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漂流 の商品レビュー

4.4

152件のお客様レビュー

  1. 5つ

    67

  2. 4つ

    65

  3. 3つ

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2014/01/06

単なるエンターテイメント性の強い小説よりも、人間の生き様を見せつけられるものの方が学ぶべき点は多く、そういう意味では、ちょくちょく吉村昭に触れることはボクにとって重要な読書体験であると感じました。 良い小説と出会った時には、読了後の余韻を楽しむことも大切で、長平の生涯をネット上...

単なるエンターテイメント性の強い小説よりも、人間の生き様を見せつけられるものの方が学ぶべき点は多く、そういう意味では、ちょくちょく吉村昭に触れることはボクにとって重要な読書体験であると感じました。 良い小説と出会った時には、読了後の余韻を楽しむことも大切で、長平の生涯をネット上でなぞったとき、長平の生命力の強さには改めて驚きました。 長平は無人島における圧倒的な孤独を経験しそれを乗り越えようとしますが、やっぱり人は人の中でしか生きられないのだとも感じました。

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2013/12/23

13年間の無人島での生活を克明に綴った長い話である。怒濤の海、トビウオの群れ、アホウ鳥の羽で作った蓑を被った男、夢に出てきそう。自然への畏怖を感じると共に、ただ生きて死ぬのみでは人生とは言えない、前向きに生きる、事を成すことが大切だと教えてくれる。13.12.23

Posted byブクログ

2013/09/16

江戸時代の一人の漂流者 長平の記録が書かれた小説。 無人島漂流という絶望的な状況になった時、それをただ絶望として受け入れ死を選ぶか、目的を見つけて(それが短期的なものであっても)生きることを選択するかは当人の心次第だが、それよりも周りの人間の影響が最も大きいということを感じた。先...

江戸時代の一人の漂流者 長平の記録が書かれた小説。 無人島漂流という絶望的な状況になった時、それをただ絶望として受け入れ死を選ぶか、目的を見つけて(それが短期的なものであっても)生きることを選択するかは当人の心次第だが、それよりも周りの人間の影響が最も大きいということを感じた。先頭に立つ人間は活路を見出し、周辺を導く。 また、彼らにとっての生きる意味についても深く考えさせられる。何もなく食い繋いでただ生きるだけの横一線の生活と、目的を見つけて一喜一憂する生活は大違い。言い換えれば、生きるために何かをする、と、何かをするために生きるというのは別物ということ。 最も心に残った文章は、無人島に新たな漂流者が辿り着いたとき彼らの一人が入水(自害)を試みた。その時の長平の気持ちについて。以下引用。 ===== 入水をさせてやった方が男にとって幸せであるのかも知れぬ。死を思いとどまらせてみたところで、男には侘しい島での生活が待っているだけである。およそ人間の生活とは程遠い、希望のない日々を送らねばならないのだ。 ===== 故郷に戻れる可能性が極めて低い無人島で辛い思いをしながら生き延びるか、そのまま海に没するかどちらが幸せなことなのか。こんな精神状態の中で10年以上生きた長平の記録であるが、生き様や考え方について時代関係無く、自分の生活に当てはめてしまう部分が多い。良本。

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2015/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一人きりになってしまった時の絶望、神仏のめぐみをただ待つのみで生き抜くと思うようになってから仙人のように見えてくる。 ひたすらアホウドリを食べる、おかげで命も希望もつなぐ事が出来る。 人影を見つけた時は自分のことのように歓喜した。

Posted byブクログ

2013/07/26

歴史的な資料に基づいたストーリーとのことだが、想像を絶するタフな状況だ。そこで生き抜いていくことがどれ程自分をコントロールしなければならないかがわかる。いや、想像の範囲を大きく越えている。たった一人で数年も生きられるのだろうか?ほんの少しの可能性でも希望が必要だ。後は必要なことを...

歴史的な資料に基づいたストーリーとのことだが、想像を絶するタフな状況だ。そこで生き抜いていくことがどれ程自分をコントロールしなければならないかがわかる。いや、想像の範囲を大きく越えている。たった一人で数年も生きられるのだろうか?ほんの少しの可能性でも希望が必要だ。後は必要なことを続ける精神力、そして運かもしれない。

Posted byブクログ

2013/03/27

目の前にあるもの、与えられたものに感謝して悶え苦しみながらも冷静に考え、あらゆる欲望を捨て、ただ日々達者で暮らすことに集中し12年半に及ぶ無人島生活を乗り切った主人公。 解説に「作者は独りよがりの幻想に溺れず、意味ありげな言葉を連ねたりしない」とあったけれど、読んでいて臭いがす...

目の前にあるもの、与えられたものに感謝して悶え苦しみながらも冷静に考え、あらゆる欲望を捨て、ただ日々達者で暮らすことに集中し12年半に及ぶ無人島生活を乗り切った主人公。 解説に「作者は独りよがりの幻想に溺れず、意味ありげな言葉を連ねたりしない」とあったけれど、読んでいて臭いがするほど緻密な描写なので真実が胸に迫った。

Posted byブクログ

2013/01/06

面白すぎ。一気に読んだ。主人公のポジシンぶりと悟りの境地が半端ない。偶然とか、幸運とか、手にいれて生かすも生かさないも自分次第なんだなって思った。新年最初の一冊に相応しい。

Posted byブクログ

2013/07/03

江戸時代に船が難破して漂流した男たちのストーリー。今から考えても信じられない南の果ての島でのサバイバルを当時のわずかな記録からドキュメンタリーにした。淡々とした記述から先の読めない展開が際立つ名作。

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2012/07/15

史実をもとに作者の脚色がされているのだろうけれど、十五少年漂流記は夢物語だと思った。人間が健康で生きていくというのは、なんと大変なことか… もし自分だったら???想像すらできない過酷な物語だった。

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2012/06/14

太平洋で漂流し、無人島に辿り着いた船乗りの長平が12年の月日を経て無事帰還するまでを描く。絶望的な状況の中でも諦めず、現実と真摯に向き合い、生きることを決意する度に光明が差していく様は感動もの。 人間、諦めずに現実と向き合って、今出来る事を続けていくしかないんだと教えてもらった...

太平洋で漂流し、無人島に辿り着いた船乗りの長平が12年の月日を経て無事帰還するまでを描く。絶望的な状況の中でも諦めず、現実と真摯に向き合い、生きることを決意する度に光明が差していく様は感動もの。 人間、諦めずに現実と向き合って、今出来る事を続けていくしかないんだと教えてもらった。

Posted byブクログ