漂流 の商品レビュー
まさに「絶海の孤島」。 水も無く、草木も乏しいそんな無人の島に満足な道具も食料も持たずに流れ着いてしまったらどうなるか。 ただ生きるというだけの事がこんなにも困難な状況に陥るなんて。 喉の渇き、飢餓感、孤独感、そして絶望、全ての描写がものすごくリアルで読み応え満点の1冊でした。...
まさに「絶海の孤島」。 水も無く、草木も乏しいそんな無人の島に満足な道具も食料も持たずに流れ着いてしまったらどうなるか。 ただ生きるというだけの事がこんなにも困難な状況に陥るなんて。 喉の渇き、飢餓感、孤独感、そして絶望、全ての描写がものすごくリアルで読み応え満点の1冊でした。あほう鳥万歳!
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読む前にレビューを読んで、必ず最後まで読もうという決心をして、今日1日読みふけりました!! あほうどりの意味が分かりました♪ 人間ってなんだろうって思ったとき、この本にヒントがあるように思えます。 自然ってなんだろうって思ったとき、この本にその優しさと厳しさが顔をのぞかせているように思います。 今までの私だったら読み流していただろうと思うと 少しはこの本の意義を理解できた気がするので 成長を感じれました!! この著者の他の本も読みたいと思えました!!
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実に面白かった。いや、実に面白かった。 ちょっと長めだったので、何日かかかると思いきや、朝晩の通勤時間だけで2日間で読めてしまいました。 あまりに面白くて、ページをめくる手が止まらなくて。 これは無人島生活でのバイブルになりますね。 といっても大概の人が無人島生活なんて経験することはまずないでしょうから、なんでしょうね、逆境の中一人で生き抜くためのバイブル、とでも言っておきましょうか。 主人公が味わった孤独の絶望というのは、想像を絶するものだったんでしょうね・・・ 故郷にも帰れないかもしれない。(というかほぼ帰れない) 喋る人も居ない。完全な孤独。与えられる仕事も生産活動もない。 そこで生きていくことに価値はあるのか。 生きていく価値というのは、たった一人で見出すことは難しいものなんだなと思いました。 それでも長平は念仏を唱えて生き抜きましたが。宗教の意味も考えさせられました。 そしてまた、人々は協力し合えば結構なんとでもなるんだなとも。 終戦後の収容所生活を描いたとある本でも、各人に出来ることをし合い、工夫して豊かな生活を生み出すシーンがあったのを思い出しました。 生き方や生きることの意味について考えさせられる一冊でした。 とても奥深く面白い。この年で読めて本当によかったです。
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土佐の三百石船の楫取、長平は仲間3人とともに難破し、鳥島に流れ着く。12年の漂流生活を不屈の精神と工夫でのりきり、最後に本土に帰り着く。食べ物はアホウドリの干し肉、水は雨水。
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江戸時代の漂流者の記録をもとに書かれた小説。12年も無人島で生きていく羽目になった人間の信じられないほどの強さ,たくましさが文章からじわじわと伝わってくる。とても自分には真似できないと感じつつも、逆境下にあってもなお、主人公のように成長することは可能であることを再認識させられた。
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いつもながら吉村昭の作品は驚愕歴史小説。はまってしまう。完全に絶望的な状況の中、最後まであきらめずに強靭な精神力と行動力で活路を開いた信じられないような話。成せば成るもんなんだな、と改めて思いました。人間あきらめたたお終いだよね。
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導入部が長く、最初は少し読みにくかったが、つい、引きこまれていった。希望をもっていれば、必ず道は開かれる、とは簡単には言えない。 波にのまれてしまった人、無人島で飢え死にした人、原住民に殺された人、など、現実には、無念の死を遂げた人が山ほどいる、という事実を強調しているようにも思う。 淡々と事実を語っている風なところが、逆に凄まじさを伝えているような気がした。
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江戸時代に無人島へ流れ着いた漁師達の壮絶なサバイバルの記録。草木も水も食糧もない無人の火山島でどうやって生き延びていったのかが綴られており、その淡々とした語り口が却って絶望的な状況をリアルに感じさせてくれます。
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驚きです。 江戸の時代に鳥島という何もない島、無人島へ漂流。 「生きる。」 すごいですね。 これが実話に基づくからまたすごい。 何も無いところでの生きるという意志と知恵。 孤独な時でも生きつづけることをなしえた主人公の長平の精神力。 孤独って、どんなにつらいか!? そして、自分と...
驚きです。 江戸の時代に鳥島という何もない島、無人島へ漂流。 「生きる。」 すごいですね。 これが実話に基づくからまたすごい。 何も無いところでの生きるという意志と知恵。 孤独な時でも生きつづけることをなしえた主人公の長平の精神力。 孤独って、どんなにつらいか!? そして、自分との戦い、悟り?あきらめのように割りきる? 人はすることがあり、することを作り出し 動いて働く事がどんなに大事か。 納得です。 すごいです。 あきらめない気持ちの大切さ そして、知恵と工夫で生き抜く術。 想像が容易く出来ないほどの生活だったんだと思います。 それをここまでわかりやすく描写されていて 読めば読むほどにのめり込んでしまいました。 本当、アホウドリ、何羽食べたのでしょうね?? 干肉づくりが1年で150羽が12年で1800羽 7ヶ月毎日1羽だと210羽が12年で2520羽 合計で4320羽を長平さんは、食べたのかなぁ? そりゃぁ、当人も鳥のような獣の臭いも しているような気もしちゃいますよね。 でも、生きるためには!! すごかったです。
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漂流者の過酷な運命をたんたんと描く。 他の作品にも共通している。 このような漂流物を扱った作品も何点かあり、逃亡物と並ぶ作者の一分野である。記録を読み込み、作者の想像力で話を膨らませている。 まさに感動の大作である。
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