漂流 の商品レビュー
表現が全体に生々しい。長平がどん底から這い上がり、前向きに生きる姿は神々しいが、時々起きる幸運が少しアリエナイ。
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無人島漂流記&男の生きざま。時代物ドキュメンタリーでここまで引き込まれるなんて。文章タッチが暑苦しくなく嘘くさくなく、事実が巧みに配されているからだろうか。勉強になるなあ。
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タイトルどおり江戸時代今の鳥島というとこに漂流した話で、実話。 上の写真がそれなんだけど、火山島で、たいした植物なんて生えていない。 そこに遭難して4人が流れ着く。 ただ、あほう鳥がどうかすると100万羽という量でいる。この肉がうまい。 100万羽もいたら大丈夫だとほっとしてると...
タイトルどおり江戸時代今の鳥島というとこに漂流した話で、実話。 上の写真がそれなんだけど、火山島で、たいした植物なんて生えていない。 そこに遭難して4人が流れ着く。 ただ、あほう鳥がどうかすると100万羽という量でいる。この肉がうまい。 100万羽もいたら大丈夫だとほっとしてると、それが渡り鳥で100万羽すぺてがいなくなってしまって慌てる。直前に気がついて干し物にして難を逃れる。 その後、話は二転三転して12年かけて流れ着いた材木を組み立てて船をつくり、結局は本土に帰ってくる。まさに事実は小説より奇なり。生きようとする力はなんと強いものか。 吉村昭の文体というのは短文で事実を積み重ねていく、装飾ない、淡々としたもので、これがなかなかいいんですね。濃い話をあっさり、あっさりと書いていく。引いてる分、その隙間にこちらの気持ちが入っていく。 多くは史実のあるもので、残っている記録を徹底して読んでいくと、記録にない部分が見えてくるそうだ。雪が降ってるという記述はないがこのときは雪が降っていたに違いないということが見えてくる。 そうやってつむぎだされたモノを小説として発表する。テーマはかなりドラマチックで、表現はあくまでストイック。今回も魅せられて読み終りました。
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