アフターブルー の商品レビュー
恥ずかしながら、「納棺師」という言葉、職業をこの本で初めて知りました。 また、本作品のような「納棺の専門業者」がいらっしゃること、様々な理由があり損傷の大きいご遺体があり、それらを修復してくださっているということ、も初めて知りました。 自分が本を読む際は、本の登場人物になった...
恥ずかしながら、「納棺師」という言葉、職業をこの本で初めて知りました。 また、本作品のような「納棺の専門業者」がいらっしゃること、様々な理由があり損傷の大きいご遺体があり、それらを修復してくださっているということ、も初めて知りました。 自分が本を読む際は、本の登場人物になった気持ちになって、こういう時は何を考えているだろう、どうするだろう、とか考えながら読み進めることが多いのですが、この本ではあまり感情移入ができず。 というのは内容が問題というではなく、このお話に出てくる登場人物の方の辛い過去に、自分の心が同一視すること、考えることをストップかけたというか、、、。 登場人物の心の描写、記述が胸を突くというか、読んでいて切なくなることが多かったです。 (逆に自分の文章化力の無さにとても悔しくなります。) 「二課」のメンバーが、悩みながらも「生きて」いける場所を見つけることができてよかった。
Posted by
亡くなられた人のために、または大切な遺族のために、ご遺体を復元し綺麗に整える職業にとても感動した。身内から忌み嫌われても納棺師の仕事を全うする姿や、それぞれの抱える事情や闇とひたむきに向き合っていく強さは読んでいて熱くなれた。ご遺体の激しい描写はあれど、その表現方法でなければ伝わ...
亡くなられた人のために、または大切な遺族のために、ご遺体を復元し綺麗に整える職業にとても感動した。身内から忌み嫌われても納棺師の仕事を全うする姿や、それぞれの抱える事情や闇とひたむきに向き合っていく強さは読んでいて熱くなれた。ご遺体の激しい描写はあれど、その表現方法でなければ伝わらない空気感もあると思うので、作者のチャレンジングで圧倒的な描写力に今後の作品も期待したい。
Posted by
第19回小説現代長編新人賞受賞作。 すごい新人作家さん。葬祭業でもない納棺業。映画を撮られているのをチラッと思い出しましたが、そんなきれいな話ではなく現実に起こっている状態の良くない遺体を特殊復元していただける会社。遺体を扱う深い内容も取材のたまものなんでしょうね分りやすくでも悲...
第19回小説現代長編新人賞受賞作。 すごい新人作家さん。葬祭業でもない納棺業。映画を撮られているのをチラッと思い出しましたが、そんなきれいな話ではなく現実に起こっている状態の良くない遺体を特殊復元していただける会社。遺体を扱う深い内容も取材のたまものなんでしょうね分りやすくでも悲壮感・恐怖感もなく読み切れました。死に向き合うことの重要性を感じられた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 5人の納棺師たちは全力を尽くす。遺された人々が、最後に顔を見てお別れを言えるように。 「どんなに考えても、探しても、人が死んだ理由なんて絶対に見つからないんだよ」 納棺師、遺品整理士、生花装飾技能士……葬儀関係のプロ集団「株式会社C・F・C」。 とりわけ損傷の激しい遺体を専門に扱う「二課」は、無残な状態から生前の面影を復元するのがミッション。 事故、事件、自殺ーー二課には毎日のように遺体が運ばれてくる。入学式を明後日に控え線路に正座していた少年、ゴミ屋敷で餓死した男性、幼い我が子を残して事故に遭った母親、飛び降りる瞬間を動画配信していた少女ーー 二課の納棺師たちはその手で、失われた生前のおもかげを復元していく。 愛する人が突然この世を去った時、どうすれば立ち上がれるのか。あの人はなぜ命を絶ったのか。遺された者はどう生きればいいのか。 それぞれに「喪失」を抱えた納棺師たちもまた、明日を生きる微かな光を見出していく。 『時間というのは残酷で、良くも悪くも変化しながら進んでいく。心にあった熱も次第にすっと逃げてしまい、本来の目的さえも忘れそうになる。一生変わらないと思っていた愛情が、ただの情になってしまっているのかもしれない。』 『どんなに考えても、探しても、人が死んだ理由なんて絶対に見つからないんだよ。理由なんて、生きている人間が決めることなんだよ。』 『喜びも、幸福も、一瞬にして奪われる。 不幸も、失望者、一瞬にして訪れる。』 『人の抱えているものに、重いも軽いもない。人の最期に良いも悪いもない。それなのに、人は無理にでも理解しようとして選別する。勝手に理由をこじつけて、そうだと決めつけて、安心したくなる。理解できないものは、とてつもなく怖い。』 【個人的な感想】 他の方の評価が高くて期待しすぎていたのかも。 私にはあまり響かなかった。 どの登場人物にもあまり感情移入できなかった。
Posted by
装丁と帯に書かれていることばが印象に残ってて、 読みたいな〜と思っていた本。 普段は全然考えもしない’死’と向き合う話。 納棺師それぞれの思い、背景が一章ずつ語られていく。 帯を見て期待しすぎてたからちょっと自分にはあまり響かなくて、残念でした…(><)
Posted by
納棺師さんたちのお話。 それぞれがそれぞれの理由、想いを抱えながらら納棺師としての仕事をしている姿がとても格好よく思えた。 素敵なお話というには重い内容・表現があるかもしれないけど、それでも素敵なお話だった。 こと本を読んでいる時に、親戚のお通夜があって亡くなった方のお顔を見...
納棺師さんたちのお話。 それぞれがそれぞれの理由、想いを抱えながらら納棺師としての仕事をしている姿がとても格好よく思えた。 素敵なお話というには重い内容・表現があるかもしれないけど、それでも素敵なお話だった。 こと本を読んでいる時に、親戚のお通夜があって亡くなった方のお顔を見て、本当に素晴らしいお仕事なんだなと改めて思った。 あと、作家さんの言葉選びが素敵だった。 またいつか、読み返したい本です。
Posted by
損傷のある御遺体を復元する納棺師のお話。 復元に関する処置の表現は、取り繕う様子もなく生々しく表されているため、想像力が豊かな方にとっては読み辛いこともあるかもしれません。 しかし、登場人物が「なぜ、この仕事をするようになったのか」等の背景がとても感慨深く、惹き込まれました。 最...
損傷のある御遺体を復元する納棺師のお話。 復元に関する処置の表現は、取り繕う様子もなく生々しく表されているため、想像力が豊かな方にとっては読み辛いこともあるかもしれません。 しかし、登場人物が「なぜ、この仕事をするようになったのか」等の背景がとても感慨深く、惹き込まれました。 最後に、『アフターブルー』という、内容を想像し難いタイトルではありますが、読み終わった後には、その意味と美しさが解るかと思います。ちなみに、原題は『薄明のさきに』です。
Posted by
葬儀関係の会社で働く納棺師5人のお話。その5人は会社の中の通称二課と呼ばれる部署で働いている。そこでは損傷の激しいご遺体を復元させることが主な仕事。 物語は新入社員の東雲くんが入社し、二課に仮配属されるところから始まる。東雲くんは仕事を見学したときに見た八宵さんに見習いにつくこと...
葬儀関係の会社で働く納棺師5人のお話。その5人は会社の中の通称二課と呼ばれる部署で働いている。そこでは損傷の激しいご遺体を復元させることが主な仕事。 物語は新入社員の東雲くんが入社し、二課に仮配属されるところから始まる。東雲くんは仕事を見学したときに見た八宵さんに見習いにつくことを希望し、見習いをスタートさせる。 課長の有明、リーダーを務める入相、同期の八宵と朝未、そして新入社員の東雲。それぞれが悩みを抱えながら仕事に向き合っていく。 読んでいて、納棺師の仕事というのは綺麗な部分だけじゃなくて大変というのはもちろんだけど、本当に感謝すべき大切な仕事だなと思った。見るも無惨なご遺体であっても、遺族にとっては大切な家族であって、納棺師の方が綺麗に整えてくれなかったらきちんとお別れが言えないのかもしれない。当たり前に思っていた故人の顔をみてお別れをいえるって、影で働いてくれている人たちのおかげなんだよね。 登場する5人が誰も良い人で、激務でもこの5人となら支え合って働けているのかなとも思った。個人的には同期の八宵と朝未の関係性がいいなぁ。お互い言いたいことを言っているけど、決して仲が悪いわけではなくてお互いを認めている部分もある。同期って大事だなー。
Posted by
辛い過去。 克服している過程。 小説を読んでいると良くある構成。 それなのに心に響く文章と表現力。 納棺師という特殊な職業背景で、死という重い内容を使いながらも読みやすい。 こんなに凄いのに処女作なの!? 次回作はいつだろう…
Posted by
読み始めは、遺体の生々しい様子に面食らった。 読み進めていくうちに、ズタボロの遺体を修復しようと懸命に働くスタッフたちの様子に胸を打たれた。 彼らの抱えているものが少しずつ見えてくると、感情移入した。 これが著者のデビュー作、かつ初めて書いた小説だというのに驚いた。
Posted by
