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ねむり の商品レビュー

3.6

139件のお客様レビュー

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    16

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2016/08/27

そんなものはいらない。 私には私自身の方法がある。 私は本を読む。 私は眠らない。 大事なのは集中力だ。 集中力のない人生なんて、目だけ開けて何も見ていないのと同じ。

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2016/07/29

≪県立図書館≫ 覚醒の物語だ。 泣くことしかできない。 その一言が強く響く。 一番明るいところを選んだはずなのに、 得体の知れない黒い影は彼女を強く揺さぶる。 素晴らしい作品だと感じた。

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2016/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

8年前「TVピープル」の「眠り」を読了済み。改稿版とのことで「ねむり」を再読。 不眠症ではないけれど、17日以上全く眠れなくなった主婦のお話。主婦のただの日常の描写の中にも村上春樹氏の世界観がもたらされていて、やっぱり好きだと再確認。 当初は自身が不眠症の真っ只中だったので、とても印象に残ってる。「眠り」と「ねむり」の違いを比べるのも楽しい。意外と細部まで憶えているものだ。 舞台が「横浜」から「港」になっているのは、世界的に翻訳されているから、よりイメージしやすくしているのかな。 「眠る」ことについての思考。 眠りは「クールダウンするための治癒行為」であるけれど、それを眠らないことで「人生を拡大しているのだ」と解釈する主人公。誰にも邪魔されず、何も要求されず。 この「誰にも邪魔されず、何も要求されず」にすべてがかかっているように思える。誰かに邪魔され、何かを要求され、日常を機械的にこなしているうちに、自分が自分でなくなってしまったような、そんな虚無感を抱いていて、かつての若き日の自分がしていたように、チョコレートを頬張りながら、「アンナ・カレーニナ」を読み耽る。そんな自分らしい時間を求めるために、眠りを拒否した。 最後に車中で揺り起こされるところで終わるのだけど、17日以上眠れなかったこのストーリーそのものが夢だったのかもしれない。「クールダウンするための治癒行為として」。 ドイツ語版で挿絵となったイラストレーションが、村上春樹氏の世界観にとても合っていてアートとの融合も素敵。 そして、言葉を借りるなら、私は村上春樹氏の作品を読むことそのものが、眠りに匹敵するぐらいの「クールダウンするための治癒行為」であると確信している。

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2017/01/08

『図書館奇譚』につづくアートブックシリーズ。図書館に1冊あったので借りてみた。このシリーズ、やたら高いので買いたくはないけど、1時間以内に読める気軽さがいいのかも。セレクトセンスもよい感じ。 で、『ねむり』はねむれなくなった女性の話。でも、不眠症ではないのです。この設定からして...

『図書館奇譚』につづくアートブックシリーズ。図書館に1冊あったので借りてみた。このシリーズ、やたら高いので買いたくはないけど、1時間以内に読める気軽さがいいのかも。セレクトセンスもよい感じ。 で、『ねむり』はねむれなくなった女性の話。でも、不眠症ではないのです。この設定からしておもしろくて、ぐいぐい入り込んでしまいました。 女性はねむれなくなったことにより、かつて自分が本当に楽しんでいたこと(そして、現在の生活に苦しんでいたこと?)に気づくんです。 例によってあとがきから読んじゃったんですが、この作品は1989年、小説を書きたいきもちになれなかった時期に書いたのだそう(村上春樹40歳)。『ノルウェイの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』が成功を収めた直後。このあとがきを読んでたので、なんとなく当時の春樹氏の感じなんだなぁ〜なんて感じ取りながら読めました。そうじゃないと、ちょっとわかりづらいのかも? でも、若干の隠喩はあるものの、書いているとおりそのままって感じもしました。(たとえば、ねむれなくなる前の記憶が遠のいて、その変化が自分にしかわからないことへの恐怖など。) なので、意味がわからない人は、あとがきから読むといいかも!と思います。 ーー 追記 この女性が不眠中に読むトルストイの『アンナ・カレーニナ』が作為的だったので、DVDで観たところ、なるほど…と思いました。『アンナ・カレーニナ』も幸福そうでいて幸福でない(愛が足りない)ことに気づくんですよね。。

Posted byブクログ

2015/09/24

2015/9/24読了。 村上春樹の短編小説。 独特の世界観に今回もまたぱしっとはまった。 不眠症の主婦である主人公が、最後揺さぶられる車の中でどうなったのか、 そしてそれ自体は何を意味していたのか そこまではわからなかったけど、面白かった。

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2015/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

《ねむり》とは鈍感さや己を信じきってのうのうとしている様。そして《死》から目を背けること。主人公は、老人の姿をした《死》を見た夜から《死》を認識し、不眠に陥る。 「誰もがいつかは死ぬ」でもそんなことを意識していては、日常生活は送れない。だから人は目を閉じ、眠る。無垢な子供はよく眠る。図々しい大人ほどよく眠る。繊細で不安を抱えた者は熟睡できない。 車を揺さぶる彼等は「自分たちの推論を脅かすものとして」ねむらない彼女を排斥しようとしているのかもしれない。

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2015/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「眠り」が「ねむり」に改題。 主人公は30歳。歯医者の妻で小学生の母。 「毎日がほとんど同じことの繰り返し」だが、車(ホンダシティのブルーとか懐かしすぎる)で買い物に行き、スポーツクラブで水泳をし、毎日何一つ不自由ない暮らし。そんな中、金縛りにあったあと、眠れなくなる。普通の不眠というものではなく、何日眠らなくてもまるで平気で、夜じゅう「アンナ・カレーニナ」を読みお菓子を食べ酒を飲む。なのにむしろ健康になり力も漲り若返っている。 最初は、有閑マダムの優雅な日々? とか思ったが。 家族関係は良好で、それでも少しずつなにか苛々することもあって、義理の母とも多少の摩擦はあって、普通に面倒で普通に幸せ。いつのまにか本を読まない生活に慣れていた。主婦あるある。 読みたい、と思ったからだろうか。それとも、食べたい? 飲みたい? 結局眠れない理由はよくわからない。バッドエンドというほどでもないけど意味不明な終わりかた。 これは全部夢オチと見るか、所詮人生こんなものという例え(箱の中でなすすべもなく揺さぶられているような)と見るか。 全体に英文の翻訳みたいな文章だと思ったが、作者あとがきによると、翻訳の仕事もしてたからか。「ニューヨーカー」誌に翻訳掲載されたそうだし。 国籍不明だけど舞台が日本というのはわかる。 不思議な絵が国籍不明を増しているのかも。この絵が変わればまた違った印象で読めるかもしれない。

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2015/02/16

21年前「眠り」として出版したものに手を加えて「ねむり」として出版したもの。21年前に読んで、詳細はともかく内容をほぼ覚えていた。最後にどうなるのか、解釈としてはいろいろあると思うが、この世界観が大好き。やはり村上春樹だ。

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2015/02/06

すごく引き込まれました。 最初から最後まで夢だったのではと思ったり…。最後の終わり方に驚きました。 私には全てが謎に包まれていてスッキリできないです。。。

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2014/12/16

眠れなくなって17日めになる。  私は私専用の車として中古のホンダ・シティを持っている。色はブルー。2年前に、私はそれを女友だちからただ同然で譲ってもらった。 「アンナ・カレーニナ」はずっと昔、たしか高校生のときに一度読んだことがある。筋はほとんど覚えていない。記憶に残ってい...

眠れなくなって17日めになる。  私は私専用の車として中古のホンダ・シティを持っている。色はブルー。2年前に、私はそれを女友だちからただ同然で譲ってもらった。 「アンナ・カレーニナ」はずっと昔、たしか高校生のときに一度読んだことがある。筋はほとんど覚えていない。記憶に残っているのは最初の一節と、最後に主人公が鉄道自殺をするというところだけだ。「幸福な家庭の種類はひとつだが、不幸な家庭はそれぞれに違っている」、それが書き出しだ。  結婚したころはよく意味もなくその寝顔を眺めたものだった。そしてこの人がこうして平和に眠っているかぎり、私は無事に守られている、そう思ったものだ。  でもいつからか、私はそんなことをするのをやめてしまった。 あとがき 眠り 1989年 バチカンの近くのアパートメント

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