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夜明けのすべて 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2023/09/05 |
| JAN | 9784167920920 |
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夜明けのすべて
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商品レビュー
4.3
718件のお客様レビュー
同じ職場で働く藤沢さんと山添くん。 藤沢さんはPMSで周囲に当たり散らし、山添くんはパニック障害を発症し無気力で周囲をシャットアウト。 2人は自分の力ではどうしようもない病を抱えている。 最悪な第一印象から始まったが、お互いの事情を知ることで、少しずつ相手を助けようと動き出す。...
同じ職場で働く藤沢さんと山添くん。 藤沢さんはPMSで周囲に当たり散らし、山添くんはパニック障害を発症し無気力で周囲をシャットアウト。 2人は自分の力ではどうしようもない病を抱えている。 最悪な第一印象から始まったが、お互いの事情を知ることで、少しずつ相手を助けようと動き出す。 二人はお互いに関わることで、完璧ではない今の自分を受け入れ始める。 「自分のことは助けられなくても、相手を助けることならできる」という気づきが、彼らに一歩踏み出す勇気を与える。 完全な解決ではなくても、少しだけ明るい兆しが見える「夜明け」のような希望が描かれている。 単なる「闘病記」や「恋愛小説」ではないのもよい。 心に生きづらさを抱えた二人の男女が、恋人でも友人でもない、もっと特別な連帯感でつながっていく温かな物語。
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辻本課長、栗田社長のような人がいる会社、ステキ。 そして栗田金属というゆったりとした会社の中で、それぞれの社員さんのいいところを見つけられるのも、山添くんのいいところです。 藤沢さんの行動力と、みんなに喜んでほしいと思う気持ちもいいよね。 気持ちが晴れやかになる小説でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
藤崎さんも山添くんも、どこにでもいる人なのだと思う。自分から見れば、特別ではない「よくいる人」。けれど当人にしかわからない、当人だけの苦しみをそれぞれ抱えている。 二人は、世間から成功者と呼ばれるような立派な別々の会社に入る。しかしさまざまな要因で体調を崩し、辞職することになる。その後、栗田金属という極めて小規模な会社に入り、少しずつ自分を取り戻していく。 藤崎さんも山添くんも、まあ大概お節介だ。 自分のことはうまくどうにもできないのに、他人のことになると「こうしたらいいんじゃないか」と思い、即行動に移してしまう。やり方は強引で、どこか変で、正解とは言い難い。それでも二人は、その不器用さゆえに、お互いに良い影響を与え合っていく。 突然家に押しかけて髪を切る。急に腕を引っ張り、会社の外へ連れ出し、雑草を抜かせる。客観的に見れば、正直ドン引きしてしまう場面もある。それでも当人たちにとっては、その不器用な思いやりが、確かに心を動かしていく。 二人は友人でも、恋人でもない。ただの同僚で、本当にお節介。けれど、それでいいのだと思う。やり方は変でも、思いはきっと通じるから。 特に印象に残ったのは、「完全な孤独など、この世に存在しない」と山添くんが確信するシーンである。 体調不良で苦しんでいたある日、山添くんの郵便受けに、おまもりが三つ届く。 おまもりの差出人は藤崎さん(同僚)、他二つは名無しで届く。山添くん自身は差出人探しにほとんど興味を示さないが、藤崎さんが奔走し、ついに送り主を特定する。一つは栗田金属の社長とすぐ分かったそうだ。そしてもう一つは、前職の上司からのものだった。辞職したから関係は終わったと思っていても、どこかでその人の幸せを願っている誰かがいる。それは、想像以上に強い心の支えになる。自分が思っている以上に大事に思ってくれているし、頼っていいんだよというメッセージであると考える。 劇的な救いはない。それでも夜はいつか明け、世界は昨日とほとんど変わらない顔で続いていく。 世間体を気にしすぎて動けない人、体調不良で苦しんでいる人、「こうあるべき」に囚われてしまった人、苦しみを抱えている全ての人に、この物語はそっと優しさを教えてくれる。 うまく生きられなくても、それでも生きていていいのだと、静かに肯定してくれる。ほんの少しだけ顔を上げてみよう、そう思った。
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