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坂の上の雲 新装版(七) の商品レビュー

4

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    50

  3. 3つ

    31

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2012/01/05

クロパトキンの徹底とした天使ぶり。蒙古来襲時の神風のよう。暴れるだけ暴れて、気がついたら何故だか撤収している。日本軍に買収されていたのではないのか?、と疑いたくなるような行動の連続。黒鳩よ、ありがとう。 いよいよ決戦前夜。もの凄く盛り上がったところで、最終巻へ。楽しみです。

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2017/08/15

 満州の地で始まった日露の一大会戦で日本軍は、陣営の左翼と右翼で大規模な軍事行動に出て、ロシア軍に揺さぶりをかける。その揺動により戦線が伸び、手薄になったロシア軍中央主力を一気に最強部隊で叩くという作戦に出た。上手くいって五分五分、そこをなんとか六分四分まで押しこんで、講和に持ち...

 満州の地で始まった日露の一大会戦で日本軍は、陣営の左翼と右翼で大規模な軍事行動に出て、ロシア軍に揺さぶりをかける。その揺動により戦線が伸び、手薄になったロシア軍中央主力を一気に最強部隊で叩くという作戦に出た。上手くいって五分五分、そこをなんとか六分四分まで押しこんで、講和に持ち込むという大ばくちにに出た日本軍の作戦は、ロシア軍の不可解な撤退によって、奉天を陥落させるまでに至った。  実際にはロシア軍兵士も勇敢に戦ったのだが、総司令官であるクロパトキンが児玉の揺さぶりにことごとくひっかかり、日本軍の予備隊の幻影に怯えて、後方への撤退を指示したための敗走である。あとわずかでも有能な司令官だったら物量からいってもロシアが勝つ戦いだったし、悪くても戦線が硬直するだけで、兵力の消耗が同じ程度ならいづれ日本軍のほうが根負けしていた戦いだ。  この臆病な司令官に意見を具申できない官僚的な軍組織がロシアの敗因であり、日本にとっては幸運だった。  奉天会戦は戦術の勝利では決してない。    

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2011/12/27

昨年6巻まで読んで途中で止まっていたのをまた再開。テレビ版も俳優さんたちの熱演や映像など見ものなのだけど、原作を読んでしまうとテレビはつくづく不自由だなーとおもえてしまう。 やっぱりどうせなら、知の巨人による痛烈な至言に満ちた骨太な文体を、噛んで噛んでたくさん噛んで飲み下して消化...

昨年6巻まで読んで途中で止まっていたのをまた再開。テレビ版も俳優さんたちの熱演や映像など見ものなのだけど、原作を読んでしまうとテレビはつくづく不自由だなーとおもえてしまう。 やっぱりどうせなら、知の巨人による痛烈な至言に満ちた骨太な文体を、噛んで噛んでたくさん噛んで飲み下して消化してまるで栄養にしていくみたいに読まないともったいないよね。 「日本においては新聞は必ずしも叡智と良心を代表しない。むしろ流行を代表するもので」なんて言葉にはドキッとさせられた。

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2011/12/06

奉天会戦、バルチック艦隊東進、日本海海戰直前まで。奉天会戦の日本軍勝利に最も貢献した将軍は、誰あろうクロパトキンだったのだな。日本が勝ったのではなく、露西亜が勝手に負けたのだ。新聞連載中ならともかく、小説中でク将軍とかロ提督とか略すのは止めてもらいたい。各巻末の関連地図はあまり役...

奉天会戦、バルチック艦隊東進、日本海海戰直前まで。奉天会戦の日本軍勝利に最も貢献した将軍は、誰あろうクロパトキンだったのだな。日本が勝ったのではなく、露西亜が勝手に負けたのだ。新聞連載中ならともかく、小説中でク将軍とかロ提督とか略すのは止めてもらいたい。各巻末の関連地図はあまり役に立たない。文章中の地名が半分ほどしか出ていない。

Posted byブクログ

2011/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

陸軍が奉天会戦を終え、児玉がこう言った。「このあたりが、切りじゃ」こののちは海軍に委ねることとなった。(和平までの数ヶ月間は日本海海戦が終わった後も戦闘は続けられていたが) 徹頭徹尾ロシアが優位な条件にあったのに関わらず、将によってロシアは五分五分に持ち込まれた、いや負けた。敗北感というものがロシア兵の中に刻み込まれたのだ。個々の能力が高くても上に立つものの存在がどれほど大事かを知らしめられた。 この点、海軍では日本はより個々よりもチーム、統率を意識した。特にこれを感じたのが、露が砲弾を打つ際、個々に相手の戦艦に対して打ち込むのだが、日本では新たな方式を採用した。三笠の砲兵の将の指示が下り、それに呼応して各艦の砲の将が統率して打つのだ。上の命令が下るまでは打ち出す事はできない。これは諸刃の剣でもあるように自分は感じた。将が有能でなければ、伝達手段が整っていなければ、成功し得ないからである。将が全体の状況を把握し、かつ迅速でその場にあった全体的なチーム行動を考えねばならない。 また、8巻の内容になるが、日本の第一艦隊は露の旗艦スワロフの航路を見誤った。北路に逃げていくと判断したが、実際は舵の故障であった。それを見破った、第二艦隊の旗艦の上村らは三笠についていかず、自ら針路をとった。こういった従うだけでなく自主性も備えていた日本海軍は当時世界最高のチームであったのではないかと思う。 内容からはずれたが、この陸軍の下りの後、金子らによる国際世論の操作、そして対馬コースを選んだバルチック艦隊との遭遇へと物語は進んでいく。

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2013/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おすすめ度:90点 奉天会戦は、どうみても日本軍が勝てるべき戦いではなかった。 兵力、火力ともにロシア軍よりも格段の差で劣性に立ち、軍隊の質も、ロシア軍は欧露から多数の若々しい士卒が補充されていることに対し、後備の老兵をもってふやけさせており、予備軍も実は持っていなかった。 ロシア軍が負けるべき戦いではなかった。 ロシア軍は作戦で敗れた。徹頭徹尾、作戦で惨敗した。 ロシア軍の敗因は、ただ一人の人間に起因している。クロパトキンの個性と能力である。 次巻最終巻で、最後の日露両国の運命を決する海戦へと引き継がれていく。

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2011/10/20

奉天会戦で奇跡の勝利を得た満州軍。しかしすぐに児玉源太郎が日本へ戻り停戦準備を始める。 怖いと思ったのは大衆世論で、勝ちに酔って現実が見えなくなってることである もう少し会戦の状況を細かく描写して欲しかった

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2011/10/05

いよいよ日露戦争も大詰め。 各人物の気持ちが手に取るように伝わってきて、読む方も自然と力が入る。 いよいよ次巻はバルチック艦隊との決戦。楽しみである。

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2011/10/05

日本海海戦への過程について知りたてく読書。 旅順開城の後、北進し、戦場は北へ拡大していく。100年前のこの時代は、帝国主義が世界の強国の論理であり、現在の歴史観、一般的な論理で判断すると危険だと改めて思う。もし、この戦争でロシアが勝利していたら、日本も、今の中国も、挑戦半島の国...

日本海海戦への過程について知りたてく読書。 旅順開城の後、北進し、戦場は北へ拡大していく。100年前のこの時代は、帝国主義が世界の強国の論理であり、現在の歴史観、一般的な論理で判断すると危険だと改めて思う。もし、この戦争でロシアが勝利していたら、日本も、今の中国も、挑戦半島の国も消滅していた可能性が高いと考えると、非常に恐ろしい。 日露戦争あたりから、日本近代史は世界史と同化、連動していくことが分かる。 読書時間:約1時間 本書は日本領事館大連出張所でお借りました。

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2011/09/30

奉天会戦に日本が勝利し、いよいよバルチック艦隊と東郷艦隊の対決へ。 人間の一生で他人に繰り返し語るに値する体験というのは、なかなかない。そういう体験をできるように日々精進しなければ。

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