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天北原野(下) 新潮文庫
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天北原野(下) 新潮文庫

三浦綾子(著者)

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天北原野(下) 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1985/05/01
JAN 9784101162133

天北原野(下)

¥220

商品レビュー

4.3

16件のお客様レビュー

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2024/09/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

貴乃はひたすらに耐え続けた。人間だから耐えなければならないと。しかしひたすらに耐え続けた貴乃は幸せだっただろうか? 完治と結婚した時から貴乃の心は凍てついてしまったように見えた。自分の心を凍らせなければ、耐え抜くことはできなかっただろう。 辛いことを耐えずに礼文島へ帰った女性は幸せに暮らしているという描写がある。 耐え抜くことが必ずしも正義ではなく、辛ければ逃げてもいいと言うメッセージだろうか? 天真爛漫なあき子はお金だけでは生きていけなかった。優しい夫がいるにも関わらずに。 あき子は貴乃と孝介の関係を知らなければ死ななかっただろうか? 知らなくともいつかは孝介の前から姿を消していたように思う。 どれだけお金があり、生活になんの不足も無く、夫から大切にされても愛がなければ寂しく不倫に走ってしまう。 あき子がイワンの子を2度身ごもっても、読者も孝介もあき子を憎むことはできない。これはあき子の天性にも感じる。 孝介の「幾人産んでもいいんだよ、幾人でも育てるから」と言う言葉に深い愛を感じずにはいられなかった。 戦争を知らない世代からすると、戦争が終わって国民は喜んでいたのかと思っていたが 終戦後の虚無が稚内にいる貴乃からひしひしと伝わってきた。 地上戦があったのは沖縄とよく言われるが、樺太でも地上戦があり、樺太から引き揚げを余儀なくされた人々が多くいることを忘れないで欲しい。

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2023/11/04

愛憎劇と社会や戦争がもたらす人生の不条理が 人間の本質的な部分を浮き彫りにしていって 生とは、死とは何かを考えさせられる内容でした。 「氷点」に近いスキャンダラスな愛憎劇だけど、 生も死も、善も悪も肯定するような 壮大なスケールの精神性を感じました。 全体を通して、展開もテン...

愛憎劇と社会や戦争がもたらす人生の不条理が 人間の本質的な部分を浮き彫りにしていって 生とは、死とは何かを考えさせられる内容でした。 「氷点」に近いスキャンダラスな愛憎劇だけど、 生も死も、善も悪も肯定するような 壮大なスケールの精神性を感じました。 全体を通して、展開もテンションも結末も 常に程よい緊張感があり、個人的には今のところ三浦綾子最高傑作です。

Posted by ブクログ

2023/03/21

泥流地帯が良かったので、全くあらすじを知らないまま手に取った。舞台こそ戦前の樺太と北海道で三浦綾子の世界観だが、登場人物たちの複雑に絡み合った愛憎の人間関係は現代の昼ドラでもこうはいかないだろうというほど。 神は登場人物全員に過酷すぎる運命を与えるのだが、主人公の貴乃は身を捩りな...

泥流地帯が良かったので、全くあらすじを知らないまま手に取った。舞台こそ戦前の樺太と北海道で三浦綾子の世界観だが、登場人物たちの複雑に絡み合った愛憎の人間関係は現代の昼ドラでもこうはいかないだろうというほど。 神は登場人物全員に過酷すぎる運命を与えるのだが、主人公の貴乃は身を捩りながらただひたすら耐える。耐えて、耐えて、耐えた最後に戦争はさらに試練を与えていく。人間にとって耐えるということはーー。 2023/03

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