汝、星のごとく の商品レビュー
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ラストの櫂と暁海の再会時のカタルシスがすごい 暁海が特にだが2人とも、序盤は自分本位になりきれないことから、周囲や環境に振り回されて結ばれない その中で、身の回りの問題を片付けつつ、二人と違うタイプの瞳子さんや北原先生に触れて、暁海が最後の決断をできるようになる 小説としての起伏だけでなく、 現実としても、人に感化されて自分では取れない行動に変わるって素晴らしいと思ってしまう (だからこそ描かれることが多いのだろうが) ライフハック的な観点だが、柔軟を大事にして感化されるスペースを残したい 仮に意図的に寄せたとしても、暁海の目から見た世界は素晴らしいに違いない
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2025.11.26読了 エピローグとプロローグが同じなのに、それぞれの感じ方が全く違い、読み手を惹き込ませる構成だと思いました。 櫂と暁海、似た境遇に育った2人が、それぞれの夢に対し、時期ごとに対照的になっていることが印象的で、うまくいっていない時期にこそ、それぞれが本当に大切なものを改めて認識する。 やっぱり人は、辛い時、悲しい時、失った時に初めて本当に大切なもの認識したり、思い出したりするんだなと。 個人的には、瞳子さんが述べた、新しいことに挑戦する時、怖いのは最初だけ、勇気を振り絞ってエイっていってしまえば、あとはなんとかなる旨の話は、今後、自分の人生の教訓になるかもしれない。 また、エピローグで、闘病中に櫂が書き切った小説である本作のタイトルのとおりであるが、この2人は、まさに星の如く。だなと。 男性の方も共感する部分が多く、おすすめです。
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環境も経験も自分と重ならないことが多すぎるのに 35歳、ひとりで自分のしたいことをして生きている自分を、肯定してもらっているような気がしたシーンがいくつもあった。 瞳子さんの存在と言葉が印象的だった。 『わたしは仕事をしていて、それなりに蓄えもある。もちろんお金で買えないもの...
環境も経験も自分と重ならないことが多すぎるのに 35歳、ひとりで自分のしたいことをして生きている自分を、肯定してもらっているような気がしたシーンがいくつもあった。 瞳子さんの存在と言葉が印象的だった。 『わたしは仕事をしていて、それなりに蓄えもある。もちろんお金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う』 『誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれない。〜〜〜 誰もあなたの人生の責任を取ってくれない』 高校生の青埜櫂を、黒川想矢くんに演じてほしい、、、
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心が痛い、でも読み進めたい…を繰り返しながら読了。気持ちに余裕があるときに読むことをおすすめします。読んで良かったと私は思います。
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凪良ゆうさんが紡ぐ言葉が大好きです。 親に振りまわされる所謂ヤングケアラーな2人が出会い、お互いの隙間を埋めるように惹かれ合い、別れ、紆余曲折あってまた巡り合う。 とにかく描写が丁寧で、リアルで、生々しくて、重くて辛い。 自分の幼少期や現在と重なる部分もあり辛くなる反面、これよ...
凪良ゆうさんが紡ぐ言葉が大好きです。 親に振りまわされる所謂ヤングケアラーな2人が出会い、お互いの隙間を埋めるように惹かれ合い、別れ、紆余曲折あってまた巡り合う。 とにかく描写が丁寧で、リアルで、生々しくて、重くて辛い。 自分の幼少期や現在と重なる部分もあり辛くなる反面、これよりはまだマシだなという安堵も感じた。 自分の人生は自分で決める。 何かを得るために、何かを選び何かを捨てる。当たり前だけど何より難しい。 だけど自分も自分の人生を自分で決めたいと後押しされた気分になった。 救いのない物語にも思えたけど、最後の時間を愛し続けた人と過ごせたことに救われた。 「夕星」とても綺麗な言葉だと思った。 何度も泣きながら読んだ。 余談ですが、待ちに待った文庫化の初回版はタイトルが箔押しになってて感激でした。
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第20回本屋大賞受賞作。ようやく読めた。 まず、しんどい話だなぁと... 島育ちの暁海と京都から島に来た櫂、2人の17歳から32歳までのお話。 2人とも酷い親の元に生まれ、島という閉鎖的なところで窮屈に高校時代を過ごす。櫂は漫画家として東京へ。暁海は母のために島に残る。 仕事も...
第20回本屋大賞受賞作。ようやく読めた。 まず、しんどい話だなぁと... 島育ちの暁海と京都から島に来た櫂、2人の17歳から32歳までのお話。 2人とも酷い親の元に生まれ、島という閉鎖的なところで窮屈に高校時代を過ごす。櫂は漫画家として東京へ。暁海は母のために島に残る。 仕事も私生活も思うようにいかなくなり、どうにもならないことが多すぎて、2人ともしんどい人生だなぁと。 生きることの自由さと不自由さ。 1人で生きて行く術、1人でも生きていける強さ。これが必要なんだよねと何度も思わされた。 ただ、内容がしんどいし、登場人物たちに共感できず、疲れてしまった。 思うように生きる、したいことをして生きることは素晴らしいことだとは思うけど、誰かを傷つけたり誰かの犠牲の上に成り立つ幸せなんてないんじゃないのかと思ってもみたり。 北原先生の娘の結ちゃんだけがなんとなく救いだった。結ちゃんは道を踏み外さず生きて欲しいと思った。
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なかなかいい本に出会えたと思う。人間や生きることへの問いかけが素晴らしかった。素敵な言葉がたくさん。北原先生のみたいな淡々としてて考えが素敵な方大好き。 島独特の噂が広がるみたいな話とか、毒親、ヤングケアラーの心情とか、もう色んなものが鮮明に、生々しく書かれてた。 ちょっと最後の方、自分的にはあの関係にモヤっちゃったから星4だけど、これはたぶん自分の本の読み取りが甘い。 たくさん考えさせられて面白かった!!
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自分の人生を生きることの大切さ。 でも自分の人生を生きることって簡単じゃない うまくいかないこと辛いこと悲しいこともたっくさんある。 でも、自分で選択したという事実が大事。 それだけがなにがあっても頑張り続けられる理由になる。 自分で決めても決めなくても人生って本当に大変なこと...
自分の人生を生きることの大切さ。 でも自分の人生を生きることって簡単じゃない うまくいかないこと辛いこと悲しいこともたっくさんある。 でも、自分で選択したという事実が大事。 それだけがなにがあっても頑張り続けられる理由になる。 自分で決めても決めなくても人生って本当に大変なことがいろいろあるから、せめて自分で決めたい。 これは自分のこれまでの経験からも、 ほんとーにそうだとおもう。 色々、普通とは を考えて動けなくなっている 今の自分の背中を押してもらった! 一気読みしちゃって 最後は涙が止まらなかった。
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これを読むと私は健全な環境で育ったんだなと思える作品だった。また、幸せの形というのは本人にしか分からないものなのだとも感じた。 毒親と聞いてネグレクトを想像していたけれど、作中の親たちは“切り捨てられない親”だった。愛情がゼロではない。けれど自由も選択肢も与えない。だから苦しいのだろう。 私の親は私にとっていい親ではなかったが、 尊敬に値する親だとは思うし、私がこの物語のふたりと違って、今自由な選択を出来る立場にいるのは紛れもなく支えられている側だからなのだと思う。 私はアキミと違って「正解」が大好きだ。 何かにつけて「正解」を選びたがる。最近は自己理解を深めていくうちに、前より固執しなくなったが今でもその片鱗とも言えない、やけど跡みたいなものがくっきりと残っている。 北原先生いわく、「正論」と「正解」は違うらしい。正論は悩み深い人間という生き物だからこそ、悩みの全てを切り捨てられる最後の砦なのだと言う。 正解は誰かが正しいと言ってくれても、その誰かが正しいことは誰が証明してくれるのかもわからないものだと言う。 私は誰が決めるとも分からない正解をずっと探してきたのだろう。それゆえに答えがひとつに定まらず、苦しかったのだろう。 わたしには不自由さを選ぶ自由があるにもかかわらず、不自由を選ばない。いや選べないのだ。何かあるごとに相手を疑い、観察し、本当に選んでいいのか見極める。 慎重と言えば聞こえはいいが結局その本質は間違える勇気がないのだ。櫂と同じく、弱さからくる優しさとも言えるし、アキミと似て「間違い」を選べないとも言える。 間違えた末に誰も何も保証してくれない怖さと、帰る場所がないという絶望に挟まれて、どうしようもなくなることを知っている。知っていて選べるところに、私はまだ行けない。 大人になれない大人よりももっと幼く。でもいっちょ前に大人のフリはしたがる。そんな見栄を張る気持ちだけが大きくなりすぎた子供なのだ。 これから先、いままでにないくらい何度も傷ついて、優しくされて、支えて、支えられて、時には裏切られて、自分の輪郭をもっとはっきりと強く形成し、感じていくのだろう。 そうなればきっと自分で「間違い」を間違いとして「選べる」ようになれる。そう思う事が私なりの未来への希望なのだ。 そう思えば少しワクワクしてくるのはきっと何よりも誰よりも子供な証拠なのだ。
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2人の人生の切実さ・どうしようもなさからに引き込まれてとにかく読み進めた。読んでる最中ずっと、プロローグでの暁海の描写が気になって、最終的に誰と暁海はあの関係性になるの??って思い続けてたけど、エピローグを読んでめっちゃすっきりした。プロローグでの描写にエピローグで戻ってきた時に...
2人の人生の切実さ・どうしようもなさからに引き込まれてとにかく読み進めた。読んでる最中ずっと、プロローグでの暁海の描写が気になって、最終的に誰と暁海はあの関係性になるの??って思い続けてたけど、エピローグを読んでめっちゃすっきりした。プロローグでの描写にエピローグで戻ってきた時に違うように捉えられる構造的な面白さもそうだし、物語を読んだ末にあの関係性に落ち着いているのも納得感があったし、爽快なエピローグだった。 2人の関係性には常に地元や家族、生活のことが絡み続けるけど、その生々しさとそれ故に感じる身近さでどうも他人事には思えない。個人的には西日本から東京に出てきた身として、自分にとっても切実に感じられる話題だった。 地方vs東京ってよくあるテーマだと思うけど、誰の心にもそれぞれ思い浮かべる地元があって家族があって、東京やそれに準ずる”中心のモノ”に対する叶わなさをそれぞれに感じていて、だからこそ普遍的なテーマになるんだろうなと今回ふと思った。
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