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アフターブルー の商品レビュー

4.1

133件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    55

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2025/08/28

本音痴なのでどんな本なのかは分からず、表紙とタイトルを見て読んでみたいと思った。 納棺師…もっくんのおくりびとの世界しか見たことのない自分にとって今回の舞台はあまりにも凄惨であり言葉に出来ないものであったが、読むうちにどんどん引き摺り込まれていく。確かにこのようなことは色々なとこ...

本音痴なのでどんな本なのかは分からず、表紙とタイトルを見て読んでみたいと思った。 納棺師…もっくんのおくりびとの世界しか見たことのない自分にとって今回の舞台はあまりにも凄惨であり言葉に出来ないものであったが、読むうちにどんどん引き摺り込まれていく。確かにこのようなことは色々なところで起きており、日々ニュースで報道されている。でもこんな場面があることは知らなかった。 登場人物たちの人生模様も深く重いものばかりであり、ストーリーに箔をつける。 何とも不思議な読み応え満点の本であった。

Posted byブクログ

2025/08/28

本来、仕事で偏見や職業差別を受けることはあってはいけないこと しかし、残念ながら現実はそういうわけにはいかない 実際、偏見や職業差別を受けている仕事も多いと思う 例えば、「人の死」を扱う仕事もそのひとつではないだろうか 本作では「人の死」を扱う納棺師、その中でも「特殊復元処置衛...

本来、仕事で偏見や職業差別を受けることはあってはいけないこと しかし、残念ながら現実はそういうわけにはいかない 実際、偏見や職業差別を受けている仕事も多いと思う 例えば、「人の死」を扱う仕事もそのひとつではないだろうか 本作では「人の死」を扱う納棺師、その中でも「特殊復元処置衛生課」という課にスポットライトを当てている 「特殊復元処置衛生課」とは、事故や事件、自殺などで亡くなった損傷の激しい遺体の復元処置をおこない、遺族が対面できるようにすることを目的としている 正直、私はいろいろな意味でこの仕事をすることはできないでしょ ただ、私にはできない仕事だけど、なくてはならない仕事だと思います 復元処置をしなかった遺体は、遺族が顔を見ないままお別れをすることが多い 状況によっては、とてもでないが遺体が見れる状態でないため、遺体の顔を包帯で巻いて隠したり、棺をテープで固定してあけられないようにすることもある 生きている人のために、大切な人を見てはいけないものとして扱う それが、最善で当然のことだとも思う でも、最期の姿を見なかったことで残された人の心には大きなわだかまりを作ることもある だから、きちんと顔を見てお別れができるように処置をしてあげる大切な仕事だと思う 残された人たちにとって少しでも前を向くきっかけになるように、そしてこれから先も生きていけるように、、、

Posted byブクログ

2025/09/02

・それぞれの章で私が変わり、それぞれの見方で同じ景色を見ている。ドラマではできない。一気に読む書籍ならではの構造。それぞれにドラマが存在し、レッドゾーンを思い起こさせた。 有明 二課長 八宵 朝未 入相 日高 新入社員 即戦力 霧生 シングルマザー 風間 フリーライ...

・それぞれの章で私が変わり、それぞれの見方で同じ景色を見ている。ドラマではできない。一気に読む書籍ならではの構造。それぞれにドラマが存在し、レッドゾーンを思い起こさせた。 有明 二課長 八宵 朝未 入相 日高 新入社員 即戦力 霧生 シングルマザー 風間 フリーライターあがり 東雲 テンプレ 保科 葬儀社

Posted byブクログ

2025/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2025/07/25予約11 遺体復元をする納棺師の仕事小説。特殊復元処置衛生課に所属するメンバーそれぞれ深く辛い思いを抱え仕事に向き合う姿が痛ましい。解決できなくとも、日々の仕事を感情移入しすぎず一つづつ終えていく、こういう気持ちで納棺師を描くのは珍しいように思う。なので、とても新鮮な読書体験だった。良い悪いではなく、この仕事を続けられる人は数少ないだろうな… 初読み作家さん、なんとデビュー作品らしい。今後も楽しみです。

Posted byブクログ

2025/08/25

身内の時もきれいにお化粧してもらって、いつも感謝… 爺さんの時も父の時も、血色がよくなったように見えて、おぉ、と思った。確かに忙しそうだったけど。すごい仕事だ。 朝未き(あさまだき)って言葉初めて知った。

Posted byブクログ

2025/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

納棺師 全く知らない職業で、この話がどこまで事実なのかわからない。 でも世の中ではたくさん、多種多様のご遺体が生まれてしまう。 最期の挨拶のときに「見ない方がいい」って顔を見ずに見送るのは悲しすぎるもんなあ。 かと言って、人生を共に送ってきた家族や大切な人が 傷ついた状態で人生の最期を迎えるのもつらいし、そんな姿を見られる自信もない。 すごく大変な仕事なんだと思うけど 納棺師の方々がいてくれるおかげで、亡くなった本人も旅立つことができるでしょう。 残された遺族も別れを伝えることができるでしょう。 作品の中では 「こんな仕事」といって、家族に反対されている場面が多くあるけれど 素晴らしい仕事だと思う。

Posted byブクログ

2025/09/13

25/08/25読了 神保町の三省堂で、帯やポップに惹かれて購入。あまり買うまでいくことないので珍しい。 語り手の納棺師たちが変わってゆく連作短編集で、1話1話を通じて各人のことを知っていく。それは種明かしでもあるけど、変化を知ることでもあって、安心感のようなものを連れてきてく...

25/08/25読了 神保町の三省堂で、帯やポップに惹かれて購入。あまり買うまでいくことないので珍しい。 語り手の納棺師たちが変わってゆく連作短編集で、1話1話を通じて各人のことを知っていく。それは種明かしでもあるけど、変化を知ることでもあって、安心感のようなものを連れてきてくれる。 ご遺体の状態が丁寧に説明されるのにその事情は余白が多い。そのバランスが、読み手にちょうどよい距離感を与えてくれたのかなと思う。 死による別れを、残されたあるいは残されていない体そのものを含め語る作品は初めて読んだ。

Posted byブクログ

2025/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(*注意* ネタバレ・過剰な表現が一部あります) 日本の葬儀会社の二課に携わる人たちのお話。 一課は葬儀全般を請け負い、二課は損傷したご遺体の復元を担当する。 以前見たドラマ「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(原作:佐々涼子 主演:米倉涼子)を思い出した。 日々の仕事に向き合うプロフェッショナル。悩みを抱えていたり身内を亡くしたりした過去があり、今を生きている。 エンジェルフライトでは故人に寄り添う話だったが、こちらは二課の納棺師たちひとりずつにスポットが当たる。 「有明の月」 「朝未き」 「入相の鐘」 「宵の明星」 「東雲の空」 有明さん、朝未くん、入相さん、八宵さん、東雲くん。 「薄明」にちかい時間帯をあらわす名前になっていて、それぞれの心情に重ねるようになっている。 薄明とは、日の出前、日の入り後の、空が白く明るい様子。朝でも夜でもない、それが薄明。 受け入れられない死や別れがある。 印象的だったのは『亡くなった人(もしくはいなくなった人)の「理由」をどれだけ探してもわからない。死人に口無しというように当人にしかわからない。』(的なニュアンス) 〇〇だったから、というのは残された者が納得するためにすぎず、本当の理由を知ることはできない。この真理を夫に先立たれた妻が何年もかけて、ようやくたどりついた。 女子高生の飛び降りSNS配信、なんていう事件があったが、文章で想像するにも、あっけなく、無常で、やるせない…… この少女も「この後」のことを想像したことがあっただろうか?それすらできないほど心が衰弱していたのか? 表紙のイラストはこの女子高生の施行だったのか、、(はたまた幼い姉妹かもしれない) 故人との最後の別れのために、二課の人はまさに手を尽くして…… 他のケースも受け入れ難い事案がいくつもある。 それでも遺族が別れをできるように、少しでも心残りが減らせるように、納棺師の方々がいてくれる。 現実的には「復元」というくらいだから、かなりの状態……。言葉を選ばず言ってしまえば、人間も生物で死んだら傷む腐る、、。交通事故や飛び降りなどでは原型をとどめていないことも。 ドラマはそんな状態を映せるわけなく、かなりきれいに見せている、それを文章だからこそハッキリ表現している。 ただきれいに感動的に死を扱うのではなく、死を向き合わせてくれる作品だった。 遺された者たちの思いを知る作品でもある。

Posted byブクログ

2025/08/24

昨年亡くなった妻のことを考えながら読んだので遅々として進まず。 自殺とか事故死ではなかったが、納棺師さんが着物を着せてくれたり娘達が死化粧したりして見送った事が昨日の事のように思い出されて寂しさ辛さがこみ上げてきた。

Posted byブクログ

2025/08/24

これが新人なの〜と驚き。 流れるような文章で、情景が浮かぶ。 私たちは、いろんなことに意味付けをすることに人生を費やしてしまいがちだけど、目の前をしっかりみて感じて生きていこうと思える本でした。 次作を楽しみにしています☆

Posted byブクログ