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十字軍物語(1) の商品レビュー

4.1

60件のお客様レビュー

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2011/08/19

塩野七生久々のシリーズもの。対立を続けるイスラム側の間隙をつき、出自の異なる諸侯たちの連携により、エルサレムが陥落、そして十字軍国家を確立してゆくまで、あっという間に読破。前シリーズ、ローマ人の物語を超えられるか。

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2011/07/31
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世界史の時間に耳にしたことがある「十字軍」。 しかし、歴史上の史実としての事柄でしか授業では教えられず、なぜそんなわざわざ遠いところから軍を率いて中東に向かったのかよくわからない出来事の認識しかなかった。 が、そんな十字軍を「ローマ人の物語」の塩野七生が描いているというので手にとったのが本書。 宗教が支配する中世というとどうも暗黒時代の暗い印象があるのだが、十字軍の走りとなるこの時代。日本でいうとまだ鎌倉幕府もできていない貴族社会のこのころのキリスト教社会とイスラム教社会のなんと牧歌的?なことか。 宗教の前に余りにも考えなさすぎというか、場当たり的というか妄信的というか。 あまりの純粋さに作者の皮肉も相まってニヤリとしながらいつの間にか読み終えてしまっていた。 なによりも作者の筆力がモノを言う、皇帝や王無き主人公がいない諸侯たちの第一次十字軍の物語。 今後の物語も期待できます!

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2011/06/11
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 塩野さんの本は何冊か読んでますが、すごく客観的に書かれてる筈なのに、なぜか十字軍が段々と聖都に近付いていく足音が聞こえてくる気がした。教皇や皇帝、騎士たちの野心が絡み合い、聖なる遠征という建前はありながらも、打算も存分に含まれていたんだなぁと。世界史をいきいきと学びたければぜひとも読みたい本。戦闘の様子もよくわかるし、歴史の人物の息遣いまで感じられるのが素晴らしい。面白かった。タンクレディがまじイケメン。登場人物が男くさくてかっこいいんだこれが。  第二巻感想-----  とてもかっこよくてためいきものです。聖地を奪還したのはよかったものの、それを防衛していくのはとても困難で……しかもそれに足る人材が不足すればさらに厳しい。その中でも必死に頑張る人達もいて、ボードワン三世の奮闘や、イスラム側の名将サラディンの活躍にもどきどきしました。塩野さんの書く歴史上の人物ってなんでこんなにかっこいんだろう! 結構、塩野さんの好みが入っているので偏ってる部分もあるとは思いますが、エンターテイメント性はたっぷりあって読み物としては楽しいと思います。テンプル騎士、聖ヨハネ騎士団、暗殺集団とか、超みなぎる。最後には再びイェレサレムはイスラムの手に。続きの第三次十字軍のメンバーも熱そうで超期待。楽しみに待ちます。

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2011/05/29

宗教戦争の度し難さ      十字軍という用語には、神のために戦うという一見崇高な良い印象があります。世界史の教科書の中ですら、何回も行われた遠征に非合理的かつよこしま印象を残すにも関わらず、異教、異国に捕らわれた聖地を取り戻す、という一面には心揺さぶられるものがあります。 ...

宗教戦争の度し難さ      十字軍という用語には、神のために戦うという一見崇高な良い印象があります。世界史の教科書の中ですら、何回も行われた遠征に非合理的かつよこしま印象を残すにも関わらず、異教、異国に捕らわれた聖地を取り戻す、という一面には心揺さぶられるものがあります。 教皇が先導し、私欲を満たし、利権を求めた人々がそれに呼応した、ということは、きちんと描かれています。第一回十字軍では、イスラム側に人物が登場しないこともあり、西欧側の人物の有り様が魅力に映ります。 未知の土地で、神のために戦う、と思わなければ、とてもなしえなかった苦行が、初回ならではの清々しさもあり、善行と勘違いしてしまう程です。 この先、ローマ人の物語ほど、登場人物に恵まれるとは思えず、また、以降の中東に災いをもたらした出来事であるため、単純に楽しめるものでは無いと思います。しかし、だからこそ、最後まで付き合いたい主題だと思っています。 練馬図書館から借用

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2011/04/18

歴史教科書では宗教戦争としての単純な表現しかされていないが、当初のキリスト教サイドとイスラム教サイドの戦争への認識の違いが面白い。 歴史って深くて面白いなぁ。

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2011/04/14

知っているようで知らなかった十字軍。初めて読みました。イェルサレム王国の成立は、ほとんど奇跡的な偶然の積み重ねだったんだね。

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2011/04/04
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十字軍物語1 塩野七生著を読み終わった。 この1巻は「ローマ亡き後の地中海世界 上下」の続きと言うことになるらしい。 教皇権の非常に強い時代の「カノッサの屈辱」からはじまり、貧民十字軍、第一次十字軍の苦労と成功が主に十字軍の側から書かれている。 「キングダム・オブ・ヘブン」というリドリースコット監督の映画があるけど、あのエルサレム王国が建国されるまでのお話しになる。本とは関係ないけど、ボクはこの「キングダム…」のディレクターズカット版が大好きで、今年初めて授業でも採りあげた。熱心な学生は劇場版と見比べてくれて、その違いについていろいろ述べてくれた。こういうマニアックで分析的な態度は講師にとってもとってもうれしい。 で、このエルサレム王国って100年ほどで滅んでしまうので高校世界史にもあまり出てこない。塩野七生さんは、いつものように、この日本人には馴染みの薄い歴史の断片を丹念に掘り下げてくれている。十字軍とビザンツ帝国の確執(これは同時にローマカトリックとギリシャ正教との確執なのかも知れませんが、この宗教違いについてはなぜかあまり第一巻ではとりあげていません。第四次十字軍のときのネタに温存してあるのかも(笑))、十字軍を形成する個性あふれる魅力的な諸侯達、ゴドフロア、ボードワン、タンクレディの記述は本当に読み物として面白い。 なんといっても、塩野さんの本は本筋を補強する余談が面白いんですね。日本人にはあまり馴染みがないと思われる部分を、じつに上手く余談で支えてくれるから本筋の面白さが途切れることがありません。 これからあと3年、秋にはこのシリーズを楽しみに出来ますね! 誰にでもお勧めできる1冊です。

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2011/03/24

第一次十字軍(諸侯の十字軍)の物語。 最初はあまり馴染みのない地名、人名に苦戦したが、読み進めるうちに物語に引き込まれていき、あっという間に読破。日本人には理解し難い宗教的思考・背景を日本人の塩野さんが、わかりやすく物語にしている。さすがです 気になるフレーズ ・一人の人間の...

第一次十字軍(諸侯の十字軍)の物語。 最初はあまり馴染みのない地名、人名に苦戦したが、読み進めるうちに物語に引き込まれていき、あっという間に読破。日本人には理解し難い宗教的思考・背景を日本人の塩野さんが、わかりやすく物語にしている。さすがです 気になるフレーズ ・一人の人間の中に、「善」と「悪」が共生しているのだ。だからこそ宗教や哲学や倫理によって矯正に務めるのだか、いまだに成果ははかばしくないのである。 ・非凡なる二将よりも凡なる一将を選ぶ。指揮系統の一元化は、持てる力の効率的な活用には、絶対欠かせない。 ・あらゆるものに不自由しないものにありがちな現象か、実際に動き出すまでにやたらと時間がかかる。

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2011/02/01

完結待ち。 「読んでから待つか、待ってから読むか」 これは、女史の名著『ローマ人の物語』を売ってた時に、私がポップに書いたコピー(笑)。 私は、待ってから読む派です。 ちなみに、上記『ローマ人の物語』は、15年間待ちました。

Posted byブクログ

2011/01/27

はじめはのみ込めなくて、さすがの塩野七生でもこのテーマはつまらないのか…と思ってたらどんどん人物が動き出して結局すごく俯瞰できた。ヨーロッパを知るのはやっぱり現代に繋がってためになる。絵でみる十字軍、買おうかなあ。

Posted byブクログ