二十四の瞳 の商品レビュー
昭和初期と言えば隔世の感があって、暮らし向きとかまったくなじみがないものばかりだけど、今の時代にも通じる警鐘のような気がする。大人になってから読んで良かったと思うし、まだ読んでない大人には読んで欲しいと思う。
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「昭和の貧困と人情」 十二人の個性あふれる生徒と先生。 戦争が人間をダメにしてしまう。 涙なしでは読めない文学作品。 悲しい。
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前半の、田舎のごくありふれた日常、どこにでもある生活、それが後半に よりリアルさを与えました。 戦争をほとんど知らずに、教科書で教えられるだけで育った私は、どうして戦争にみんな従っていたのか、その理由がやっと分かり、納得しました。 小豆島の壺井栄記念館的な所にも以前行った...
前半の、田舎のごくありふれた日常、どこにでもある生活、それが後半に よりリアルさを与えました。 戦争をほとんど知らずに、教科書で教えられるだけで育った私は、どうして戦争にみんな従っていたのか、その理由がやっと分かり、納得しました。 小豆島の壺井栄記念館的な所にも以前行った事がありました。 「知らない」ことは、安全ではあるけれど、それは健全ではないと思いました。
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瀬戸内海べりの岬の分教場に赴任してきた「おなご先生」と12人の生徒たちとの心のふれあいを描いた愛の物語。悲惨な戦争がもたらした不幸と苦難をのりこえて、終戦後成長した生徒たちに招かれるが、「おなご先生」が再び二十四の瞳に出会うことはなかった。
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祖母は謎の多いひとだった。 父方のおばあちゃんなのだが、生まれたのは山形県の最上郡。地図で見ると、左向きのヒトの横顔型をした山形県のちょうど頭のてっぺんあたり、秋田との県境の南側にある寒村だ。そんな所から大正時代に東京の女学校に進学した。祖母以後の百年近く、その村から東京...
祖母は謎の多いひとだった。 父方のおばあちゃんなのだが、生まれたのは山形県の最上郡。地図で見ると、左向きのヒトの横顔型をした山形県のちょうど頭のてっぺんあたり、秋田との県境の南側にある寒村だ。そんな所から大正時代に東京の女学校に進学した。祖母以後の百年近く、その村から東京の大学に行ったものは1人もいない。仮にそう言われたとしても信じてしまうほどの10戸あまりの本当に小さな集落だ。 皇居に向かい合う祖母の母校の前を通りかかるたび、「あんな所からこんな所まで」どうして、といつも思う。異様と言ってよい向学心だ。 大正末年、祖母が嫁いだとき、祖父は不本意な商売の修行中だった。子のいない兄から跡取りに指名され、進学の希望は封じ込められていた。内緒で願書を出した師範学校の受験は、当日の列車の中から引きずり降ろすほどの力づくで妨害されていた。所帯を持たされたのも進学を断念させるためだった。 だが逆に、女学校出だった祖母は、あろうことか祖父を炊きつけて家出同然に東京の大学受験のため送り出し、自分は田舎に残った。既に父は生まれ、もうひとり身ごもっていた。昭和3年のことだ。 『二十四の瞳』は2度も映画化された壷井栄の名作で、筋は誰でも知り尽くしている。それをあらためて読んでみる気になったのは、今では想像するしかない祖母の謎、そのときの祖母の心情に近づきたいと思ったからだ。 主人公の女先生が「農山漁村の名がすべて当てはまる」寒村の分校に赴任したのがやはり昭和3年だ。 祖父が東京の大学に学び、卒業後家族を呼び寄せるまでの4年余り、祖母は田舎の尋常小学校で教員をして、2人の子と、東京の夫を支えた。どうしてそこまで、どう考えても普通のことではない。 物語の方の「女先生」は、自転車にのり洋服を着ていただけで村の人々から敵意をもって迎えられる。何年か後には当たり前の風俗となる「自転車」と「洋服」も、昭和3年の村では生意気な女教師が最初のひとりであったのだ。 そんな時代である。嫁ぎ先の商家の跡取りをそそのかして東京の大学にやり、自分が稼いで乳飲み子二人を喰わせている。そんな女教師を世間はどれほどの好奇と批判の眼でみたであろうか。 物語の冒頭は微笑ましい。一年生達が「小石せんせー」に逢いたくて、泣きながら8キロもの道のりを歩く有名なシーンは、「初めてのお使い」×12人分の感動だ。だが、中盤以降延々と続く12人と主人公に降りかかる不幸は、不幸と言うより時代の必然なのかもしれない。当然のことのように男の子の半分は戦死し、生き残ったうちの一人も負傷し失明する。 小林多喜二を読んでいただけで治安維持法で引っ張られる、などというくだりもちゃんと書かれている。プロレタリア文学の系譜に属する作品なのだ。だが思想性とは無関係に、ラストは何度目でも泣ける。 やはり名作だ。 だが、「謎」は謎のまま、むしろ深まった。 人々が皆貧しく、例外なく戦争に巻き込まれてゆくこんな時代の中で、祖母が抱いた「学びたい」、「学ばせたい」という異様な情熱は、一体どこからくるものだったのだろうか。 これからも考え続けるしかない。
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読むべきものを読んだという感じ。時代の荒波に翻弄されながらも、強く生きる大石先生と教え子たちに感動。決して皆が皆幸せという訳にはいかないけど、誰もが一生懸命でした。今なお色褪せぬ名作です。
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夏に黒木瞳主演でドラマ化されたやつです。 戦乱の中での先生と子供のいろいろが・・・ 私はドラマ見てから読んだんですが、文字からも伝わってくるもんは大きいです!! というか、私はきっと本の虫・・・
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師範学校を卒業して小豆島の分教場に赴任してきた「大石」先生と12人の教え子の物語。 小豆島に旅行に行き、興味を持ち買った。まだ読みきっていないので、がんばって読みます。
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小豆島に行ってみたいと思い、 有名だけどまだ読んでないからと 何気なく読んでみた小説だったけど こんなに内容の深い、感動できる小説だったとは。 この本を読んで、本当によかった。 市民の生活・暮らしぶりがよく描かれていて 「ほんの数十年前までは、小学生でも 学校から帰ってきてから...
小豆島に行ってみたいと思い、 有名だけどまだ読んでないからと 何気なく読んでみた小説だったけど こんなに内容の深い、感動できる小説だったとは。 この本を読んで、本当によかった。 市民の生活・暮らしぶりがよく描かれていて 「ほんの数十年前までは、小学生でも 学校から帰ってきてから、こんなにたくさんお手伝いを しないといけない時代だったんだな」と 今の時代の豊かさを痛感した。 また、戦中、本当は多くの人が心の中で思っていただろう 反戦の気持ちをとても分かりやすい表現で書いてあるところが 心に響いた。 言葉することは許されない時代だったけど やはりみんなこんなに悲しく思っていたんだと 思うと、本当にすさまじい時代だったんだなと思う。 色々と思ったり、考えさせられたりすることの多い本なので この本をもっともっと早い年代のときに読んでおけばよかったと思う。 これからも、どんどん若い人に読んでもらいたい本です。
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