悪童日記 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読書愛好家の間で話題になり、数珠つなぎに紹介されて読んだ。 多くの小説を読んできたすれっからしにアッパーカットを一発。 そんな本だ。 平易な文章、信用しないということ、求める愛、そして社会主義社会への批判。 二人の証拠、第三の嘘へと続く3部作の最初の1冊だが、これが特に秀逸。2冊目以降は読む必要無いとまで言い切っても残りの2冊をつい読んでしまう力のある本だ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
病みきった世界を『純粋な子供』の視点で述べてあって興味深かった。 子供にはどうすることもできない過酷な状況の中、 驚くべき方法で『残酷さ』と言う生きる術を実践していく、 一個体のように書かれている双子のタフさ…。 痛みに耐える鍛錬の章で、少しときめいてしまった。 私がMでショタコンな所為なのか(笑) 共感もできたしね? 特に『兎っ子』の結末は衝撃的だった。 幸せな人なんて存在しないように見えて、 でも心に愛を持つ人がたくさんいて、 それでもみんな死んでいく様は、 読んでる私もが空虚な気持ちになった。 続編も読みたいです。探さなければ…!
Posted by
なんというか… すごい本だとは思います。 が、多分に実験的で、それに気づくまで時間がかかったせいもあり、文章がどうにも… でも帯もいけないと思うの。 「読書界に感動の渦」だとか「非常の現実を鮮烈に描く」だとか。 そりゃね、あんな書き方だとは思わんだろうよ。 特に双子が一個体の...
なんというか… すごい本だとは思います。 が、多分に実験的で、それに気づくまで時間がかかったせいもあり、文章がどうにも… でも帯もいけないと思うの。 「読書界に感動の渦」だとか「非常の現実を鮮烈に描く」だとか。 そりゃね、あんな書き方だとは思わんだろうよ。 特に双子が一個体のように書かれているっていうのが大きかった。 双子だって、本来は一人ひとり独立した存在のはずなのに…っていうのが描かれるのは次の巻からのようなので続きをさっさと探してみたいと思います。 読む人によって、だいぶ印象が違うんじゃないかと思った。 ここに書かれてるのは事実だけだから、それに付随する感情って言うのは、その事実を目の前にした時の自分自身の感情っていうのがベースになるわけだから。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
怖くて不気味な世界のなかに主人公の子供たちの優しさを文脈から必死に拾って読んでいた。双子のタフさ、したたかさ、子供にはどうすることもできない(戦争、差別、etc)打開できない残酷な状況の中で驚くべき方法で生きる術を実践していく双子。衝撃なシーンもあってなんともいえない無常感。
Posted by
双子三部作の第一作目。 亡命先で、母国語ではない言葉で書かれた本書は、翻訳を経てもなお斬新だ。主観的考察を徹底して排し、過酷な戦時下で生きるための行動の記録のみを綴った本作。一人称は「ぼくら」である。リュカにしろ、クラウスにしろ、私的な内部などには微塵もこだわりがない。 彼らの意...
双子三部作の第一作目。 亡命先で、母国語ではない言葉で書かれた本書は、翻訳を経てもなお斬新だ。主観的考察を徹底して排し、過酷な戦時下で生きるための行動の記録のみを綴った本作。一人称は「ぼくら」である。リュカにしろ、クラウスにしろ、私的な内部などには微塵もこだわりがない。 彼らの意思は単純に「生き延びること」に向けられている。これは文学として極めて稀有な例である。殆どの文学はその意思に辿り着くまでの湾曲を語るが、本書においては、まず「生きる意志」ありきなのだ。 双子の体現する、優れた兵士のような冷酷の中に、修行僧のような硬骨のなかに、「生きる」という言葉の意味が、再び新しく産まれる。
Posted by
双子のきょうだいは戦時下で生きてくために修行する。いろんなやりかたを覚える。理解不能なものを見て、必要なければ理解なんかしない。ただ、うまいやりかたを覚える。だって、そうしなければあまりにも。 衝撃はラストに。※続編2つを含めた三部作。
Posted by
えぐくて暗くてでもどこかやさしくて、幸せな人なんて存在しないようにみえて、でも心に愛を持つ人がたくさんいる。そして死んでいく。 3部作中最高傑作はこれだと信じています。
Posted by
20年ほど前からうちにある本。なぜかずっと積読だったのを、iPad用に断裁したのをきっかけに読了。 読まなかったのはおそらく「少年もの」系が全般に嫌いだからだと思う(なのに児童文学好きというのはちょっと変だけど)。「少年」を主人公とするために無理やり「大人の目から見た」「純粋さ...
20年ほど前からうちにある本。なぜかずっと積読だったのを、iPad用に断裁したのをきっかけに読了。 読まなかったのはおそらく「少年もの」系が全般に嫌いだからだと思う(なのに児童文学好きというのはちょっと変だけど)。「少年」を主人公とするために無理やり「大人の目から見た」「純粋さ」や「純朴さ」を演出するのが嫌いなのだ。もちろん少年の「異能ぶり」を強調するだけのものも大嫌い。 本書に出てくる「ふたご」も「異能」ではあるのだけれど、その描き方は自然で、大人の観点からする「押し付け」が感じられない。断片的な「ドラマ」から「歴史」を扱いつつ、しかし主人公の「少年たち」の魅力に引き込まれる。 20年読まずにいた自分の嗅覚を残念に思いつつ、それでも結局はしっかり出会うことのできた名作に感謝。三部作はいずれも手元にあるので、まとめて読めるのも積読にしておいたメリットか。 思わぬ幸運に気持ちが盛り上がっているところ。
Posted by
"ぼくら"の日々が淡々とした文章として描かれています。 双子が書いた日記、独特の世界観で一気に引き込まれると思うので、是非読んでみてください^^ 若干、扱っている内容が暗いかもしれませんが、それも含めて面白かったです。
Posted by
20年くらい前に読んだ。のだけど、すっかり忘れてしまった!! どんな話だっけ??「第三の嘘」も読んだはずなんだけど、思い出せない。 ということで、再読しようと思ってブックオフで買ってきました…。
Posted by