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悪童日記 の商品レビュー

4.3

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    56

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2012/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

≪内容覚書≫ 戦争中。 生活が苦しくなった母は、祖母の家に双子を預ける。 けちな祖母との暮らしの中で、 双子が村人や平地と関わりながら、 たくましく生き抜いて行く様子を、 彼らの日記形式で描いた小説。 続編有り。 ≪感想≫ 「悪童」となっているが、 双子には「悪」の概念がないと感じた。 というより、善もない。 双子は目の前で起きたことに対して、 倫理的な感情は持っていない。 自分たちがどう感じ、どう対処していくか。 善悪を気にすることなく、 実に正直に、彼らの日記として、 平易な文章で語られていく。 その文面が面白くもあるが、それ以上に怖くもある。 これが「戦争」か、と思ってしまった。 人殺しは「悪」。してはいけないこと。 でも、戦時中は、平気で殺す。 してはいけないことの「悪」の概念が消える。 そうすれば対極にある必然的に「善」も消える。 戦時中に生まれ、育っていくこどもだからこその視点。 善悪を教えられた大人の視点では、こうはならない。 加えて、善なのか悪なのか、はっきりしない個性のせいで、 感情が書かれていたとしても、 演技なのか真実なのか見抜きにくい。 行間を読む楽しさのある小説になっていると思った。 どういう意図で発言したんだろう、と、 いくらでも深読みしていける。 そういう、いわば妄想を楽しめる人にとっては、 大変いい素材となる小説だと思う。 続編もいずれ読みたいと思えた。

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2012/08/18

あとがきや帯に書かれているように、ブラックユーモア(実は「黒い」というより「白い」ユーモア)、凍ったユーモアに貫かれた物語。 一人称複数形といういびつな視点がさらに世界観を深遠にする。 単なる戦争文学ではない。

Posted byブクログ

2012/06/17

昨年?一昨年?に、させの友達O田君と初めて会った時に勧めてもらった本。その後図書館で一度借りるも、なぜか読まずに返すwww そして今やっと読み終えました! 時代や国は明確に示されていないけど、おそらくヨーロッパ。 戦時中、母親から疎開のために祖母の家に預けられた双子の少年の話。...

昨年?一昨年?に、させの友達O田君と初めて会った時に勧めてもらった本。その後図書館で一度借りるも、なぜか読まずに返すwww そして今やっと読み終えました! 時代や国は明確に示されていないけど、おそらくヨーロッパ。 戦時中、母親から疎開のために祖母の家に預けられた双子の少年の話。 少年って多分最初に読んでたはずなんだけど、なんとなく私の中で女の子と男の子のイメージで読んでました。 しかも2人いるはずなんだけど、ずっと1人だったような気がする。 2人の淡々とした感じもうっすら怖いんだけど、やっぱり戦争が日常にあるっていうことが淡々と書いてあるのが怖い。 淡々としてるからこそ生々しく戦争の匂いがする本でした。 それにしても獣姦とか強姦とか青姦とか、なんかすごかった。 ドMの将校とか。 これは訳者の人もすごくいい仕事をしてると思います。 子供たちの無感情なところだけを読むと不気味な感じがするけど、人間が生きていく強さとか、大事なものをぶれさせない強さって大事だなと思いました。 頭を良くするのは学校の勉強だけじゃない。 どうやって生きて行くかを考えるのをやめた時に、人間は退化するのだと思います。

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2012/05/19

とても読みやすく、一気に読んでしまった。 決して奇麗な内容ではないのに、双子の主人公や文章が魅力的に感じたことが印象的だった。 主人公の感情表現がほとんど無いため、淡々と話が進むが、内容がとても衝撃的なことばかりで、目をそらしたくなるような情景を包み隠さず読み手に真っすぐ突きつけ...

とても読みやすく、一気に読んでしまった。 決して奇麗な内容ではないのに、双子の主人公や文章が魅力的に感じたことが印象的だった。 主人公の感情表現がほとんど無いため、淡々と話が進むが、内容がとても衝撃的なことばかりで、目をそらしたくなるような情景を包み隠さず読み手に真っすぐ突きつけてくるような、そういった感覚になった。 一見冷酷的な主人公たちだが、読んでいてとても無垢で穢れを感じず、彼らのやっていることが酷いことであるとは感じなかった。 続編の「証拠」も是非読みたい。

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2012/02/04

中学生か、高校1年生の頃に読んだ本。歴史以外の物語を読む事がほとんどない私にしては珍しく自主的に読んだ。ふと思い出して読み直したが、やっぱり最後はよくわからなかった。でも手放せない。当時から私は双子好きだったんだな…。

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2020/07/27
  • ネタバレ

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図書館で借りたんだけど、絶対に自分でも買おうと決めました。 インパクトの強さにやられました。残酷な場面もありますが、これが戦時下の現実でもあるのだろう。悲惨なことも淡々と時には冷酷に書き綴られる「作文」風の文章の中に、たまに愛情が感じられる一文が見られたりして、胸にぐっとくる。3部作とのことなので、今度まとめて買おう。

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2012/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。3部作だと知ったので、今回立て続けに読んじゃうもんね。しかしこれを紹介してくれたあのメルマガははずれなしだったよなー。もう一度あれを再開して欲しいものだ。やっぱり面白かった。内容は覚えてないけど、面白かったということは覚えてたんだよね。あとがきというか解説に、双子が書いていたノートというていだ、とあったけど、これは前回読んだ覚えがない。ほんとに文体がシンプルで無駄がないというか、そっけないほど。それが戦時中の辛い感じとよく合う。ほんとにこれだけの生命力、あくどさがなきゃ生きていけなかったのだろう。ばあちゃんのけちさにも理由があるというか。最後、双子が別々の道を選んだというのに、びっくり。ほんと私全然覚えてないんだな。次も楽しみ。

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2011/12/29
  • ネタバレ

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最も好きな本の1つ。 全て現在形を使うという手法etc.、本全体が持っている個性が、とても好き。 ややショッキングな内容も含まれているが、だらだらと余計な心理描写が排除され、事実を淡々と綴っている。とにかく引き込まれる。

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2012/03/20

10代の頃に読み衝撃を受けた。 読みやすくて面白いので気軽に人に薦められる一冊だと思っていたが、今思うと読む人を選ぶ小説かもしれない。

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2011/11/28

昔から読みたかったんだけどやっと読めた。 主人公である双子が書いた作文。という形で進む。 ひどくシンプルな文章ながら最初の一文から引き込まれます。 戦時下、「ぼくら」 は「魔女」の家に預けられた。 歪んだ世界に適応するためか、「ぼくら」は体や心、頭の鍛錬をかかさない。 やがて戦...

昔から読みたかったんだけどやっと読めた。 主人公である双子が書いた作文。という形で進む。 ひどくシンプルな文章ながら最初の一文から引き込まれます。 戦時下、「ぼくら」 は「魔女」の家に預けられた。 歪んだ世界に適応するためか、「ぼくら」は体や心、頭の鍛錬をかかさない。 やがて戦争も終わりに近付く頃、双子の母親が二人を迎えに来たが・・・ 続編もはやく読みたいです

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