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漂流 の商品レビュー

4.4

152件のお客様レビュー

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    67

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江戸時代、土佐の船乗…

江戸時代、土佐の船乗りが無人島に漂着し、そこで20年近く暮らすというお話。実話です。孤独と闘い、創意工夫して生き延びるという人間の強さを感じました。

文庫OFF

2024/08/12
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自分だったら、長平のように心身の健康を保つことはできないともう。あんな状況になったら、とても正常ではいられない。 季節のめぐりに応じて、アホウドリが飛び去っては戻ってきたり、飛魚が飛んだり、嵐がきたりと、同じ描写が何度も繰り返される。もういいよと思うのだが、それが自然というものだと読んでいて気づく。読んでいるだけでこれなのだから、実際に12年も島で過ごした長平にとっては、さらにつらいものだっただろう。

Posted byブクログ

2024/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・あらすじ 1785年、土佐藩の船乗り長平は悪天候と黒潮の影響により3人の船乗り仲間とともに無人島にたどり着く。 そこは土佐から700km離れた鳥島という場所だった。 食物も育たない活火山の岩山で雨水をのみ、アホウドリを食べ心身ともに極限状態の中を生き抜き生還した長平の12年間。 ・感想 さすが吉村先生、面白かった。 江戸時代の奉行所の公的文書でしか残されていない漂流者の記録から、壮絶なサバイバル生活を綿密な取材と想像力で描写してた。 淡々とした文章ながら、いや、だからこそ厳しく牙をむく自然が恐ろしく感じたし、絶望、孤独感、諦観などの人間の心理に納得させられた。 手に汗握る展開もありするする読めるからあっという間に読み切ってしまった。 後半は展開が気になって寝不足になりつつちょっと焦りながら読んじゃったかも。 いつかじっくり読み直したい。 これまで読んできた羆嵐、高熱隧道と同じく自然と相対した時の人間の無力さ。 でもその無力でちっぽけな人間が、だからこそ知恵を出し合い、助け合っていくことが大事なんだよな。 お互いに助け合うこともだけど自分で自分を投げ出さず、諦めない精神の強さも大事。 軟弱な現代人である私は多分3日で死ぬか発狂すると思うけども。 仲間の3人が死んでから2年ほどはたった1人であの環境を生き延びる決心をした長平の「なるようにしかならない。いつか助けがくることを祈念し、その時のために達者で生きるしかない」という境地にいたれる長平すごっ…。 後年に合流?してくる他の漂流民も船乗りという特性上ある程度協調性を持ってる人達ばかりでみんなで力合わせて帰郷できて本当に良かったよー。 ただ冒頭のアナタハン島みたいにここに1人でも女性がいたらまぁだいぶ環境は変わってたんだろうけど。 色んな意味で男だけで良かったな…!! 現代は自然科学やテクノロジーの発展により類稀に見るほど自然をコントロールできている時代だと思うんだけど、江戸時代なんて己の理解の範疇を超えた現象には神仏にすがるしか方法はなかった訳で、やっぱり信仰心というのは精神の支柱になるんだな、と思った。 読み終わったあとYouTubeで鳥島を検索したら絶滅危惧種であるアホウドリの保全活動団体の動画と昭和30年代の観測隊?の動画があったので視聴した。 本当に何もない環境だった…昔の漂流民の痕跡は今も残っているのだろうか。

Posted byブクログ

2024/08/04

江戸時代にシケにあい無人島に流れ着いた男が息抜き、島を脱出するまでの壮絶な生き様が描かれたドキュメンタリー小説。そう、これは事実であることに驚く。 長平の「なるようにしかならぬのだ、飢えるか生きながらえるか、また船が沖をよぎって助けてくれるか否かは、仏のみ心のままで、自分がどう願...

江戸時代にシケにあい無人島に流れ着いた男が息抜き、島を脱出するまでの壮絶な生き様が描かれたドキュメンタリー小説。そう、これは事実であることに驚く。 長平の「なるようにしかならぬのだ、飢えるか生きながらえるか、また船が沖をよぎって助けてくれるか否かは、仏のみ心のままで、自分がどう願っても叶えられるものではない」「これからは、ただ念仏をとなえ、あらゆる欲望を捨て、日々達者に暮らしてゆこうと思った」は印象に残るセリフだった。

Posted byブクログ

2024/07/02
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一気読み、ドキドキ面白い。作者の調査と想像力がすごい。漂流し無人島での生活等が描かれる。無人島で何もすることもなく無気力に過ごし、仲間たちが精神や身体を病む様子は現代人への戒め様にも感じてしまう。主人公の長平は前向きかつ島暮らしを達観し修行僧のよう、他の漂流者とともに大自然相手に難しい仕事に取り組むことで生活にハリが出て長い時間をかけ未来を切り開く。これが実話に基づいていることが恐ろしい。

Posted byブクログ

2024/05/28

江戸時代の話かーと思ったものの、めちゃくちゃすんなりと読めてしまった。あらすじが完全にネタバレだけど、史実(?)ならいいのかな。 無人島でサバイバルする船員の絶望と希望が繰り返される記述が、地に足のついた表現で、ぜんぶ想像できる。気力をなくして洞穴で寝たきりになる者もいれば、生き...

江戸時代の話かーと思ったものの、めちゃくちゃすんなりと読めてしまった。あらすじが完全にネタバレだけど、史実(?)ならいいのかな。 無人島でサバイバルする船員の絶望と希望が繰り返される記述が、地に足のついた表現で、ぜんぶ想像できる。気力をなくして洞穴で寝たきりになる者もいれば、生きていくために目標を作る者など人により生き方が異なるのも面白い。 これを書くための調査や時代考証は大変だっただろうなあ。

Posted byブクログ

2024/05/21

読みながらなにかに似てると思ってたんだけど、後半になって気づいた。これアンディ・ウィアー『火星の人』にそっくり。長平はマーク・ワトニーそのもの。 人間のちっぽけさと、偉大さ。 裏表紙を読まなかったので、長平が生き残るのかどうかを知らずに最後まで読めたのが最高にエキサイティングだっ...

読みながらなにかに似てると思ってたんだけど、後半になって気づいた。これアンディ・ウィアー『火星の人』にそっくり。長平はマーク・ワトニーそのもの。 人間のちっぽけさと、偉大さ。 裏表紙を読まなかったので、長平が生き残るのかどうかを知らずに最後まで読めたのが最高にエキサイティングだった。

Posted byブクログ

2024/04/30

こわいけど、おもしろい 久々に読む手が止まらなかった ただ、とある点がトラウマになって食生活に影響出始めてるな、、、

Posted byブクログ

2024/02/25

しばらく鳥肉が食べられなくなりそうでした…。 悪夢を見るほど場面を想起させる圧巻の描写力で、読後はどっと疲れました。思い出すと今でも波に揺られている気がします。

Posted byブクログ

2023/12/12

窮地に立たされた人の気持ちと、生き抜くための知恵。その知恵は、多くの事を知っていないとひらめかないものなんだなと思った。

Posted byブクログ