいな。何が間違っていたんだろう? 村上春樹の短編はさっくり読めるので、あまり生活に影響を及ぼさなくてよい。と改めて思った。 しばらく小説を読んでいなかったけれど、また読み始めよう。
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村上春樹の短編、「眠り」に手を入れ、イラストレーションをつけた本書。 主人公は金縛りにあってから眠れなくなった女性。しかし彼女は眠れなくなってからのほうが調子が良く、夫には眠れないことを告げずに夜な夜な本を読みつづける。 なんとも心地の良い短編だった。村上春樹の文章はゆ...
村上春樹の短編、「眠り」に手を入れ、イラストレーションをつけた本書。 主人公は金縛りにあってから眠れなくなった女性。しかし彼女は眠れなくなってからのほうが調子が良く、夫には眠れないことを告げずに夜な夜な本を読みつづける。 なんとも心地の良い短編だった。村上春樹の文章はゆっくりゆっくり文字をなぞりながら読みたくなる。 あとがきで著者自身が触れている通り、本書はいわゆる「村上春樹らしさ」は薄いかもしれない。でも、好きだなあ。
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村上作品は苦手な私ですが、この短編はなんども繰り返しよんでしまいます。一時、チョコレート×ブランデー×読書、にはまりました。
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「TVピープル」収録の短篇「眠り」のドイツ版の挿絵を著者が気に入り、再出版のような形で国内向けに発売。内容はほとんど変わらないが、挿絵が良いかといわれると個人的にはそうでもない。
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装丁がきれい。 村上春樹独特の世界観はありながらも、短編ということもあり読みやすい。 結論が得られないのは気になる。
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挿絵の評判が良かったが、あまりに主張してきてワタシはダメだった(- -;) 村上作品は自分の中でじっくり読みたいナ。
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挿絵が素敵だな~また新しい試みだなと思ったら、ドイツ発の企画ものだったと知ってなんとなく納得。 昔の短編「眠り」に自身が手を加えたものとのこと。 幸せだと思えれば思えれる日常の中に潜む闇。眠れなくなったことは何を意味しているのか・・・。面白くもあり、難しくもある作品です。
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2012年22冊目。 93頁。 京橋図書館。 ≪本文引用≫ p.23 私は簡単な日記のようなものをつけていたが、二三日つけ忘れると、どれがどの日だったかもう区別がつかなくなってしまった。昨日と一昨日が入れ替わっても、そこには何の不都合もない。何という人生だろう。時々そう思う。 p.53 眠れなくなってから、私の思ったのは、現実とはなんとたやすいものだろうということだった。現実をこなしていくなんて、ずいぶん簡単なことだ。それはただの現実にすぎない。それはただの家事であり、ただの性交であり、ただの家庭にすぎない。機械を動かすのと同じで、一度運用の手順を覚えてしまえば、あとは反復でしかない。
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短編「ねむり」(村上春樹:著、カット・メンシック:イラスト)を読みました。 突然眠ることのできなくなった主婦の世界を描いた1989年の短編「眠り」の21年ぶりの改稿版です。 ドイツのデュモン社が2009年8月に出版したイラストブック「Schlaf」に感化されて89年の「眠り」を村上がヴァージョンアップして、イラストブック「ねむり」を作ったようです。イラストは「Schlaf」のそれが使われているようです。 オリジナルは未読ですが、日本ではあまり見かけない雰囲気を醸し出すカット・メンシックのイラストと「ねむり」の世界のバランスがいい塩梅だと思います。
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